舞台は、7月のオートクチュールウィークに華やぐパリ。シャネルは、1932年にマドモアゼル シャネルが手がけた生涯唯一のハイジュエリー コレクションにオマージュを捧げる新作、「コレクション 1932」を一挙公開した。シャネルのハイジュエリーをめぐる連載第3回目となる本記事。伝説の誕生から90周年を祝う貴重なイベント会場動画と、女優マリオン コティヤールが最新ピースをまとって登場したディナーパーティーでの話題をリポートしよう。
復刻版ジュエリーも展示された一大スペクタクル
動画をご覧になれば、新作ハイジュエリー「コレクション 1932」の発表会がいかに壮大なスケールで、かつどれほどドラマティックに行われたのか、一目瞭然だろう。会場に選ばれたのは、エッフェル塔のふもとにそびえる巨大な木造建築、グランパレ エフェメラル。メゾンらしい黒と白のコントラストに包まれたイベント会場に、シャネルはふたつの空間を設えた。
最初の空間は、マドモアゼルによる神話的ハイジュエリー コレクション「Bijoux de Diamants(ダイヤモンド ジュエリー)」発表の場である、フォーブル サントノーレ 29番地のマドモアゼルの私邸をイメージ。1932年の招待状を再現したエントランスが出迎える場所に、コメットのネックレスやブローチなど、彼女がかつてデザインしたジュエリーの復刻版が展示された。経済危機の只中、宝飾界に衝撃をもたらした「Bijoux de Diamants」展覧会の模様を報道する当時の新聞記事もディスプレーされ、歴史的クリエーションのルーツをたどった。
続くふたつ目の空間は、星々をちりばめた夜空が広がる円形のスペース。そこには、新たなハイジュエリー「コレクション 1932」の70点を超えるフルラインナップが飾られ、幻想的な世界の中でダイヤモンドやカラージェムストーンの数々が、銀河のごとく圧巻のきらめきを放った。
マリオン コティヤールを輝かせる類いまれな光彩
「Bijoux de Diamants」の発表から90周年のアニバーサリーと、新作コレクションの誕生を祝して開催されたディナーパーティーには、女優マリオン コティヤールの姿も。ブラックドレスの胸元に新作シグネチャーピースのひとつ「ソレイユ 19 ウット」ネックレスを、指先には彗星をかたどった「コメット アンフィニ」リングを。天体モチーフとその光にインスピレーションを得た至高のハイジュエリーが、マリオン自身の輝きを照らし出した。
かつてマドモアゼルは言った。“私は、頭上にあるものすべてが好き。空も月も。そして、私は星の力を信じている”──新作ハイジュエリー「コレクション 1932」は、マドモアゼルのビジョンの延長線上で瞬きながら、まとうひとを光り輝く星座のように包み込む。90年の時を超えて、マドモアゼルから現代をしなやかに生きる女性たちへ、特別な贈り物が届いた。
問い合わせ先/シャネル(カスタマーケア)TEL:フリーダイヤル0120-525-519
※この特集中、以下の表記は略号になります。WG(ホワイトゴールド)、YG(イエローゴールド)
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Text: Etsuko Aiko Editor: Maiko Hamano