マドモアゼル・ユリアが出会う、日本伝統の技 vol.7

2022.07.15

DJ、着物スタイリストとして活躍し、日本の伝統文化好きとしても知られるマドモアゼル・ユリアさんがさまざまな工房を訪ね、匠(たくみ)の技に触れる本連載。第7回は1652年の創業以来、上野池之端の地で組紐を制作し続ける「有職組紐 道明」を訪問。

YULIA’S NOTE

今回は、着物好きであれば誰しも憧れる、「有職組紐 道明」さんへ伺いました。お店に入ると、ズラリと並んだ色とりどりの帯締め。とっても美しくて、ずっと眺めていたくなります。道明さんは、帯締めの最高峰として名高い1652年創業の有職組紐の老舗ブランドです。
 組紐の歴史は古く、なんと飛鳥・奈良時代に大陸から伝来。以後、日本でも発展していきました。束ねた糸を組み上げていく組紐の完成形は、四角い「角打ち紐」と平らな「平打紐」、丸い「丸打紐」の3種類に大きく分けられます。今回は上野の池之端にある道明本店で、そんな組紐ができあがっていく工程を手染めから手組みまで見せていただいたのですが、道明さんでは「組紐体験」のワークショップを開催されていて、行ってみたいなと常々思っていたので、今回は体験もさせていただきました! 簡単な紐を組む体験だったのですが、想像よりずっと難しかったです。頭でいろいろ考え出してしまうと、手が思うように動かず……。
 あらためて道明さんのホームページを見ると、こんなことが書いてありました。
 「組むということ それは果てしない反復の作業。同じリズムで、同じ手加減で、はじめから終わりまで均質な紐を作り出します。雨の日も、風の日も、ご機嫌な日も、不機嫌な日も、毎日変わらず組み続けなければなりません。特に雑念は紐の出来栄えに大きく影響します。心を無にすることが大切なのです」
 思えば私、雑念だらけで作業していました。次回は無心で挑んで、満足のいく組紐づくりを体験したいです。

右から、マドモアゼル・ユリアさん、株式会社道明の道明葵一郎代表取締役社長、広報担当の山口佳子さん、職人として活躍するお二人。
右から、マドモアゼル・ユリアさん、株式会社道明の道明葵一郎代表取締役社長、広報担当の山口佳子さん、職人として活躍するお二人。ユリアさん着用分ドレス¥82,500/ミス ファリーン https://faline.tokyo/

有職組紐 道明

江戸時代初期の1652年、上野池之端で糸商として創業し、以来、組紐づくりを手がける老舗。明治維新後は帯締めの専門店として人気を集める。機械化、量産の道を選ばず、現在も自社の職人による手染め、手組みですべての組紐を制作。また、正倉院をはじめ各地の古社寺が所蔵する歴史的な組紐の調査研究、復元模造に取り組んでいる。日本各地で組紐教室を開くほか、ストラップやブレスレットを作る初心者向けの体験教室も開催。

マドモアゼル・ユリアさん

DJ、着物スタイリスト。10代からDJ兼シンガーとして活動を始め、現在は着物のスタイリング、モデル、コラム執筆、BSテレビ東京「ファッション通信」のアンバサダー、アワードの審査員など、幅広い分野で活躍中。2020年には京都芸術大学の和の伝統文化科を卒業し、同年、英国のヴィクトリア・アルバート博物館で行われた展覧会「Kimono Kyoto to Catwalk」のキャンペーンビジュアルのスタイリングを担当。最近では東京エディション虎ノ門やkudan houseなどで着付け教室も開催。YouTube「ゆりあときもの」https://m.youtube.com/user/melleyulia

Movie & Photo: Hiro Nagoya
Model: Mademoiselle Yulia
Editor: Kaori Shimura
Director: Kaori Takagiwa

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