NIKKEI 100年の資産形成

今の時代のお金のこと、考えよう

金融のプロが送る 未来の投資家へメッセージ

日本証券業協会

森田敏夫氏

証券投資機運高まる環境整備に期待

日本証券業協会 会長森田 敏夫

現在、日本は、少子高齢化や物価高など社会環境の変化に伴い、生活に係る支出はますます増加し、将来を見据えた資産形成が一層重要になってきています。

また、岸田首相から「資産所得倍増を目指す」との発言があり、「貯蓄から投資へ」の重要性やNISAの拡充についても取り上げていただきました。

そして、高校で資産形成の授業がスタートするなど、国全体で「証券投資」に関する機運が高まってきています。

実際、若い方々や投資未経験の方々を中心にNISA口座数が大きく増加するなど、新しい芽のようなものも育ち始めています。

証券投資を始めた人は、NISAなどの税制優遇制度を知ったことがきっかけだとする声が多いようです。資産所得倍増プランによって税制優遇制度の更なる拡充が図られるなど、より証券投資がしやすい環境が整備されることが期待されています。

ぜひ、この「証券投資の日」を機に、将来の資産形成の意義について考えていただければと思います。

日本取引所グループ

清田 瞭氏

あらゆる世代を対象に金融経済教育を提供

日本取引所グループ 取締役兼代表執行役グループCEO清田 瞭

今般、政府より「新しい資本主義」の実現に向けて「資産所得倍増プラン」の策定や貯蓄から投資へのシフトを大胆かつ抜本的に進める方針が打ち出されるなど、証券投資に大きな関心が寄せられています。

日本取引所グループでは、皆様の金融リテラシー向上と資産形成の取り組みを支援するため、「JPXマネ部!ラボ」ブランドのもと、小中高生から社会人まであらゆる世代を対象とした「5つのマネ部」が、各種金融経済教育を展開しています。

「JPXマネ部!ラボ」は、投資未経験の方でも安心してご利用いただけるよう、公正・中立な立場から、各種学習プログラムや投資・資産形成に有益なコンテンツを提供しており、「証券投資の日」である本日、これらの情報にワンストップでアクセス可能なポータルサイトも開設しました。ぜひご覧ください。

「証券投資の日」が資産形成について考えていただく「きっかけ」となり、皆様の未来、日本の未来が、より豊かなものになることを願っています。

りそなアセットマネジメント

南川 久氏

「ファーストペンギン」になろう!

りそなアセットマネジメント 未来資産形成ラボ所長南川 久

「人生100年時代」を迎え、できるだけ早いうちからの資産形成の必要性が指摘されています。ただ、これから投資を始めようとお考えの皆さんの中には、「難しそう」「怖い」といったイメージをお持ちの方も多いようです。

でも心配はいりません。なぜなら、誰でも最初は初心者だからです。

「ファーストペンギン」という言葉があります。群れで行動するペンギンの中から、天敵がいるかもしれない海の中へ、魚を求めて最初に飛び込む1羽の勇敢なペンギンのことをいうのですが、資産形成を始める際にも同じようなことがいえると思います。

資産形成の「ファーストペンギン」3か条は、「自分自身の目標を考えてみる」「銘柄選びに困ったらつみたてNISA対象ファンドから選んでみる」「長期・分散・積み立てで投資を継続し途中退場しない」ことです。

資産形成は、皆さんがこれからの長い人生を楽しむための心強い味方になってくれるはずです。まずは少額からで構いませんので投資への一歩を踏み出し「ファーストペンギン」になってみましょう。

三井住友トラスト・アセットマネジメント

青木 雅代氏

時間を味方につけ長く投資のステージに立とう

三井住友トラスト・アセットマネジメント 執行役員青木 雅代

若い世代の中には、老後の生活費の準備はまだ早いと思っている人もいるでしょう。しかし、資産形成は老後のために限らず、将来の夢を実現させるための備えとなり、5年、10年後の選択肢を広げる手段となり得ます。もちろん老後資金に不安を抱えている人にとっても、早めの資産形成は将来の安心感を得ることにつながります。

投資期間を長く取れるのは若年層の強みです。長期の積み立て投資なら始めるタイミングを問わないので、思い立った日に始めても構いません。

長期投資といっても同じ商品を保有しつづける必要はなく、年1回程度の定期的な見直しで商品を入れ替えてもよいでしょう。投資を始めてから、より自分の目的に合った商品がわかってくる場合もあると思います。大切なことは投資のステージから降りないことです。

投資初心者向けの情報は金融庁や運用会社などのウェブサイトが参考になります。金融用語などは調べながらでよいので、まずは少額から投資への一歩を踏み出してみてください。