提供:シグマクシス・ホールディングス

対談 シグマクシス代表 太田寛氏 × シグマクシス・インベストメント代表 柴沼俊一氏 コンサルティングと投資で新たな未来社会を創り出すシグマクシス・グループの挑戦

先行きが不透明で将来の予測が難しい"VUCA"(※)時代が到来している。環境問題の進行、国家間のパワーバランスの変化など、グローバル市場を支える土台が崩れつつあるのに加え、コロナ禍も相まって個人の生活スタイルや働き方、個人と企業の関係性といった社会を支える価値観も様変わりした。2021年10月に持株会社体制へ移行したシグマクシス・グループは、この混沌とする事業環境の中で新たな産業の概念が生まれていることを示唆する。社会はどこへ向かっているのか。豊かな社会を生み出すため、企業に求められる役割は何か。株式会社シグマクシス代表取締役共同代表の太田寛氏、株式会社シグマクシス・インベストメント代表取締役社長の柴沼俊一氏が語る。

※ VUCA:Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)を表すビジネス用語

限界費用ゼロ社会の到来で「産業の概念」が変わる

写真:太田 寛氏

株式会社シグマクシス
代表取締役共同代表
太田 寛

シグマクシス・グループは「新たな社会づくりへの貢献」を目指していますが、いま社会ではどのような変化が起き、どこへ向かっているのでしょうか。

太田 デジタル技術の進化と普及が加速し、モノやサービスを生み出すコストが限りなくゼロに近づく「限界費用ゼロ社会」が到来しつつあります。これは、企業がこれまで追求してきた価値創造モデルでは事業が成立しにくくなることを意味しています。新たな価値はどう生み出せばよいのか。企業は今まさにこの難題に直面し、試行錯誤を重ねているところだと考えています。

柴沼 この先は価値創造モデルの変化と共に、産業という概念そのものも変わっていくと考えています。人々の経済活動は、モノやサービスを生産して販売するという「産業」ではなく、顧客体験を起点に創り上げられる「ドメイン(系)」の上で動くようになっていきます。企業は産業ごとに構築されたサプライチェーンの中でそれぞれの役割を果たすのではなく、産業を超えた新しいネットワークを構成し、他社と繋がり連携することで、新たなドメインを共創していくことになります。

ドメイン(系)とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。

柴沼 米国のテスラ社の動きで説明するとわかりやすいでしょう。同社は電気自動車の製造だけでなく、動力となる電気にまで視野を広げて事業を展開しています。「エネルギー問題を気にすることなく、自動車に乗ってどこにでも移動できる」という顧客体験は、電気自動車だけを製造・販売しても実現できません。顧客体験を軸にビジネスモデルを描き、再生可能エネルギーを発電・蓄電・提供する仕組みをさまざまな企業と連携して構築し、自動車産業でもエネルギー産業でもないドメインを着々と創り上げています。

 また、オンライン書店として事業をスタートしたアマゾン社は、小売りに加えてエンターテインメント、セキュリティー、ヘルスケアと事業拡大を続け、最近では実店舗も展開しています。これは「購買」という顧客体験を軸にプラットフォームを構築し、多くの企業とつながり、ドメインを拡大し続けているケースです。

 プラットフォーマーが飛躍的な成長を見せている、ということはすでに言われていますが、なぜ彼らが成長できているかといえば、ドメインに目線を置いて成長のシナリオを描いているからだと私たちは考えます。そしてシナリオを実現するために、出資、提携、買収などさまざまな手法で目指す姿を形にしていく、強烈なネットワーク力と実行力が大きな競争力でしょう。

「コンサルティング×投資」だからこそ生み出せる価値

写真:柴沼 俊一氏

株式会社シグマクシス・インベストメント
代表取締役社長
柴沼 俊一

ゲームのルールが変わる市場において、企業はどんな変化が求められるのでしょうか。

太田 企業はこれまでとはまったく異なる市場に向かうことになります。異業種が競合相手として突然現われる、あるいは競合相手が連携相手になることもあるでしょう。自社の“ヒト・モノ・カネ”という経営資源をいかに効率的・効果的に使うかという社内のマネジメントに集中するのではなく、それらをいかに顧客体験軸で生かしていくかを考える必要があります。

 さらに、ドメインは一社では実現できないので、多様な企業とのコラボレーションが価値創造の前提となります。「A社の技術をB社の事業と組み合わせることで、新しいビジネスモデルが創出できる」というように、視線を社外に向けて事業の再構築をしていくことが求められます。

柴沼 個人や投資家が企業を評価する基準も大きく変わっていきます。自律分散型の経済が進み、すでに人々の関心は金銭的な豊かさよりも、「共感」がもたらす喜びへと移っています。また誰もが人間らしく豊かな生活を持続できる社会を創ることは、すべての企業が持つ責任です。企業はこれから、貨幣に価値を置く「金融資本」、貨幣には換算できない共感の価値を重視する「共感資本」、人々が経済活動および文化活動を豊かに営める環境・仕組みを社会共通の財産と考える「社会共通資本」、この3つの資本のバランスを取りながら、社会に向き合っていくことになるでしょう。

