マドモアゼル・ユリアが出会う、日本伝統の技 vol.6

2022.06.17

DJ、着物スタイリストとして活躍し、日本の伝統文化好きとしても知られるマドモアゼル・ユリアさんがさまざまな工房を訪ね、匠(たくみ)の技に触れる本連載。第6回は1930年創業、日本橋の傘専門店「小宮商店」で職人を務める伊丹小百合さんを訪問。

YULIA’S NOTE

今回は、東日本橋で昭和5年から洋傘づくりを続けている小宮商店さんにおじゃましました。
 ビニール傘がどこでも買える現代、傘って消耗品的な扱われ方をされがちですが、丁寧な手仕事でつくられた他にない素敵な傘は愛着が湧きますし、長く大切に使いたい!という気持ちにさせてくれます。
 私も小宮商店さんの日傘や折り畳み傘をいくつか持っているのですが、服装やシーンに合わせて使い分けながら、大切に愛用しています。
 小宮商店さんは「番傘」が一般的だった当時の日本で、甲州織を使った洋傘の製作を始めて90年以上。一時は洋傘の一大産地となっていた日本ですが、その産地はアジア諸国に移り、日本製の傘をつくっている傘屋さんは、現在では都内でもわずか数軒だそうです。
 洋傘づくりは、職人さんが生地の裁断から縫製、骨や持ち手をつける作業もすべて行います。あまりに素早くて、簡単にやっているように見えますが、どの工程もミリ単位の正確さが必要な、熟練した技術が求められる作業です。
 2018年には「東京洋傘」が東京都の伝統工芸品に指定され、小宮商店で長年洋傘製作をされている職人さんも伝統工芸士として認定されました。
 どの業界でも技術の継承者の減少が叫ばれる伝統工芸の世界ですが、小宮商店さんでは毎年多くの職人志望の方、特に女性の方の応募が殺到しているそうです。小宮商店さんは女性が活躍できる環境づくりにも注力されていて、20年には「東京都女性活躍推進大賞」で大賞も受賞されました。

左から、伊丹小百合さん、マドモアゼル・ユリアさん。
左から、伊丹小百合さん、マドモアゼル・ユリアさん。ユリアさん着用分ブラウス¥53,900、スカート¥60,500/ともにセルフポートレート(イザ 0120-135-015)

伊丹小百合さん

1930年創業の東京・日本橋の傘専門店「小宮商店」の傘職人。前職ではまったく異なる仕事をしていたが、もともと興味のあった日本の手仕事に携わりたいという思いが強くなり、小宮商店の採用募集告知を見て、この道へ。弟子として1年間経験を積み、4年前に職人としてデビュー。結婚、出産を経て、現在は育児と仕事を両立している。

マドモアゼル・ユリアさん

DJ、着物スタイリスト。10代からDJ兼シンガーとして活動を始め、現在は着物のスタイリング、モデル、コラム執筆、BSテレビ東京「ファッション通信」のアンバサダー、アワードの審査員など、幅広い分野で活躍中。2020年には京都芸術大学の和の伝統文化科を卒業し、同年、英国のヴィクトリア・アルバート博物館で行われた展覧会「Kimono Kyoto to Catwalk」のキャンペーンビジュアルのスタイリングを担当。最近では東京エディション虎ノ門やkudan houseなどで着付け教室も開催。YouTube「ゆりあときもの」https://m.youtube.com/user/melleyulia

Movie & Photo: Hiro Nagoya
Model: Mademoiselle Yulia
Editor: Kaori Shimura
Director: Kaori Takagiwa

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