Snowflakeが目指す
「データをモビライズした世界」とは?
提供:Snowflake
Snowflake株式会社
シニアプロダクト
マーケティングマネージャー
兼 エヴァンジェリスト
KT 氏
デジタルトランスフォーメーション(DX)を積極的に推進する企業が増える中、データを分析して意思決定に活用する「データドリブン経営」が注目されている。だが、社内外に“サイロ化”された状態で散在する多種多様なデータの中から、本当に役立つデータを探し出して確度の高い分析結果を得るのは容易ではない。とくにデータ分析の専門家ではない経営者や業務部門のマネージャーが、自由自在にデータを扱うのは至難の業と言えるだろう。そうした複雑で難しいデータ活用プロセスをシンプルにするのが、Snowflakeの「データクラウド」だ。従来のデータ管理プラットフォームとは一線を画すデータクラウドを提供する同社が目指すのは、誰もが必要なときに容易にデータを活用できる「データの民主化」を達成し、「世界中のデータをモビライズすること」だという。なぜ「データの民主化」が必要なのか。「データをモビライズする」とはどういう世界を実現することなのか。Snowflakeでシニアプロダクトマーケティングマネージャー 兼 エヴァンジェリストを務めるKT氏に聞いた。
Snowflake株式会社
シニアプロダクトマーケティングマネージャー
兼 エヴァンジェリスト
KT 氏
KT「データの民主化」という言葉自体は決して新しいものではありません。私自身がよく聞くようになったのは5~6年前のことですが、それよりもっと前から使われていたと思います。その意味は「誰もがデータを主体的に使える状態」を指しています。
ではなぜ、今になってこの言葉が注目されているのでしょうか。それは「データの民主化」がいまだ達成できていないからです。ビジネスの意思決定にデータを活用したくても、サイロ化していて必要なデータにアクセスできない、データを素早く入手できない、そもそもデータが存在しないといったように、課題だらけなのが現在の状況です。
ほんの少し前まで、データ活用の現場はデータサイエンティストと呼ばれるような専門家の領分でした。一方で経営者は、勘と経験に基づく優れた洞察力あるいは直感を持っています。ビジネスの意思決定にデータを活用しようという機運が高まると、経営者はデータ分析の専門家に対してデータの収集・分析を指示し、専門家によるインサイトと経営者の直感をすり合わせて意思決定を下していました。
しかし、今はそのやり方は通用しません。急変するビジネス環境に即応するためにも、経営者自身がデータを扱い、わかりやすく可視化された分析結果を見て、迅速に意思決定することが求められています。そのためにも「データの民主化」を実現する必要があるのです。
KT経営者が自社のビジネス状況をデータの分析結果に基づいて判断し、意思決定した内容を正確に伝えるには、ビジネスに関わるすべての人が同じデータにアクセスして、適切に活用できる環境を整えなければなりません。そして誰もが使い方に迷うことなく、データを活用できる環境が当たり前のように存在する必要があります。また、誰もがデータを活用できるスキルやリテラシーを身につけることも重要になりますが、最近はデータに目を向ける人が増えるにつれ、積極的に学ぼうという意欲を持った人もどんどん増えています。
もちろん「データの民主化」を実現するには「道具」となる技術も不可欠です。その技術として、Snowflakeが提供しているのが「データクラウド」です。
KTSnowflakeは「世界中のデータをモビライズすること」をコーポレートミッションとして掲げています。「モビライズ」には「結集する」「動員する」「流通させる」といった意味があり、似たような言葉には主に携帯電話やスマートフォンを指す「モバイル」、自動車業界で使われる「モビリティー」などがありますが、いずれも人やモノの移動を表す意味があります。Snowflakeが使うモビライズには「簡単に移動できる能力を持たせること」といった意味を込めています。
では、Snowflakeが目指す「データをモビライズした世界」とは、いったいどのような世界なのでしょうか。そもそもデータとは異なる値や情報を比較することで、私たちの理解を深めるために使われています。ところが、デジタル技術が進展するに従い、比較対象となるデータの種類・量は爆発的に増え続けています。
そんなデータを意思決定に活用する際には、基本的に人、モノ、場所、時間などの軸で、得られたデータ同士を比較してきました。例えば企業が自社の事業戦略を策定する場合、ほとんどの企業は“昨年対比”という過去のデータを物差しにしながら物事を決めていたわけです。ところが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックというビジネス環境の大きな変化に見舞われた結果、前年のデータがまったく役に立たないという状況になりました。つまり自社の過去の記録と比較しても意味のないものになり、未知の中から知見を発見しなければならない世界へと一変したのです。
このような状況下にあって「データの民主化」を実現するには、自社のデータだけでなく他社のデータも含めて活用する必要があります。Snowflakeはそうしたデータのモビライズがしやすい環境を用意するという役割を果たしているのです。
KTSnowflakeのデータクラウドは、データを格納するストレージ、データ処理を行うコンピュータリソースが完全に分離しているという特徴的なアーキテクチャを採用しています。とくにデータストレージはデータを自動的に小分けして分類・格納し、一度に大量のアクセスが集中しても対応できるマイクロパーティション技術という工夫が施されています。
一般的なデータ管理プラットフォームの場合、多種多様なデータを収集・蓄積する場所としてデータレイクがあり、そこから必要なデータを抜き出して活用するデータウェアハウスを作成します。それに対してSnowflakeのデータクラウドは、データレイクとデータウェアハウスの両方の役割を担っています。データの種類や量、構造・非構造に関わらず、あらゆるデータを高い圧縮率で保管し、パフォーマンス良く参照したい形式で即時にアクセスすることができます。わざわざデータレイクとデータウェアハウスを分けなくても、誰でも高品質なデータにアクセスできます。この部分が他のデータ管理プラットフォームとの大きな違いです。
KT米国大手食品メーカーのクラフトハインツ社は、ビジネスイノベーションのスピードアップ、市場の変化への迅速な対応、「人生を美味しくする」というミッションを推進するために、DXの取り組みを進めています。そのデジタル変革の一環として、同社は2020年にオンプレミス環境で運用していたデータプラットフォームをSnowflakeのデータクラウドへ置き換えました。
複数の導入候補とアジリティ(俊敏性)やパフォーマンスなどを比較検討しましたが、Snowflakeのデータクラウドを選定した理由は、まさにモビライズの部分にありました。Snowflakeのデータクラウドではデータ利用者自身がサードパーティのデータソースにアクセスして利用することが可能であり、これが決め手となり導入が決定しました。
同社はコロナ禍の影響を受けながらも、わずか9カ月という短期間のうちにオンプレミスのデータウェアハウスを廃止し、Snowflakeのデータクラウドへ移行しました。移行後はコロナ関連データも活用して予測モデルを修正するなどの成果を上げているそうです。
クラフトハインツ社の成功事例からわかるのは、「データの民主化」を実現するためにはデータをモビライズすることが重要だということです。ただし、Snowflakeのデータクラウドを単に導入したからといって、容易に同様の成功が得られるわけではありません。モビライズしたデータを活用して意思決定し、未来を築き上げていくことができるのは「人」だからです。
私たちSnowflakeの責務は、そうした未来をつくる企業のための「土台(プラットフォーム)」を用意するところにあると考えています。