PR

Promotion

「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展に見る、ディオールと日本の深く美しき絆

2023.2.24

提供:クリスチャン・ディオール

東京都現代美術館で開催中の「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展は、2017年のパリの装飾芸術美術館を皮切りに、ロンドンやニューヨークなどで開催されたメゾン創設70周年を記念して企画された展覧会をベースとしながらも、“ディオールと日本”の関係性にフォーカスを当て、新たな視点を交えたいままでにない展示内容となっている。美への情熱によって固く結ばれた、ディオールと日本との絆の成り立ちを、ムービーと貴重なアーカイブ写真とともにひも解いてみる。

モードの天才と日本の美との出会い

1905年、1月21日、フランス北部ノルマンディ地方のグランヴィルにおいて、名士の家に生まれたクリスチャン・ディオール。外交官への道を勧める実利的で厳格な経営者の父、そして、美しいものに惹かれ、芸術家を志望する息子の良き理解者であった母のもとに育った。1910年には家族そろってパリへ居を移し、作曲家や建築家を志すも、まわりの反対もあって断念。1928年には、父親からの資金援助を受けて画廊を経営。時の芸術家たちとの交流も盛んになり順調かと思いきや、世界恐慌により閉鎖を余儀なくされる。知人に薦められてデザイン画やイラストを手がけたことをきっかけに、ようやくモードの世界の扉を開くこととなる。オートクチュール メゾンでの修業を経て、1946年、自らの名を冠したメゾンをパリ・モンテーニュ通り30番地に創設。翌年には、物資難に苦しむ戦後の鬱屈とした世に向けて、優美なシルエットを描く夢あふれる初のコレクションを発表し、世界中の女性を瞬く間にとりこにしたのだ。

©DIOR

左:自ら描いた流麗なデッサンを手にするムッシュ ディオール。右:ムッシュ ディオールをクチュリエの道に導いた、ドラマティックなエピソードを秘める星のモチーフ。現在も“導きの明星”は、メゾンにおける幸運のシンボルとして輝き続ける。

今展覧会の主題の一つである、ディオールと日本の絆。そのルーツは、現在は美術館となっているムッシュ ディオールの生家にある。ルイ15世様式の室内装飾でまとめられるなか、玄関ホールを彩っているのは、「さながら私のシスティーナ礼拝堂」と自身が語った喜多川歌麿の青空を鶴が舞い飛ぶさまを描いたフレスコ画だ。未来の天才は、時間を忘れるほど、この画を眺めていたという。これが、幼少期のムッシュ ディオールと日本の美との出会いであり、後の名作に見られる日本美術に対する憧憬の萌芽(ほうが)であった。

日本の洋装に与えたディオールのインフルエンス

“ニュールック”という言葉とともにディオールの名が世界中へ伝播(でんぱ)した1947年の衝撃のデビューから、1957年の秋に急逝するまでのたった10年間で残したムッシュ ディオールによる美の遺産。それは、西洋ファッション史において燦然(さんぜん)と輝く金字塔だが、日本における洋装の歴史においても、ディオールなくしてその変遷を語ることはできない。

明治維新によって洋装文化は入ってきたものの、それは特権階級に限定されたもの。一般的に広まり急速に浸透したのは戦後であり、女性の社会進出が叫ばれはじめた、まさに洋装化への転換期でもあった。そんななか、日本に最初に上陸した西洋のファッションブランド、それがディオールだ。1953年には、紡績会社の鐘紡、呉服店を起源とする百貨店の大丸とパートナーシップ契約を締結。クリスチャン・ディオールから提供されたパターンをもとに、各社の布地を使用した衣服の製造と販売がスタート。また、杉野ドレスメーカー学院をはじめとした日本の洋裁学校も、校長自らがパリに渡りムッシュ ディオールと親交を深め、ディオールの華麗なるスタイルを日本全国に普及させる一翼を担った。パターンのみならず、ムッシュ ディオールが掲げるファッション哲学や、ひいては洋装の真の美しさや楽しさも発信されていったのだ。

