01名刺情報は企業にとって
重要なビジネス資産

ビジネスにおいて、世界で最も名刺を利用している国は日本だろう。新入社員研修のビジネスマナー講習でも、名刺交換は当たり前のように教えられ、ビジネスシーンで定着している。Sky ICTソリューション事業部副本部長の金井孝三氏はこう語る。

金井孝三氏
金井孝三
Sky株式会社
ICTソリューション事業部 副本部長

「名前や部署、役職といった情報が集約されている名刺は、顧客情報として活用することで、競争力向上のための重要なビジネス資産になり得ます。そのために重要なのが適切な管理ですが、名刺は個人と個人がやり取りするものなので、どうしても管理が属人的になりがち。また、名刺は昔から使われていることもあり、自然にあるものという意識からか、管理の方法や取り扱いルールが会社として整備されていないケースも多いのが現状です」(金井氏)

属人的な管理にはセキュリティー上のリスクが潜む。名刺は企業のものであり、転職などで退職する際には返却すべきものだが、会社の管理が及んでいない名刺を持ち出し、営業秘密に当たるかどうかが法廷で争われるケースが現実に起こっているのだ。

経済産業省が規定している「営業秘密管理指針」では、営業秘密に該当するのは「秘密管理性」「有用性」「非公知性」の3つの要件を満たした場合だ。これまでの裁判では、名刺はこの要件を満たさないという判決が出ており、セキュリティー面で無防備な状態となっていることは覚えておきたい。

02名刺の全社一括管理は
売り上げや業績の向上に有効

ITの普及に伴って近年増えているのが、個人が無料の名刺管理機能を持ったサービスを使って、企業の業務で得た名刺をデジタル管理するケースだ。しかし、これは管理が属人的なままでデジタル化したに過ぎず、リスクの解消にはならない。

「無料の名刺管理機能を持ったサービスの場合、マネタイズのために登録された名刺情報を利用するような約款となっているものもあります。利用登録は約款に同意したことになるので、広告主に個人情報が提供されるなど、利用者が想定していなかった使われ方をされる恐れがあります」(金井氏)

こうした事態を避けるには、会社として名刺管理のルールを明確に定めた上で、法人向けの名刺管理サービスなどを導入する必要がある。2022年4月1日に施行された改正個人情報保護法は、名刺の数が少ない中小企業も対象となっており、紛失や不正な持ち出しによる情報漏洩のリスクを低減するためにも、デジタルでの一括管理は有効だ。

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さらに、名刺を適切に管理することは、ビジネス資産としての価値をさらに高めることにもつながると金井氏は言う。

「名刺交換をした個人に委ねられてきた取引先の選定を、会社全体で戦略的に検討できるようになれば、個人の管理下に埋もれていた名刺情報を会社の資産として生かし、売り上げや業績の向上につなげていくことも可能です」(金井氏)

人材の流動性が高まっていること、ハイブリッドワークなどで対面する機会が減少していること、企業のコンプライアンスが問われる時代になったことなどを考え合わせれば、名刺情報の利活用は新たな局面に来ていると言える。経営者も、業務として名刺交換された名刺の情報は企業の重要な資産として、組織としてセキュアに一括管理することが、自社の競争力アップにつながることを認識しておくべきだろう。

03使える名刺管理。
オンプレミスでセキュリティーも万全

企業が法人向けの名刺管理サービスを導入する際、検討ポイントとして意識したいのは、クラウド型かオンプレミス型かという点だが、多数派はクラウド型だろう。自社にサーバを置く必要がないクラウド型は、手軽さと初期導入コストという有利さがある。また、自社サーバにデータを残さないため、社内からの情報漏洩リスクを考えなくていい点もメリットだ。

ただし、情報を名刺管理サービス提供する事業者の管理に任せるという点ではリスクがぬぐえず、また自社データであるにもかかわらず、自由に取り扱えないなどのデメリットもある。

一方、Skyが提供する名刺管理サービス「SKYPCE(スカイピース)」は、オンプレミス型だ。「オンプレミス型のメリットは、重要なビジネス資産である名刺データを自社で定めたセキュリティーレベルで厳格に一括管理できる点と、すでにある自社の規定に合わせた運用ができる点です。実は、厳しいプライバシーポリシーや情報セキュリティーの規定がある会社においては、数万人レベルの個人情報が記録されることも珍しくない名刺情報の個人情報データベースとなるため、デジタル化した名刺の管理にクラウドサービスが使えないという話を多く耳にしていたため、あらゆる企業で導入が可能なオンプレミス型サービスは、ホワイトスペースとして、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を利用できない企業のニーズが少なくないと判断しました」(金井氏)。

同サービスの名刺管理の仕組みはいたってシンプルだ。ユーザーは、オフィスに設置したスキャナやデジタル複合機のスキャナなどで名刺をスキャンするだけ。データのセキュリティー性も担保されている。

「スキャンデータは暗号化された状態でいったんSkyのクラウドサーバを経由しますが、活用できる状態に加工変換されたあとは、お客様の会社に設置されたオンプレミスサーバにデータが戻されます。Skyのクラウドサーバは、データが経由されるだけでクラウド上にデータは蓄積されません」(金井氏)

Skyは、もともとセキュリティー管理ツールを得意とするソフトウエア会社だ。例えば、クライアント運用管理ソフトウエア「SKYSEA Client View」は、社内のPCを一括管理し、名刺情報の閲覧、編集、削除、ダウンロードといった操作をログで追跡する。また、大規模ユーザー向けのシンクライアントシステム「SKYDIV Desktop Client」は、名刺管理画面へのアクセスを仮想環境でのみ行えるようにし、手元のPCに名刺データの保存を防止する。「SKYPCE」は、こうしたツールとも連携できる仕様で、また、SKYSEA Client Viewにも会社による名刺管理を推進するために、リスクのあるフリーの名刺管理機能を持ったサービスの利用をアラートとして警告する機能なども搭載し、企業に求められるコンプライアンスに応える設計となっている。閲覧画面は、会社名、エリア、担当者、名刺交換日、登録済みの各種タグなどで自由に検索が可能だ。また、一度に多くのデータを表示したい場合には、テキストのみのリスト表示にも対応するなど、直感的なインターフェースとなっている。

「名刺情報は正確性が重要なので、データ作成の際には、OCRやAIに加え、必ず人の目で最終チェックを行って、データの有用性を損なわないようにしています」(金井氏)

名刺スキャン/登録画面
名刺スキャン/登録画面 スキャナ
取り込みは、スキャナや複合機なら20~30枚をまとめて行える。また、オフィスに行かなくてもスマートフォンでの撮影に対応している。スキャン時には、名刺所有者の指定を行って取り込みを行う
名刺情報閲覧画面
名刺情報閲覧画面
会社名や名刺交換日など、多様な条件で検索が可能なほか、所在エリアの地図表示、一覧性に優れたリスト表示への切り替えなど、用途に合わせた活用が可能だ

名刺情報の有効活用は、営業だけでなく、経営、マーケティング、総務など、あらゆる企業活動に関わってくるという意味で、ビジネスの成長には欠かせない資産だ。だからこそ、高い精度が担保され、直感的に使えることに意味がある。企業の資産である名刺情報を安全かつ効果的に活用するために、オンプレミス環境で思い通りに名刺データの管理が行える「SKYPCE」の導入を検討する価値はありそうだ。

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