そのような未来社会づくりにおいて、シグマクシス・グループの役割やチャレンジは。

太田 まずは何より、日本企業が取り組んでいるデジタル・トランスフォーメーションを推し進めることです。これは「3つの変革」を実行することによって実現できると私たちは考えます。「3つの変革」とは、既存事業の効率化(狭義のデジタル・トランスフォーメーション)、新価値の創造(サービス・トランスフォーメーション)、そして経営プラットフォーム改革(マネジメント・トランスフォーメーション)のこと。コンサルティング事業を担うシグマクシスは、この取り組みに注力します。

 同時に、新しい事業環境における企業の成長シナリオを描くことも、私たちの役割だと考えています。より高い視座を持ち、幅広く産業を見わたし、新たな顧客体験を軸に価値創造モデルを構想する。その構想に共感いただける企業と共に、互いの技術・ノウハウを生かし合いながら実現のロードマップをつくり実装する。私たちの構想力、実行力が試される時だと考えています。また、こうした取り組みをスピーディーに動かす上で生きてくるのが、シグマクシス・インベストメントの投資能力です。新たなグループ体制ならではのダイナミックな価値創造に取り組んでいきます。

柴沼 シグマクシス・インベストメントは、これからの社会において重要になるドメインのいくつかに焦点をあてて活動していきます。新しい街づくり、人の生活や健康にかかわるフードテックやヘルステックなどを考えていますが、今後の成長分野を見極めて投資を行い、投資先企業の成長にも貢献することで社会に新しい価値を生み出していきます。

デジタル・トランスフォーメーションを構成する「3つの変革」

1. DX (Digital Transformation)
既存事業の効率化
2. SX (Service Transformation)
新価値の創造
3. MX (Management Transformation)
経営プラットフォーム改革

図:デジタル・トランスフォーメーション「3つの変革」

具体的な投資方針はどのようなものになりますか。

柴沼 投資のスタイルはベンチャー投資とグロース投資が中心です。ベンチャー投資についてはシードやアーリーのステージにある企業ではなく、ビジネスモデルが確定して事業がある程度成長軌道に乗ったミドルステージにある企業に投資をして、確実な成長を支援していきます。グロース投資はデジタル技術や大企業との組み合わせの視点から、今後の成長性が期待できる企業が対象となります。投資企業に対しては、シグマクシスとの連携によりデジタルを活用した事業の立ち上げやその成長支援も行いますし、グループが擁するネットワークを活用し、さまざまな企業との協業も推進します。

 投資による貢献だけでなく、グループの能力やネットワークを最大限に活用して企業の価値を生み出す、そんなユニークな投資会社を目指します。

クライアントやパートナーと「共に」
22世紀につながる社会を創る

あらためて、シグマクシス・グループの目指す姿をお聞かせください。

柴沼 私たちは2008年に創業し、以降10年、クライアントの「ために」、シェルパとして寄り添うという姿勢で走り続けてきました。シェルパとはヒマラヤの山岳ガイドのことであり、シェルパのように麓から山頂まで、クライアントのためにリスクを共有しながら最後まで支援するという意味が込められています。

 この創業以来から続く企業姿勢を土台に、2018年には「Create a Beautiful Tomorrow Together」というビジョンを策定し、クライアントやビジネスパートナーと「共に」、より広い社会における価値の実現を目指すという姿勢を明確にしました。今回のグループ再編には、このビジョンに組織全体で改めて魂を吹き込み、具体的なアクションをもってその実現に取り組んでいくのだ、という意志が込められています。クライアント企業やパートナー企業とは未来を創る「仲間」という関係性を築き、未来を描き、課題解決にとどまることなく、共に価値創造に取り組んでいきたいと思います。

太田 これまで当社は多くのクライアント企業の取り組みにご一緒させていただき、信頼関係を丁寧に積み重ねてきました。私たちが新たな進化に向けて動き出せるのは、そのような関係性があってのことです。私たち自身のあり方をもう一段レベルアップさせることこそが、クライアント企業に対するさらなる貢献だと思っていますし、「シグマクシス・グループと一緒に新しい価値創造を実現したい」と多様なプレーヤーが集まり、生き生きと活動する、そんなネットワークを創り上げたいと思っています。

柴沼 創業以来、私たちは立ち止まることなく自ら変化を続けてきましたが、シェルパ、そしてアグリゲーターとしての思想や行動は、DNAとして脈々と引き継がれています。自らをアップデートし続けることを楽しみながら、22世紀に続く社会創りを力強くけん引する集団、それがシグマクシス・グループの目指す姿です。

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