幸せを運ぶハイジュエラー
ヴァン クリーフ&アーペルの世界 vol.16

2022.08.19

輝きを生み出す、研磨職人の黄金の手

宝石の代名詞ともいえる、まばゆいばかりの“輝き”。そこには、アトリエに脈々と受け継がれる研磨職人の忍耐強い情熱と、卓越した技が秘められている。

研磨職人の仕事――それは貴重な金属を研磨し、表面を鏡のように磨き上げること。ヴァン クリーフ&アーペルでは、作品の完成を左右するとても重要な仕事であると同時に、一連の制作過程を見守る監視人のような役割をも果たしている。

ペルレ トワ エ モア シークレットウォッチ
研磨の高度な技術が、極上の輝きを生み出す。メゾンを象徴するゴールドビーズを、オープンブレスットやケースにあしらったウオッチ。ペルレ トワ エ モア シークレットウォッチ(イエローゴールド、ダイヤモンド、ターコイズ、 ホワイト マザーオブパール、クォーツムーブメント)¥5,385,600/ヴァン クリーフ&アーペル(ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク)

まず最初に、それぞれのパーツは組み立てられた状態で研磨職人の手に渡るが、その時点で金属の輝きはない。研磨職人は石を固定しているすべての爪、マウンティング部分を開き、ひとつひとつの開口部やカーブなど、表から見えない部分も含め根気強く磨いていく。小さなパーツですら、ひとつ3時間をもかけて磨きあげ、この作業を経たパーツはようやく、金やプラチナなどの特徴的な輝きを放ち始めることとなる。しかし、まだこれはほんの最初の段階で、真の輝きが得られるまでには、ここからさらに多くの時間と、熟練した作業が求められるという。

ペルレ ウォッチ
ゴールドビーズの縁取りと、グログランブレスレットの組み合わせに清楚な輝きが宿る。ブレスレットは、他のカラーや素材と簡単な操作で付け替え可能。ペルレ ウォッチ 30mm(イエローゴールド、ギヨシェ ホワイト マザーオブパール、クォーツムーブメント)¥1,425,600/ヴァン クリーフ&アーペル(ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク)

その後、磨かれたパーツは宝石職人や宝石細工職人などの職人のもとにまわされるが、他の専門分野の職人が手を加え、作業が終わるたび、その同じパーツは再び研磨職人の手に戻される。研磨職人は、溶接作業の際に生じたかもしれない傷を確認したり、セッティング後に残された石の周囲の小さな糸屑を取り払うなど、すべてのパーツを注意深く確認し、磨きを繰り返し、また各部署の職人へまわすという作業を続けていく。

  • ペルレ クルール リング 5連モデル(イエローゴールド、サファイア)
  • ペルレ クルール リング 5連モデル(イエローゴールド、エメラルド)
  • ペルレ クルール リング 5連モデル(ローズゴールド、ルビー)

研磨職人がひと粒ひと粒、手作業でポリッシュしたゴールドビーズがきらめきのレイヤードを生み出す。ペルレ クルール リング 5連モデル 左から、(イエローゴールド、サファイア)¥1,161,600、(イエローゴールド、エメラルド)¥1,702,800、(ローズゴールド、ルビー)¥1,636,800/ヴァン クリーフ&アーペル(ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク)

ヴァン クリーフ&アーペルでは、この磨きの工程を、各ジュエリーにつき最低でも3回繰り返し、その研磨作業だけでも150時間におよぶという。もちろん、構造の複雑なハイジュエリーとなると、さらに気の遠くなるような回数と時間が重ねられてゆくのだ。

  • ペルレ ダイヤモンド リング 5連モデル(イエローゴールド、ダイヤモンド)
  • ペルレ ダイヤモンド リング 5連モデル(ホワイトゴールド、ダイヤモンド)
  • ペルレ ダイヤモンド リング 5連モデル(ローズゴールド、ダイヤモンド)

