SMBCグループ、企業の脱炭素への
取り組み状況を可視化し改善策を提示・サポート
脱炭素経営を支援する「Sustana」で
“幸せな成長”への扉を開く

提供:SMBCグループ

三井住友フィナンシャルグループ グループCSuO 伊藤文彦氏 【聞き手】フリーアナウンサー 森本智子氏

失われた30年を越え、「幸せな成長」の30年を――。
企業にとって、経済的価値の追求に加えて社会的価値の創出も経営の重要課題となる時代が到来している。カーボンニュートラルの実現はその課題の一つであり、SMBCグループではグループ内の対応にとどまらず取引先を含めた対応を図るため、脱炭素の取り組みの入り口となる温室効果ガス排出量算定・削減支援クラウドサービス「Sustana(サスタナ)」を開発した。SMBCグループが目指す「幸せな成長」の時代とは何か、Sustanaが拓くサステナブル(持続可能)な世界とは。フリーアナウンサーの森本智子氏が、SMBCグループのサステナビリティ経営を統括する伊藤文彦グループCSuO(Chief Sustainability Officer)に話を聞いた。

SMBCグループが目指す
「幸せな成長」の時代とは

森本 SMBCグループが目指す「これからの社会」について教えていただけますか。

伊藤 世界は今、大きなパラダイムシフトに直面しています。デフレからインフレへ、低金利から金利上昇へ、グローバリゼーションからディグローバリゼーション(脱グローバリゼーション)へ。人々の価値観やライフスタイルは非連続で変化し続け、未来の予想が困難な時代を迎えています。

 過去を振り返ると、「失われた30年」と呼ばれる経済の停滞期を経験した日本も、次なる30年に向けた変革期に差しかかっています。奇しくも30年後に迎える2050年は、世界が脱炭素社会への移行を目指す目標年、つまり人類における重大な節目の年となります。その節目の年に向け、SMBCグループでは脱炭素への貢献はもちろん、様々な社会課題にスコープを広げ、社会全体の「幸せな成長」に貢献することが使命と考えています。

森本智子氏
フリーアナウンサー
森本智子

森本 「幸せな成長」の実現では何が重要になるのでしょうか。

伊藤 人々の価値観が変化する中で、企業価値を測る「物差し」が変わり、経済的指標だけでなく、経営を通じて社会的価値を創出できるかどうかが重要になります。そして社会的価値創出に向けた重要なテーマの一つがサステナビリティ(持続可能性)の実現です。

 SMBCグループでは、サステナビリティを「現在の世代の誰もが経済的繁栄と幸福を享受できる社会を創り、将来の世代にその社会を受け渡すこと」と定義し、2023年度から始まる新中期経営計画の柱にも据え、その実現に向けた取り組みをグループ一丸で行っていきます。

伊藤文彦氏
三井住友フィナンシャルグループ
グループCSuO
伊藤文彦
伊藤文彦氏

非金融サービスを活用した
「脱炭素への貢献」に注力

森本 サステナビリティを実現するために必要なことは何でしょうか。

伊藤 人権の尊重や生物多様性の保全など課題は山積していますが、いま世界的に最も大切なテーマの1つは「気候変動」です。地球の気温は産業革命前と比べてすでに約1.2度上昇し、このまま十分な対策を講じなければ気温は上昇を続け、多くの生物が生命の危機に瀕するといわれています。

森本 脱炭素の実現に向けて金融機関が果たすべき役割とは何でしょうか。

森本智子氏

伊藤 金融グループとしてまずもって果たすべき役割は、ファイナンスによる貢献です。銀行から証券、リースまで多様な事業の集合体であるSMBCグループはその総合力を生かし、再生可能エネルギーのプロジェクトファイナンスや、石炭火力からガス火力、水素燃料などへのエネルギーのトランジションに向けた設備投資へのローンや債券、リースによる支援など多様なソリューションを提供しています。

 加えて私どもは今後、非金融サービスを活用した脱炭素への貢献に注力していく方針です。 脱炭素の実現には、SMBCグループ自身が温室効果ガスを削減するだけではなく、お客さまのネットゼロに向けた取り組みを支援することが重要です。その実現には非金融サービスが鍵を握ると考えているからです。

一般に金融機関は様々な地域ならびに産業のお客さまとつながる「結節点」といわれています。三井住友銀行でも貸出金100兆円弱、融資先は約8万社に上っており、「結節点」として相応の役割を担っています。

 その役割を生かし、これまではサステナブルファイナンスや債券引受、リースやアドバイザリーなどの金融サービスを提供してきましたが、今後は異業種のパートナーとも柔軟に連携して非金融分野でも新たなサービスの提供を目指します。その一例が2022年にローンチし、企業のお客さまから好評を博している温室効果ガス排出量算定・削減支援クラウドサービス「Sustana」です。お客さまの脱炭素経営の伴走者として、温室効果ガス排出量算定の入り口から、ファイナンス等の具体的な施策の実行まで、シームレスに対応していきます。

