初夏、家でゆったり楽しみたいのは優しい“日本の泡”と極上生ハム
緑が目に眩しい季節、日差しも次第に強く感じられるようになってきた今日この頃。週末に開けたくなるのは、シュワッと爽快なスパークリングワインだ。ふんわりと漂うアロマティックな香りと心地よいのど越しが、気持ちをのびやかにしてくれる。
選んだのは、「福山わいん工房」の「キュヴェ・ローズ」。日本の固有品種のマスカット・ベーリーAで造られた無濾過のスパークリングワインで、イチゴの香りがチャーミング。うす濁りのピンクの色合いが素朴な雰囲気を漂わせている。これを「ピアッティ(PIATTI)」の生ハムと合わせると、まさに至福! ほどよい塩気のシルキーな生ハムと、イチゴの香りの泡が「もしかして、運命の相手同士?」と思えるほど、幸福なマリアージュを楽しませてくれるのだ。
福山ワイン工房は、2016年に広島県福山市に設立されたスパークリングワイン専門の小さな街中ワイナリー。代表の古川和秋さんと妻の理香さんが、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵のワインを造っている。和秋さんは元フレンチの料理人で、シャンパーニュ地方の三ツ星レストラン「ラシエット・シャンプノワーズ」で修業していたときにシャンパーニュに魅せられ、「日本で、地元・福山のブドウを使って、福山ならではのスパークリングワインを造りたい」と決意して帰国、その夢を実現させた。理香さんは和秋さんの夢に寄り添い、ブドウ栽培や広報活動に力を入れている。
使用するブドウは、すべて近隣のブドウ農家のもの。もともと福山は生食用のマスカット・ベーリーAが栽培されていた土地で、なかには樹齢70年を超える木もあるという。「この地のブドウでワインを造る」という古川さんの思いに賛同したベテラン農家が、新たな栽培の取り組みを行っている。「農家さんが育てたブドウと向き合い、福山のテロワールを日本中の皆さんにお届けできたらと思っています」と古川さんは意欲的に語る。
一方、生ハムは多くの美食家に信頼されるイタリア食材店、ピアッティの定番アイテム。店主の岡田幸司さんが現地を訪れ、信頼関係を築いてきた生産者の選りすぐりを扱う。お取り寄せするなら、極上の味を少しずつ楽しめる「生ハム・サラミ・チーズのセット」がおすすめ。24カ月熟成のパルマ産生ハムを中心に、人気のサラミ3種とパルミジャーノ・レッジャーノ・グランスペチアーレなどのチーズがセットされている。
こだわりを感じられるのが商品の送り方で、ハムやサラミは発送当日にスライス、丁寧に梱包される。包みを開け、さっそくつまんでみると、そのふわふわの食感に感動! 「生ハムもチーズも素朴ですが、元気を与えてくれます。イタリアの食文化の薫りも一緒に楽しんでいただけたらうれしいですね」と岡田さん。
「キュヴェ・ローズ」も「生ハム・サラミ・チーズのセット」も、どちらも飾り気のない味ながらも優しく上質で、食材への愛を感じさせる。ゆったり楽しんでいるうちに、幸せな気分に包まれる。
Text: Kimiko Anzai Editor: Kaori Shimura