ヴァン クリーフ&アーペルが使用するダイヤモンドはすべて、カラーはD、E、F、クラリティはIFからVVSまでと、最高の宝石学的基準を満たす。ペルレ ダイヤモンド リング 5連モデル 左から(イエローゴールド、ダイヤモンド)¥1,372,800、(ホワイトゴールド、ダイヤモンド)¥1,452,000、(ローズゴールド、ダイヤモンド)¥1,372,800/ヴァン クリーフ&アーペル(ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク)

次に、熟練の技を問われる“研磨技術”について見ていこう。研磨作業には、研磨剤、ワイヤー、ブラシ、せっけん溶液などの道具が使われる。パーツごとに、どの技法と道具を使用するかは、卓越した技をもつ職人にすべて委ねられる。例えば、糸を使って磨く“アンフィラージュ”という技術は、メゾンならではの工程のひとつだ。ポニーテールのように束ねられた細い糸が作業台に固定され、その1本に研磨剤のペーストをつける。その1本の糸を、ジュエリーの構造上の小さな穴ひとつひとつに通し、根気強く隅々まで丹念に磨きをかけていく。それらの金属が目にふれる部位でなく、宝石の輝きの背後に隠れてしまう場所であっても、だ。

ペルレ クルール リング
オニキスやマラカイトなどの宝石も手作業で研磨。ゴールドビーズのきらめきに共鳴する艶やかな石の光沢が独特の詩情をたたえる。ペルレ クルール リング 左から、(イエローゴールド、オニキス、ダイヤモンド)¥968,000、(イエローゴールド、マラカイト、ダイヤモンド)¥1,056,000/ヴァン クリーフ&アーペル(ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク)

研磨には、しばしば金属を“侵食”する危険が含まれる。それでも、バランスや形状、比率を損なうことなく作業はミクロの世界で緻密に進んでいく。研磨作業後には“アヴィヴァージュ”と呼ばれる非常にデリケートな工程もある。ピースはせっけん溶液で下準備され、糸とブラシで丁寧に洗浄がおこなわれるが、この工程も素材の構造を損なわないための十分な経験値が必要とされる。

フリヴォル リング、8フラワー
まばゆい鏡面仕上げで構成されたフリヴォル リングに、研磨職人の超絶技巧が光る。フリヴォル リング、8フラワー(イエローゴールド、ダイヤモンド)¥1,240,800/ヴァン クリーフ&アーペル(ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク)

忍耐強い作業と、熟練の技が求められる、フリヴォルの制作工程ムービー。

すべては、職人の研ぎ澄まされた手と目の繊細さだけが、正しい順番と、正しい手順を判断することでき、こうした感覚を身につけるには、数十年にわたる経験が求められるのだという。その技術を擁する研磨職人が、膨大な労力と情熱を捧げたジュエリーのパーツ。それは徐々に光沢を増し、やがてメゾンが認める完璧な輝きをたたえた作品へと生まれ変わってゆく。

カレス デオールフェアリー クリップ
まるで生命を宿すかのように、しなやかな妖精の動きも、研磨職人の確かな技術によって支えられている。カレス デオールフェアリー クリップ 左から、(ホワイトゴールド、サファイア、ダイヤモンド)、(ホワイトゴールド、ルビー、ダイヤモンド)共に参考商品/ヴァン クリーフ&アーペル(ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク)

なぜ、ヴァン クリーフ&アーペルは、他のアトリエではありえない方法を用いてまで、ジュエリーの輝きを追求するのだろう。それは、メゾンの美学を表現するためであることはもちろん、ジュエリーをまとう人の着け心地を左右することがあげられる。さらには、正しい研磨がアトリエの宝石職人の作業を正確に、そして潤滑に導き、宝石の頂点に挑む彼らの士気をもあげることを知っているからだ。アトリエの各分野の職人たち全員の“美”の追求こそが、メゾンのジュエリーが放つ唯一無二の輝きの秘密なのだ。

研磨職人の緻密な作業を垣間みることができるムービー。繊細な指先の動きが、ジュエリーの輝きを生み出していく。

ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク

0120-10-1906

Editor: Asako Kanno

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