一流ホテルの味を“海のワイン”とともに。陽光に映える、涼やかマリアージュ
目に青葉。緑がまぶしい季節になると、ときおり、アルバリーニョ(=白ブドウの品種)が恋しくなる。白い花やレモンなどのかんきつ類の香りが豊かで、フレッシュな酸味。すっきりとした味わいが魅力的だ。アルバリーニョはスペイン・ガリシア州のリアス・バイシャスやポルトガルのミーニョ地方が主要産地で、海に近い場所で栽培されることが多く、また、魚介類によく合うことから“海のワイン”とも呼ばれている。
とはいえ、今回選んだ「2020 アイ.ブランド&ファミリー ラ・マレーア アルバリーニョ クリスティ・ヴィンヤード モントレー・カウンティ」は、米カリフォルニア州のモントレーで造られるワイン。この地もまた太平洋のモントレー湾に位置しており、こちらも“海のワイン”と言える。レモンやハーブ、潮風の香りが心地よく、ふっくらとした果実味がなんともチャーミングで、ひと口飲んで魅了されてしまった。どこか涼しげなニュアンスが、5月の陽光にぴったりなのだ。
造り手はイアン・ブランド氏。ワイナリー設立の2007年当時、モントレーには樽香が効いて果実味がぽったりとしたワインが多かったが、彼はモントレーの土地の可能性に気づき、この地で酸とミネラル感が豊かなブドウ本来の味が感じられるワインを造りたいと考えた。以来、彼はただ「素直においしく、毎日気軽に飲めるワインを造りたい」と、地道な努力を重ねてきたのだ。そして、2019年にはアメリカの著名な全国紙『サン・フランシスコ クロニクル』で「ワイン・メーカー・オブ・ザ・イヤー」に選出され、一躍スター醸造家のひとりとなった。だが、彼はこの栄誉をひとつの通過点として捉え、相変わらず、地道にワイン造りを続けている。
この涼やかなワインにはどんな料理が合うだろう? そう考えて、ふと浮かんだのが帝国ホテル 東京のホテルショップ「ガルガンチュワ」の新作冷凍食品「アスピック ド レギューム〜野菜のゼリー寄せ〜」だった。ニンジンやポロネギ、カブ、ズッキーニなど11種の野菜とキノコで彩り美しく仕上げられたテリーヌだ。野菜はフレッシュ感が残り、それぞれの味が生きている。ディルで風味づけされたゼリーも、深いコンソメの味わいが印象的。日本のフランス料理を牽引してきた帝国ホテルならではの正統派の味で、このゼリーとアルバリーニョの果実味との相性は抜群だ。
帝国ホテルの野菜のゼリー寄せには、もちろんシャンパーニュや上質のブルゴーニュの白を合わせるのもいいが、あえてのカジュアルなアルバリーニョなら、このうえなくフレッシュでエレガントなマリアージュを、ちょっとリラックスした感覚で楽しませてくれるのがいい。
5月の陽光に包まれての休日ランチで、ときには自分をおもてなししてみてはいかがだろうか?
※掲載商品は、すべて税込み価格です。
Text: Kimiko Anzai Editor: Kaori Shimura