SPIRE

「MUNI KYOTO」が誇るラグジュアリーステイ

京都・嵐山の地で唯一無二の景色と美食を味わう

2022.10.28

嵐山からの心地よい風を感じながら、キラキラと光る桂川の美しさに目を細め、ゆっくりと流れる時間とアラン・デュカスの名を冠するレストランで美食を楽しむ。そんなリュクスなひとときをかなえてくれるのが、2020年の夏に誕生した「MUNI KYOTO」。場所は渡月橋のすぐ近く。全21室のスモールラグジュアリーホテルだ。

館内のレストラン「MUNI LA TERRASSE(ムニ ラ テラス)」のカウンターは、目の前に桂川と嵐山を望む特等席。朝食はこちらで提供される。

はるか昔、平安時代から貴族の別荘地としてにぎわっていた京都・嵐山。当時から桜と紅葉の名所として人気があったようで、多くの和歌にも登場する。

そんな嵐山のシンボルともいえる渡月橋は、桂川の北側と中州である中之島公園を結ぶ橋。そのロマンチックな名前は、鎌倉時代、ここで舟遊びをしていた亀山上皇がふと夜空を見上げると、浮かんでいる月が橋を渡っているように見えたことから、「くまなき月の渡るに似る」と詠んだことに由来する。

渡月橋の北側のたもとから桂川沿いを西に歩き、ひとつ目の角を曲がると「MUNI KYOTO」のエントランスが見えてくる。中に入ると、広がるのは白を基調としたミニマルな空間。レセプションもどことなく現代アートのギャラリーのようなムードが漂う。チェックインは客室内で行うため、さっそく部屋へ。レセプションと客室棟をつなぐ通路からは、モノトーンの世界観でモダンにアレンジされた枯山水の中庭が目に飛び込み、これから始まる滞在体験にますます胸が高鳴る。

2階のマウンテンビュー「デラックス ダブル」。春から秋にかけての爽やかな日は、大きな窓を思いっきり開け放して、川や水庭のせせらぎをBGMにくつろいで。

1階の客室は、川床のようなテラスが魅力。「黒の庭」と呼ばれる水庭が日本の伝統的な美を感じさせてくれる。こちらの「ガーデンテラス プレミア ツイン」はバスルームに専用の坪庭も。

客室は1階と2階の2フロア。今回滞在した2階の部屋は天井が最高部で4.5メートル以上ととても高く、開放的な空間。ベッドスペースの向こうにリビング、さらにその向こうは全面窓となっており、リバービューなら桂川と渡月橋の景色を、マウンテンビューなら嵐山の自然を一望できる。そう、「MUNI KYOTO」の客室は、この素晴らしいパノラマが主役。室内のデザインはあえてシンプルに抑えられていて、その「引き算」がこのうえないくつろぎと上質さを醸し出している。

さっそく、テラスに出てひと息。目の前に広がる風光明媚な景色に、日ごろの疲れが癒やされていく。春は美しい桜、夏は青々とした緑、秋は素晴らしい紅葉、そして冬はきりりとした空気や雪景色。日本有数の景勝地の四季の移ろいを部屋にいながらにして楽しめるとは、なんというぜいたくだろう。

テラスから室内に戻り、窓を閉めて本を読んでいると、部屋がとても静かなことに気付く。実は、このホテルの空調は「床冷温輻射システム」を採用。冷温風の空気対流がないので、室内のどこにいても温度のばらつきがなく、心地よく過ごすことができる。おかげで快適性はもちろん、静寂性が保たれるのもいい。

「MUNI ALAIN DUCASSE(ムニ アラン デュカス)」のメニューは¥24,000と¥34,000の2コース(サービス料別)。

「MUNI ALAIN DUCASSE(ムニ アラン デュカス)」の店内には、シャガールの絵画など希少なアートも。

さて、「MUNI KYOTO」を語るうえで欠かせないのが、フランス料理界の巨匠、アラン・デュカスの存在だ。施設内にはデュカス・パリが展開する2つのレストランがあり、ひとつは京都の食材をフレンチのディナーに仕立てるコンテンポラリーレストラン「MUNI ALAIN DUCASSE(ムニ アラン デュカス)」。そしてもうひとつは、桂川や嵐山の美しい景観を眺めながら朝食を楽しめる「MUNI LA TERRASSE(ムニ ラ テラス)」。

2022年の夏には、新たにアレッサンドロ・ガルディアーニ氏がエグゼクティブシェフに就任。デュカス・パリが手がけるモナコ、ロンドン、パリのレストランで10年にわたり培った豊富な経験と手腕を、ここ京都の地で惜しみなく披露している。美食に酔いしれる至福のひとときを、存分に堪能しよう。

「MUNI LA TERRASSE(ムニ ラ テラス)」でいただく朝食は絶品! 開放感あふれるムードのなか、パリッとした食感とバターの風味がたまらないクロワッサンやパン・オ・ショコラなどの自家製パンや卵料理に舌鼓。

館内のスパ「MUNI SPA」では、ウェルネス&ホリスティックをテーマに、自然の恵みをふんだんに取り入れたオールハンドのトリートメントを体験できる。ラウンジやトリートメントルームのインテリアは木や土などの自然素材が中心。さらに、ガラス作家のイイノナホ氏によるガラスアートが心地よい抜け感をもたらしている。

使用しているプロダクトは、日本の風土に根差した国産の精油を用いるスパブランド「ALL THAT SPA」が、「MUNI SPA」のために開発したオリジナルのもの。ユズ発祥の地として知られる水尾のユズ、北山スギ、茶の実から採取されるティーオイルなど、京都の歴史と伝統により育まれた恵みを取り入れている。

また、スイスのクリニック発の「VALMONT(ヴァルモン)」の最新エイジングケアを受けることも可能。世界のセレブリティー御用達のスキンケアラインを使用したフェイシャルトリートメントで、ハリのある滑らかな肌を手に入れたい。

「MUNI SPA」のメニューは、ホリスティックボディトリートメント60分¥20,000〜、ホリスティックフェイシャルトリートメント60分¥22,000〜など。

「MUNI KYOTO」はアクティビティーも充実。隣接の「福田美術館」を閉館後に貸し切ってパーソナルガイド付きで観覧できる1日1組限定のツアーや、京都の老舗「老松」の職人が目の前で仕上げてくれたお菓子を抹茶とともにいただくプランのほか、世界遺産にも認定されている「天龍寺」の早朝特別参拝を満喫できる特別な宿泊プランもある。いずれも、滞在の素晴らしい思い出となるだろう。

この土地ならではの美しい自然を心と体で感じながら、唯一無二のひとときを過ごす。嵯峨嵐山に何度も足を運んだことのある人にとっても、きっと、嵐山の新たな魅力を発見する機会となるはずだ。

京都の禅寺を代表する「天龍寺」。室町時代には「京都五山」の第1位となった。「曹源池庭園(そうげんちていえん)」は日本最初の史跡・特別名勝指定としても知られる。

MUNI KYOTO

京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3番

☎075-863-1110

全21室 ¥77,000〜(1室2名利用時の1泊2食つき料金、税・サービス料込み)

公式サイトはこちら

Editor: Kaori Shimura