高級食材の筆頭として知られるフォアグラは、ホームパーティーにおいてはぜいたく品ともいえる。だが、あればその場が華やぎ、ゲストも笑顔に。そんなときに欲しいのが、味わいに軽やかさがあり、見た目もおしゃれなフォアグラの一品だ。
東京・南青山の人気フレンチ「L’AS(ラス)」の兼子大輔シェフが考案した「フォアグラクリスピーサンド」は、その条件をすべてクリアする逸品。オレンジやストロベリーなど、フルーツジャムでコーティングされたフォアグラは、ジャムの甘味と酸味が相まって、奥深い味わい。フォアグラの脂のくどさを感じさせず、まるまる1個食べられてしまうほど魅力的なのだ。冷凍した状態で送られてくるが、フォアグラをサンドするビスケットは別になっているので、いただく直前に挟むことができて、パリパリの食感を楽しめる。
誕生したのは、2012年のお店のオープン時。前菜として供されたカラフルな一品は、瞬く間に美食家たちの話題となり、お店の代名詞となる存在に。多くのファンの要望から、20年にお取り寄せができるようになったという。
キュートな色合いで、フルーツジャムの酸味が生きた「フォアグラクリスピーサンド」に合わせるなら、優しい甘さを感じるドゥミ・セック(半甘口)のシャンパーニュがいい。通常、フォアグラには甘口ワインのソーテルヌが合うとされるが、フルーツジャムを生かすなら、きちんと酸味が感じられるシャンパーニュが理想的。
「ルイ・ロデレール カルト・ブランシュ」は優しい甘さのなかにキラキラとしたフレッシュな酸としなやかなミネラルを感じさせ、「フォアグラクリスピーサンド」を優しく包んでくれる。甘口ながらもすっきりとした味わいで、フォアグラの繊細な味わいを生かしてくれるのだ。
シャンパーニュは、現在「ブリュット(辛口)」や「エキストラ・ブリュット(極辛口)」が主流だが、半面、パリなどでは若い世代に昔ながらの甘口が好まれるようになってきているという。ファッションの世界では流行は繰り返されるというが、もしかしたら、これもリバイバルの一端なのかもしれない。
また、半甘口はさまざまな料理に寄り添うことから、“美食家のシャンパーニュ”とも呼ばれ、多くのメゾンでも大切なラインとして半甘口を造り続けている。この「ルイ・ロデレール カルト・ブランシュ」も、星つきレストランなどでオンリストされる銘酒のひとつ。
色合いが美しいフォアグラと半甘口のシャンパーニュの組み合わせは、スタイリッシュながらもどこか優しさに満ちている。きっと、週末のホームパーティーにリラックス感を与えてくれるに違いない。
※掲載商品は、すべて税込み価格です。
Text: Kimiko Anzai
Editor: Kaori Shimura