オンライン試飲会 ①テーマ「家飲み」

[蔵元]
繊月酒造
堤 純子さん

「家飲み」を楽しくするちょっとした工夫と想像力
堤さん 今回は泡盛と麦・芋・米の本格焼酎を皆さんにお届けしました。本格焼酎は添加物を入れません。米焼酎なら米と水だけで造り、お米は食べてもおいしい食用米を惜しみなく使います。試飲用の米焼酎は熊本県人吉市を流れる川辺川の水と、その水で育てたヒノヒカリで造った当蔵の『川辺』です。川辺川は全国水質ランキングで14年間連続1位のきれいな水が自慢なんです。
Mさん 『川辺』のお話を聞いて、熊本の美しい自然を思い出しました。この焼酎は温めて飲んだら、ストレートよりも原料の香りを強く感じる気がします。
堤さん 本格焼酎は温めることで香りと甘みが引き立ちます。地域に伝わる酒器に直燗できる種類もあるので、それを使えば手軽に焼酎を温められます。地域の文化にも親しめるので「家飲み」を楽しくするツールにいかがですか? アルコール分が飛ばないように沸騰させず、ぬる燗程度に温めてくださいね。
冷やして飲むなら、冷やしすぎには注意。銘柄にもよりますが、氷に焼酎を注ぐのではなく、焼酎に氷をひとつ落とすようにすると、香りがふわっと漂います。
Yさん 米焼酎も泡盛も原料は同じ米。でも味わいが違いますね。
堤さん 泡盛の原料はタイ米。泡盛はタイの王朝から伝わってきたと考えられています。また、長崎の壱岐島で造られる麦の壱岐焼酎は、朝鮮半島から蒸留技術が入ったことが発端でどちらも15世紀、室町時代頃が起源。それが今日まで続いています。そんな悠久の歴史に思いを馳せながら飲むとより一層、味わい深く感じられるのではないでしょうか。
「家飲み」のおつまみは、手軽さとこだわりがキモ

写真は皆さんに用意していただいたおつまみ。左はGさんの生ハムのユッケ。右はYさんのサバ缶のアレンジ料理。
Gさん オンライン飲み会には手作りおつまみを用意します。今日は、インスタで見た生ハムのユッケです。
Sさん わたしはシメジのマリネとお刺身などを用意しました。
堤さん マリネの酸味は麦焼酎に、刺身のような素材を生かした料理は米焼酎に合いますね。わたしは九州の名産品、明太子のタレにタコを漬けた一品のお取り寄せを。
Yさん こだわって取り寄せた食材でおつまみを作るのも「家飲み」ならでは。こだわりのサバ缶と再仕込みしょうゆを豆腐などに載せると、絶品のおつまみになります。
Mさん わたしは夕飯の残りのおでんをおつまみに。自由で気楽なのが「家飲み」の良いところかな。
Yさん お財布に優しい焼酎の価格は「家飲み」にぴったり。
Mさん 糖質ゼロで体にもいいし、翌日にも残らない気がします。
堤さん 糖分がないのに、原料の甘みも感じませんか。これこそ繊細な作業と技術の積み重ねです。
誇るべき日本の伝統酒は世界から注目されている
Gさん 本格焼酎が世界のコンペで金賞を受賞したとか。焼酎は日本以外でも造られているのですか。
堤さん アメリカやアジアで焼酎を造り始めています。ただ、水質の違いから、日本のような本格焼酎造りはなかなか難しいようなんです。焼酎造りは、美しい自然が育んだ日本の文化。各地の特色と歴史を織り込みながら、今に繋がっています。
Sさん 海外でも造られているとは驚きです!
