マドモアゼル・ユリアが出会う、日本伝統の技 vol.3

2022.03.18

DJ、着物スタイリストとして活躍し、日本の伝統文化好きとしても知られるマドモアゼル・ユリアさんがさまざまな工房を訪ね、匠の技に触れる新連載。第3回は、東京・浅草の「染絵てぬぐい ふじ屋」に訪問。3代目の川上正洋さんにお話を伺いました。

YULIA’S NOTE

先日、寄席に行ったのですが、「てぬぐい」がやっぱりここでは大活躍していました。噺家さんが話すときには財布になったり、手紙になったり、幇間さんはほっかむりにしていたり。視線が集まる場面で登場するので、そのデザインにもついつい注目してしまいます。特に噺家さんにとっては、二つ目に昇進して以降はてぬぐいが「名刺代わり」となるそうで、そのデザインは人によりさまざまです。
 「染絵てぬぐい ふじ屋」さんは浅草という土地柄、噺家さんがふらっとお店に遊びにくるほか、歌舞伎役者さんからの注文もよくあるそうで、現代でもまだ江戸の風情の残る下町という感じがしてなんだか憧れます。
 「ふじ屋」さんのてぬぐいはその一点一点がオリジナルのデザインです。また、江戸時代に作られたてぬぐいの復刻も行っていて、これが江戸の粋を詰め込んだような大胆なデザインで、洒落が効いていて、見ているだけでも楽しいです。動画のほうでご紹介した「熊野染(め鯨)」や嘉来やさんのデザインもそうですが、てぬぐいには、こういった言葉遊びが多く見られて、意味がわかるとさらに楽しい文化です! わたしもいつか自分のオリジナルのてぬぐいを絶対に作ろう!と思いました。

左から、川上正洋さん、マドモアゼル・ユリアさん。
左から、川上正洋さん、マドモアゼル・ユリアさん。ユリアさん着用分トップス¥19,800、スカート¥46,200/ともにシーエフシーエル(https://www.cfcl.jp/

染絵てぬぐい ふじ屋
川上正洋さん

1984年生まれ。1946年の創業以来、3代にわたってオリジナルの図案を描き続け、伝統的な注染染めの技法でてぬぐいを作り続ける「染絵てぬぐい ふじ屋」の3代目。初代の祖父、2代目の父が職人として働く姿を見て育ち、学生時代からお店を手伝う。2007年、父の千尋さんに師事。「てぬぐい作りは分業制。父や私が描いた下絵を型屋さんにお渡しし、和紙で型を作っていただきます。型は色ごとに使い分けるので、色数によっては1枚のてぬぐいを作るのに数種類の型が必要になることも。その次は染屋さんに1色ずつ染めていただき、完成します。職人さんの数は少なくなってきていますが、次世代に伝え、100年続く文化へと育てていくことが目標です」

マドモアゼル・ユリアさん

DJ、着物スタイリスト。10代からDJ兼シンガーとして活動を始め、現在は着物のスタイリング、モデル、コラム執筆、BSテレビ東京「ファッション通信」のアンバサダー、アワードの審査員など、幅広い分野で活躍中。2020年には京都芸術大学の和の伝統文化科を卒業し、同年、英国のヴィクトリア・アルバート博物館で行われた展覧会「Kimono Kyoto to Catwalk」のキャンペーンビジュアルのスタイリングを担当。最近では東京エディション虎ノ門やkudan houseなどで着付け教室も開催。YouTube「ゆりあときもの」https://m.youtube.com/user/melleyulia

Movie & Photo: Hiro Nagoya
Model: Mademoiselle Yulia
Editor: Kaori Shimura
Director: Kaori Takagiwa

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