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ニュースな腕時計、12のトピックス[後編]

2022新作ウォッチ速報 vol.2

2022.4.28

世界最大の高級時計の見本市「Watches & Wonders Geneva」で発表された新作をはじめ、最旬ラグジュアリーウォッチにまつわる12の話題をリストアップ。後編となる本記事では、ハンサムウーマン向きのパイロットウォッチや進化を遂げたマスターピースなど、ニュースな6ブランドの新名品をお届けしよう。

【#07 ブライトリング】 祝70周年。女冥利の新生「ナビタイマー」旋風到来!

左から、「ナビタイマー クロノグラフ 41」(ケース径41mm、RG、アリゲーターストラップ、自動巻き)¥2,227,500 女性モデル着用/トップビジュアル掲載の「ナビタイマー クロノグラフ 41」(ケース径41mm、SS、アリゲーターストラップ、自動巻き)¥1,050,500/ともにブライトリング(ブライトリング・ジャパン フリーダイヤル0120-105-707)

計器然とした男前なルックスとハイスペックで、時計エリートたちが指名買いするパイロットウォッチの先駆者、ブライトリング。ブランドを象徴する伝説のクロノグラフ「ナビタイマー」が、1952年の誕生から今年で70周年を迎え、モダナイズした新コレクションが登場。外周に刻まれたメカニックな航空用回転計算尺や3つのクロノグラフカウンターなど、傑作のアイデンティティはそのままに、豊富なサイズと洗練のカラーリングでアップデートを遂げた。

完全自社開発の屈強なムーブメント、キャリバー01を搭載した新生「ナビタイマー」は、ケース径46mm、43mm、41mmの3サイズ展開。本物志向のアクティブ女性には、華奢(きゃしゃ)な腕上で存在感を放つ41mmがおすすめ。なかでも、ミントグリーンダイアルにシルバーのクロノグラフカウンターが際立つスティールモデルと、シルバーカラーの濃淡で統一した上品なレッドゴールドモデルに注目を。真のアイコンには、飛行士のみならずセルジュ・ゲンズブールをはじめとするスターたちにも愛されてきた無二のスタイルがある。メンズライクな要素がかえって女らしさを引き出し、ジェンダーを超える時代。ハンサムウーマンたちよ、モダンレトロなこの品格を先取りして!

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【#08 ロレックス】 現代女性たちのパートナー、「デイトジャスト 31」に花が咲く

「オイスター パーペチュアル デイトジャスト 31」左から、(ケース径31mm、SS×WGベゼル×ダイヤモンド、自動巻き)¥1,118,700 (ケース径31mm、YG×ダイヤモンド、自動巻き)¥4,603,500(ともに予定価格、発売時期未定)/ともにロレックス(日本ロレックス フリーダイヤル0120-929-570)Photos: ©Rolex

ビジネスウーマンからファッショニスタまでを虜にする、ロレックス屈指のクラシックアイコンといえば、深夜0時、瞬時に日付が切り替わる「デイトジャスト」。ケース径28mmの「レディ デイトジャスト」と36mm、41mmモデルの間に位置するのが、注目度の高い31mm径のミッドサイズだ。優れた視認性など実用性も増すうえに、上品なムードも併せもつ抜群のバランス感覚で、大きめの時計を好む女性たちからラブコールが絶えない。そんな「デイトジャスト 31」に、今年はフローラルモチーフダイアルの新モデルがラインナップ!

たびたび登場しては話題を集めていた大人気文字盤、フラワーモチーフのシリーズ。新作では、夏の草原を想起させるグラフィカルな24輪の花をダイアルにデザイン。堅牢なオイスタースチール×ホワイトゴールドベゼルのコンビネーションモデルには、耽美(たんび)なアズーロブルーに染まる花々を。高級感あふれるプレジデントブレスレットを採用したイエローゴールドモデルには、オリーブグリーンのフラワーが咲き誇った。また、シルバーのフローラルモチーフを配したオイスタースチール×エバーローズゴールドのコンビネーションモデルも登場している。多彩な素材と色使いから、自分らしさに寄り添う1本を選びたい。