図:脱炭素ソリューションにおけるSustanaの位置付け(全体像)

「Sustana」を入り口に
100を超える脱炭素の
改善策を提供

森本 「Sustana」を開発された目的を教えていただけますか。

伊藤 企業は今、株主や投資家、取引先、あるいは消費者など多様なステークホルダーからサステナビリティへの取り組みを強く求められています。しかし、多くの中堅・中小企業のお客さまは、「脱炭素と言われても何をやればいいかわからない」「そもそも温室効果ガスの排出量が計算できない」といったお悩みを抱えています。そのようなお客さまに対し、どのような貢献ができるのかを検討する中で自社開発して生まれたのが「Sustana」です。

図:お客さまの脱炭素経営に向けた課題

森本 「Sustana」の機能や特徴について教えていただけますか。

伊藤 一言でいえば、クラウド上でお客さまが排出される温室効果ガスを計測・定量化するサービスです。お客さまは様々な事業活動データを「Sustana」に取り込むだけで自社の温室効果ガス排出量を算定・開示することができます。

 特徴としては、専門知識がなくても理解できる算定方法の解説動画などのサポート機能が充実していることと、中堅・中小企業のお客さまも負担を感じにくい安価な料金で利用できることが挙げられます。導入のハードルが低く、使いやすい設計なので、三井住友銀行をメインバンクとしていただいているお客さま以外にも導入が広がっています。さらに最も特徴的なのは、温室効果ガスの削減策をレコメンドする機能を備えていることです。

図:Sustanaのサービスの流れとポイント

森本 レコメンドする削減策について具体的に教えてください。

伊藤 エネルギーマネジメントを専門とする「アズビル」さんや「東光高岳」さんなどの外部パートナーと連携し、その知見やノウハウを生かして運営面の改善から本格的な設備導入まで、業種や施設タイプに応じた100以上の改善策を用意しました。この中からお客さまの状況に合う最適な改善策の提案が自動で画面上に表示される機能を実装しています。

 さらに私どもは削減策の提示にとどまらず、SMBCグループが保有するリースやコンサルティングのサービスならびにビジネスマッチングを通した企業の紹介などを通じて、お客さまの脱炭素化の取り組みが完遂するまで伴走支援することを目指します。

伊藤文彦氏
「削減策の提示にとどまらず、お客さまの脱炭素化の取り組みが完遂するまで伴走支援することを目指します」(伊藤氏)

グリーンな金融機関として
世界の「幸せな成長」に
貢献したい

森本 大変すばらしい取り組みですね。ところで「Sustana」のようなサービスを金融機関が自社開発されることは非常に珍しいと思いますが、その意図はどこにあるのでしょうか。

伊藤 冒頭でお話ししたように、我々の目的は社会的価値を創出することにあります。それを実現するためには、金融機関として扱う財務データだけではなく、温室効果ガス排出量などの非財務データにも着目しなければならないと考えました。

 数値化が難しい非財務データはお客さま自身も把握されていないことが多いので、まず客観的にデータを収集してどこに課題があるかを可視化する必要がありました。その非財務データを収集・可視化する仕組みが「Sustana」です。

 つまり「Sustana」が脱炭素に関連する非財務データを収集し、そこにSMBCグループが持つ財務データを掛け合わせることで実効性の高いソリューションを提供できるのです。この非財務データのマネジメントを外部に委託してしまうとその価値を創出できないと考え、金融機関としては異例ですが、あえて「Sustana」を自社開発しました。

森本 最後に読者に向けたメッセージをお願いします。

伊藤 SMBCグループのコーポレートカラーはグリーンです。持続可能な社会の実現に貢献するグリーンな金融機関として、サステナビリティへの取り組みを経営戦略上の重要課題と位置付け、脱炭素社会への円滑な移行に向けてグループ一丸となって取り組み、世界の「幸せな成長」に貢献していきたいと考えています。

左より伊藤文彦氏、森本智子氏
  • 伊藤文彦 東京大学経済学部卒業後、1990年に現三井住友銀行入行。三井住友銀行本店営業第七部長、三井住友銀行執行役員経営企画部長兼三井住友フィナンシャルグループ執行役員企画部長等を経て、現職。
  • 森本智子 早稲田大学第一文学部卒業後の2000年にテレビ東京に入社。「ワールドビジネスサテライト」や「日経プラス10」、池上彰の選挙特番など、経済・報道番組を中心に出演。2021年に健康情報やサービスを提供する会社、株式会社Wellness Meを起業、代表を務める。
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