提供:内閣府

働き方再考 プロ人材 地方で輝く 国が進める 地域企業と都市部人材とのマッチング

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まずは提携する民間人材ビジネス事業者に登録

1ページ目で紹介した手代木氏と進氏の転職、松本氏の副業は、プロ人材事業を活用した好事例だ。同事業のスキームは下図の通り。まず全国45道府県(東京都・沖縄県を除く)に設置された拠点のマネジャーをはじめとしたスタッフが、地域の中堅・中小企業の経営者等に働きかけ、新商品開発や販路開拓、生産性向上など積極的な「攻めの経営」への転換を促進する。次に経営者等との対話を通じて「攻めの経営」に向けた課題とそれを解決するプロ人材像を明確に認識共有し、民間人材ビジネス事業者や本事業でパートナーシップを結ぶ都市部大企業等に取りつなぐ。結果として、地方への人材還流も目指す。

人材にとっては、転職や副業は受け入れ企業とのミスマッチが大きなリスクだが、先にも述べたようにプロ人材事業は、受け入れ企業の解決すべき課題や求人像を明確にした上で、求職者を探す仕組みとなっており、そのためミスマッチのリスクが低く、成約率、リピート率も一般的な民間の人材紹介マッチングと比較してもきわめて高い。これは大きな安心材料だろう。プロ拠点では、地域金融機関や民間人材ビジネス事業者等と連携してプロ人材のマッチングを推進している。関心がある方は、まずは(各拠点と提携する)民間人材ビジネス事業者に登録することから始めるとよいだろう。

図:プロ人材事業の仕組み1
図:プロ人材事業の仕組み2
図:プロ人材事業の仕組み3
図:プロ人材事業の仕組み4

■成約件数と相談件数(単年度)

表:相談件数と成約件数(年度別)1
表:相談件数と成約件数(年度別)2
表:相談件数と成約件数(年度別)3
表:相談件数と成約件数(年度別)4

■リピート率

表:高いリピート率

都市部大企業の人材戦略に活用

プロ人材事業では、都市部大企業等と地域企業との人材交流を促す「大企業連携」という取り組みも行っている。具体的には、都市部大企業に在籍する人材が出向・研修、あるいは副業・兼業の形で地域企業の仕事に従事し、経営課題解決等の手助けをする取り組みである。本取り組みは、転職や副業を希望する都市部勤務の大企業人材だけでなく、都市部大企業(人事セクション)自体からも注目を集めている。そもそもプロ人材事業は地方創生を目的とした事業だが、実は人材を供給する都市部大企業にとっても、人材戦略上のメリットがあるからだ。

広告コンテンツの戦略立案・企画・制作を行う会社を傘下に持つAOI TYO Holdingsは、2019年から社員のセカンドキャリア開発支援の一環としてプロ人材事業を活用している。「狙いはセカンドキャリアに向けての経験と自信をつけさせることにある」と、人材戦略部の沼尾ももみ氏は話す。

フォト:プロフェッショナル人材イメージ

「当社社員の強みは業務で培ったプロデュース能力。そのスキルを生かして定年後に転職したり起業したりするには、社外で様々な経験をすることが必要だ。当社にも定年再雇用制度はあるが、セカンドキャリアの可能性を広げ、準備を進めるには社外での副業経験が貴重な機会になると考えた」(沼尾氏)。

仕組みはいたってシンプルだ。AOI TYO Holdingsは、プロフェッショナル人材戦略全国事務局経由で、全国のプロ拠点に対しAOI TYOグループの社員が提供できる価値(プロデュース能力)を示し、副業先企業を探索。地域企業が求める人材像と一致すれば、各拠点から求人情報が届く。それを人材戦略部で精査し、適任者にアサインするという流れだ。これまですでに10人程度がプロ人材事業を活用した副業を行っており、社員からの反応も上々だという。

例えば50代男性社員は、鳥取県のハウスメーカーで月数回のオンライン副業を実施。最初はリモート会議に参加して課題整理や広告制作物のアドバイザリーからスタートしたが、徐々に企業理解を深め、最終的にはブランド管理まで手掛けるようになり、プロモーションのクオリティー向上に主導的な役割を果たしている。

副業経験者に共通するのは「地域企業の課題を解決し、喜ばれたことで自信をつけた」という感想だ。役割分担が明確な本業での業務と異なり、地域企業には広報部のない企業も多く、すべてを把握して業務を進めなくてはならない。そうした全体を俯瞰した業務を行うことが、自身の経験やスキルを整理したり見直すきっかけになるのだろう。

このようにプロ人材事業は、「社外での活躍機会の提供」や「セカンドキャリア開発支援」、「学び直し機会の提供」にも有効だ。都市部大企業は、プロ人材事業とパートナーシップ提携を行うことで、「多様な働き方の実現」や「働きがいの向上」など社員のキャリア多様化を実現する一助となる。現在約40社が包括的パートナーシップ提携を結んでいる。

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記事の内容は2021年3月現在のものです

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