中小企業はどのような
採用課題を抱えているか
大橋私はテレビ東京に15年ほどおりましたが、入社3年未満で退社してしまう後輩がいました。原因の多くは採用サイドと求職者とのミスマッチにあったと思います。中小企業でも、今回ご紹介するトライアル就労でミスマッチを減らすことができれば、本当に素晴らしいと思います。早速ですが、みなさんの会社の簡単な概要と採用状況についてお聞かせください。
神寳当社はお客様のご要望に合わせ、ネットワークインフラにおける機器/ソフトウエアの販売、保守、導入支援やコンサルティングサービスなどを行うIT(情報技術)系の中小企業です。人気業種ではありますが、採用を通知しても優秀な人材は大手企業に流れてしまうため、非常に苦労をしています。また、システムの設計・構築も手掛けているため勘違いされやすいのですが、プログラマーではなく機器やソフトの知識を身につけていただけるエンジニアを募集していますが、面接で説明しているにもかかわらず入社後にミスマッチが起こることもあります。採用募集では、これまでは転職媒体を中心に進めてきました。
山田当社は1955年の創業以来、数値制御(NC)自動旋盤による金属の小径精密部品(空調、光学、医療などの機器部品)の切削加工を行ってきました。求人はハローワークが中心でしたが、最近では東京都商工会連合会の「多摩ものづくりチャレンジ事業」の人材紹介を活用したり、近隣の日本語学校からベトナム人を紹介してもらったりしています。以前は社長が全てを仕切って会社は回っていたのですが、社員数が増えて部門ごとのリーダー(ゼネラリスト)が必要になり、人材確保で悩んでいます。社員の中には職人気質で寡黙な人もおり、そうした人ともコミュニケーションを上手にとれる人材は、なかなか見つかりません。大企業でのプロジェクトリーダー経験者を採用しても、幅広い業務を担当しなければならない中小企業になじめず、長続きしないという難しさもあります。