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【#09 フランク ミュラー】 名品「トノウ カーベックス」が限定モデルで30周年をお祝い

「トノウ カーベックス レリーフ “ハート ダイヤモンド”」左から、(ケース縦35×横25mm、PG×ダイヤモンド、クロコダイルストラップ、クォーツ、グローブトロッター製ウォッチボックス付き、直営ブティック限定・30本限定)¥1,870,000 (ケース縦35×横25mm、PG×ダイヤモンド、クロコダイルストラップ、クォーツ、50本限定)¥1,595,000/ともにフランク ミュラー(フランク ミュラー ウォッチランド東京 ☎03-3549-1949)

時を遊び、型破りなアイデアで常識を覆す“時”の魔術師、フランク ミュラー。代表作「トノウ カーベックス」が誕生から30周年を迎え、とびきり華やかな2つのアニバーサリーモデルがローンチ。フランク ミュラー ウォッチランド東京と大阪、そしてGINZASIXの直営ブティック限定で販売されるのは、情熱のボルドーカラーに染まるスペシャルな1本。エナメルを何層にも丹念に塗り重ねることで、光を取り込み瑞々しく艶めくワインのごとき芳醇な彩りを引き出した。赤を差し色にラベンダーまたはシャンパンゴールドカラーを用いた、グローブ・トロッター特製のウォッチボックスに収められることも見逃せない。

もう一方は、1時位置にダイヤモンドハートが煌めくホワイトダイアルの限定モデル。写真のピンクゴールドケースのほか、日常使いしやすいステンレススティールモデルも展開する。3次元曲線を描く独自のトノウケースに、文字盤上を踊るようなノスタルジックでアイキャッチーなビザン数字。遊び心あふれる奔放なデザインコードは、誕生初期と何ひとつ変わらない。人間工学の視点からもつけ心地を追求した“世界初”のケースフォルムは、時を重ねるほどにその真価を増していく。

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【#10 エルメス】 リュクス度UP。「ケリー」ウォッチがブレスレットに一新!

「ケリー」左から、(ケース縦約17×横約16mm、PG×ダイヤモンド、クォーツ、レザー製クロシェット・レザーコードストラップが付属)¥4,917,000 モデル着用・上(ケース縦約17×横約16mm、PG×ダイヤモンド、クォーツ、レザー製クロシェット・レザーコードストラップが付属)¥10,362,000 モデル着用・下(ケース縦約17×横約16mm、SS、クォーツ、レザー製クロシェット・レザーコードストラップが付属)¥523,600(すべて予定価格、2023年4月以降発売予定)/エルメス(エルメスジャポン ☎03-3569-3300)Photos: ©Joël Von Allmen (Cutout), ©Mark Kean (Model)

エルメスの代名詞ともいえるハンドバッグ「ケリー」。その前身となる「サック・ア・クロア」が誕生したのは、1930年代のこと。1975年になると、伝説的バッグに飾られたカデナ(南京錠)モチーフを着想源に、初の「ケリー」ウォッチが登場。多彩なカラーやレザーのストラップを採用しながら、パワフルに進化を続けてきた。そして2022年、「ケリー」は新たなエスプリをまとってひときわジュエリーライクに変身!

新生「ケリー」は、ステンレススティール製もしくはピンクゴールド製のクリーン&モダンなブレスレットウォッチ。スティールモデルは、その硬質な質感を生かしたオールメタルタイプからダイヤモンド使いのものまで、3本のラインナップ。優美なピンクゴールドモデルは、ブレスレット全面をダイヤモンドで埋め尽くしたハイエンドバージョンと、部分的にダイヤモンドをセットした計2本。宝石そのもののオーラを放つ5本すべてに、レザーアクセサリー「クロシェット」が付属しているのは、エルメスらしいサプライズ。黒のレザー製クロシェットにカデナを差し入れると、小粋なロングネックレスに変容する。その遊び心と自由なスタイルは、時をオブジェととらえるメゾンの真骨頂といえよう。