©THE ASAHI SHIMBUN/GETTY IMAGES

1953年秋冬コレクションを携え、東京、大阪、京都、名古屋でショーを発表。オートクチュール メゾンとして初めて日本で開催されたショーとして話題をさらい、日本女性たちを魅了。写真は東京會舘で行われたショーの様子。招致したメゾン専属のモデルが華麗に作品をまとう。

優れたサヴォワールフェールが繋いだ縁

高松宮妃を中心に結成された日本の絹の輸出振興を目指した「絹の道会」が、1953年にディオール社へ送った数多くの生地見本のなかでも、ムッシュ ディオールが魅了されたのは、京都の龍村美術織物が仕上げた名物裂であった。それは、1954年秋冬コレクションの“Utamaro(歌麿)”、“Tokio(東京)”、“Rashomon(羅生門)”とネーミングされた作品に採用され、今回の展覧会でも目にすることができる。そして、ディオールと日本の絆を象徴する最たる出来事。それは、美智子さま(現上皇后)のご成婚の際のローブデコルテを、龍村美術織物の絹地を用いて、ディオール社がデザインしたことだ。この上ない品と質と美が織り上げられた龍村美術織物のテキスタイルと、フランスが誇るモードの最高峰、オートクチュール文化との共通点。それは、脈々と継承される匠の技=サヴォワールフェールだ。ムッシュ ディオールがもっとも大切にした、美を支えるアトリエ(工房)への“愛”と技への“情熱”が、両者を結び付け、ディオールと日本との歴史的なコラボレーションへと昇華したのだ。

©KEYSTONE-FRANCE/GAMMA-RAPHO

1959年4月10日に執り行われた明仁皇太子(現在の上皇陛下)と美智子さま(現在の上皇后)のご成婚祝賀行事に際し、ウエディングドレス3着がディオールによってデザインされた。婚礼パレードでも印象深い写真のドレスは、京都西陣織の老舗、龍村美術織物による「明暉瑞鳥錦(めいきずいちょうにしき)」を用い、大丸が仕立てた。

「女性をより美しく、より幸福に」というムッシュ ディオールの願いは、パリに発し、海を渡り、1953年に日本へ伝わり今年で70年を迎える。ムッシュ ディオールが抱いた日本の美へのオマージュは、彼亡き後も、歴代の後継者によって綿々と受け継がれ、それぞれが独自の解釈を織り交ぜながらクリエーションの随所に反映し続けている。

メゾンにとっての心臓部ともいえるアトリエでは、熟練の職人たちが匠の技を集結。一針一針手縫いで仕上げられていく完璧なタイユール(テーラードジャケット)。

国境を越え、時を超えてもたらされた“美”で満ちあふれ、見る者を夢のような“幸福感”で包み込む「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展。知られざる日本との接点や軌跡に触れることで、クリスチャン ディオールの新たな奥深い魅力を再発見するに違いない。

空間デザインやビジュアル制作に関わったクリエーターのインタビュー

クリエーターたちが明かす「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展の魅力

詳しくはこちら

BSテレ東で放映した同番組をTVerで配信中

(3月24日配信終了予定)

詳しくはこちら

【展覧会概要】

会期:2023年5月28日(日)まで開催中

開館時間:10:00〜18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)

会場:東京都現代美術館 企画展示室1F/地下2F

(〒135-0022 東京都江東区三好4-1-1)

観覧料:一般 ¥2,000/大学生・専門学校生・65歳以上 ¥1,300/中高生以下 無料

主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館

特別協力:クリスチャン ディオール クチュール

※オンラインチケットは東京都現代美術館の下記チケットサイトで販売中。

https://www.e-tix.jp/mot/

東京都現代美術館 ☎050-5541-8600(ハローダイヤル/9:00〜20:00 年中無休)/03-5245-4111(代表)


特設ページ

本記事に関する問い合わせ

ディオール クライアントサービスセンター 0120-02-1947


ブランドサイト

Photos: ©Christian Dior Movie: INFAS.com Text: Maiko Hamano Editor: Kaori Takagiwa