待望のグッチ ビューティ メークアップ ラインが、9月にお目見えした。グッチのクリエーティブ・ディレクターであるアレッサンドロ・ミケーレが、メークアップに寄せる熱い思いを反映したこのライン。その魅力と全貌とは?
それは、グッチによる美の宣言
ラグジュアリーなモードを牽引(けんいん)するハイブランド、グッチ。幅広い層から人気を博すこのブランドから、グッチ ビューティ メークアップ ラインが登場した。クリエーティブ・ディレクターを務めるアレッサンドロ・ミケーレのビューティマニフェストに基づいて開発されたこのライン。テーマの核となるのは『自己表現と多様性』。クリエーションにおいてジェンダーレスや折衷主義を掲げるアレッサンドロらしく、「メークアップはその人自身の性格や個性を表現する方法のひとつである」という考えを体現したものだ。欠点を隠すメイクではなく、誰もがなりたい自分、ありのままの自分を表現するために自由に使えるモードなツールとなるものなのだ。そんなグッチ ビューティ メークアップ ライン。まずは5タイプ、全78色という驚異のバリエーションを誇るリップスティック コレクションからご紹介しよう。
多様性を楽しむ5つのタイプのリップスティック
「子供の頃に見た母のリップスティック。母は1950年代の影響を受けていて、私はそこに力強い意味を見いだしていたようです」と、語るアレッサンドロ。思わず手に入れたくなるオブジェとしてデザインされたのがリップスティックのパッケージ。どことなくヴィンテージ感を漂わせながら、モダンな機能性を共存させた5種のデザインには、誰もが心惹かれるはず。もちろん唇に乗せた時のメイク効果もそれぞれに異なる。サテンのような光沢のルージュ ア レーヴル サタン(全24色)、シアーでみずみずしい仕上がりのルージュ ア レーヴル ヴォワル(全12色)、マットな質感のルージュ ア レーヴル マット(全24色)、鮮やかな発色が持続してリップケア効果も高いルージュ ドゥ ボーテ ブリアン(全15色)、さらに唇の潤いを守るバーム ア レーヴル(全3色)。多彩なメイク効果でメイクという行為の幅と喜びを広げるラインアップなのだ。さらにもう一つの特徴、それがマルチユース処方だ。リップスティックのどれもがチークとして使用でき、カラーによってはアイシャドウにも使うことができる。制限のない表現のための工夫や遊び心が、ここにも込められているのだ。
新しい美の幕開け
グッチ ビューティ メークアップ ラインには、リップスティックのほかにも、アイメークアップ、そしてベースメークアップのアイテムも。アイメイクには、アイライナー&アイシャドウ用のライナー、マスカラ、アイブロウペンシルを展開。またベースメイクは、素肌の個性を活かしながら、肌状態を引き上げて自分らしく装うためのラインアップ。「メイクによって、印象づけたい自分を演出することはできるけれど、既にあるものを変えたり、隠したりするのでなく、個性を際立たせることに重点を置くべきです」と、アレッサンドロ。そう、メイクは自分のためのもの。自分らしさを引き立てた上で、時には異なる女性像にチャレンジしたり、イメージを遊ぶなど、もっともっと自分を喜ばせ、楽しませるためのもの。そうした考えに基づいて、自由にアイテムを選び、使いこなすことで育まれるのが個性ある美しさなのだから。1921年にフィレンツェで創設され、今年で100周年を迎えたグッチ。次なる時代に向けてのスタート、新たな美の物語はもう始まっている。
Photos: Toshimasa Ohara(aosora) Editor: Midori Kurihara