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【#11 パテック フィリップ】 名門マニュファクチュールが誘う、豊かなグリーンの彩り

左から、「Twenty~4 Ref.4910/1200A」(ケース縦30×横25.1mm、SS×ダイヤモンド、クォーツ)¥1,782,000 「ワールドタイム Ref.7130」(ケース径36mm、RG×ダイヤモンド、カーフストラップ、自動巻き)¥6,699,000/ともにパテック フィリップ(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター ☎03-3225-8109)

研ぎ澄まされたシンプルデザインにこのうえない気品を宿す、パテック フィリップのレディスモデル。今年は自然界を司り平和を想起させる色、グリーンのカラーリングに視線集中。すでに定番となったブルーに代わり、昨年から時計界のメインストリームに躍り出た注目色グリーンだが、メゾンの創作史はこれまでにも印象深いグリーンダイアルに彩られてきた。「アクアノート」にカーキ文字盤をラインナップしたり、2021年にはステンレススティール仕様としては最後のモデルとなる「ノーチラス Ref.5711/1A」にグリーン文字盤を登場させたりと、鮮烈な記憶を刻んできたのである。

昼夜を問わずアクティブウーマンの24時間に寄り添う「Twenty~4」には、タイムレスなオリーブグリーンを。複雑機構の古典であり、24都市の時刻を同時に表示する「ワールドタイム」には、かごの編み目模様をかたどったギヨシェ装飾が映えるクラシカルなグリーンの彩りを。グリーンは発色が難しいカラーの筆頭といわれるが、パテック フィリップには豊かなグリーンの濃淡から個々のタイムピースに最適なトーンを選び取る美の感性と、優れた仕上がりを叶える傑出した技巧がある。だからこそ、メゾンの深淵なるグリーンは女性たちの心を揺り動かすのだ。

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【#12 ジャガー・ルクルト】 ふいに現れては消えゆく。“流れ星”の神秘を複雑機構で描写

左から、「ダズリング・ランデヴー・スター」(ケース径36mm、PG×ダイヤモンド、アリゲーターストラップ、自動巻き)¥10,912,000(受注販売) 「ランデヴー・スター・アージェンタ」(ケース径36mm、WG×ダイヤモンド、アリゲーターストラップ、自動巻き)¥10,384,000(参考価格、受注販売)/ともにジャガー・ルクルト フリーダイヤル0120-79-1833

“The Stellar Odyssey”というテーマのもと、時間計測の起源である天体現象を称え、宇宙へ旅したジャガー・ルクルト。名門マニュファクチュールは、偶然現れては瞬時に消えていく、はかなくも美しい「流れ星」の姿に着目。文字盤上で不規則に星が流れていく様子を表示する、ロマンティックな複雑機構を女性のために新開発し、「ランデヴー・コレクション」に搭載してみせた。宝飾と時計製造における最高峰の技巧を注いだ新作は、2モデルの展開だ。

星屑(くず)を封じ込めたようなアベンチュリンダイアルを、大小2列のダイヤモンドラインが取り囲む「ダズリング・ランデヴー・スター」。その名のごとく、目も眩(くら)むほどの光彩で圧倒する。この史上初の流星機構は手首の動きに応じて起動し、1時間に数回ランダムに8時位置から現れては4時位置へ去っていく仕組み。さらにリュウズを回すことで、好きな時に流れ星を表示することもできる。もうひとつ、同じ機構を組み込んだ意欲作が、細密画を駆使した「ランデヴー・スター」。3層からなるダイアルの最上部はサファイアガラスで仕立てられており、星々を転写したサファイアガラスの両面に、雲と三日月の姿を手作業で描いた。天体現象のロマンを腕上に。その芸術作品さながらの美しさに、陶酔と覚醒が渦巻いて。

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※この特集中、以下の表記は略号になります。RG(レッドゴールドまたはローズゴールド)、PG(ピンクゴールド)、YG(イエローゴールド)、WG(ホワイトゴールド)、SS(ステンレススティール)

※掲載の商品は、すべて税込価格です。

Text: Etsuko Aiko Editor: Maiko Hamano