日経電子版オンラインセミナー DX時代に『人』への価値にフォーカスし、企業として生き抜く術を知る ~成長を実現するコミュニケーション戦略とは?~ 日経電子版オンラインセミナー DX時代に『人』への価値にフォーカスし、企業として生き抜く術を知る ~成長を実現するコミュニケーション戦略とは?~ 提供:博報堂、ヤプリ、Zendesk

COVID-19の感染拡大は、テレワークをはじめデジタルを活用した“ニューノーマル”な働き方や暮らし方を定着させるとともに、事業継続に対する企業の危機感を高め、DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みを加速させている。そこで重視されているのが、企業と『人』とのコミュニケーション手法を見つめ直し、DXとコミュニケーションを融合させることである。
日経電子版オンラインセミナー「DX時代に『人』への価値にフォーカスし、企業として生き抜く術を知る~成長を実現するコミュニケーション戦略とは?~」では、対生活者、対顧客、対社員など、様々な『人』とのコミュニケーションのあり方や、DX時代における企業や『人』の価値の高め方などについて、興味深い講演・セッションが行われた。

  • 特別講演1:COVID-19時代を生き抜くために必要な「個の力」の磨き方
  • セッション1:生活者インターフェース市場の拡大で求められるマーケティングの変革
  • セッション2:社員の幸福度を上げる、超重要ポイントの3つとは?
  • セッション3:AIボットとFAQを賢く使い、社員をHappyに、サポート現場を笑顔に!
  • 特別講演2:“リアルな顧客接点が重要”な企業の、DXとD2C戦略とは?

<特別講演1>
COVID-19時代を生き抜くために必要な「個の力」の磨き方

  • 澤 円氏 株式会社圓窓 代表取締役 元日本マイクロソフト業務執行役員 澤 円氏
    株式会社圓窓
    代表取締役
    元日本マイクロソフト業務執行役員
  •  「現代人が一日に触れる情報量は、平安時代の人が一生で触れる情報量に匹敵する」と語るのは、日本マイクロソフトのエヴァンジェリストとして名をはせ、現在は独立して“ぼっち社長”として活躍する澤氏である。「現代人は高速移動手段を持つことで多くの情報を得られるようになりました。COVID-19で移動が大きく制限されましたが、私たちにはまだデータ&通信が残されています」
     「COVID-19によって、世界は“インターネット元年”と呼ばれた1995年以来、25年ぶりにリセットされました。人々は朝起きて出社し、客先に出向くという働き方以外にも、テレワークなどの選択肢があることに気づきました。この変化を元に戻そうとするのは得策ではありません」と澤氏は指摘する。本講演では、COVID-19時代のデジタル社会で求められる「個の力」と、その力をいかに磨くかについて解説する。

  • 「個の力」を磨いて幸せになるには「自己中」へのマインドセットが重要
  • 「個の力」を磨いて幸せになるには
    「自己中」へのマインドセットが重要

     「まず大切なのは、マインドセットのアップデート」と語る澤氏が用意したのは、縦軸に「知識・経験」、横軸に「スピード」を置いたマトリクス。ここに示された4要素から、自分の適性が分かるという。「例えれば、私に経理をさせれば“愚かで遅い”。プレゼンテーションが得意な私をイベント登壇禁止にしてしまったら“賢いけど遅い”。パワポ作成など作業だけさせておけば“速いけど愚か”で、いずれも組織にとって不利益になります。残るは“賢いかつ速い”、すなわち自分が最強になれる場所を、自ら見つけ出すという意識が大切です」

 続けて澤氏が語るのは、自らを磨くための“学び”の変化だ。「インターネットというリセットボタンにより、知識にアクセスするコストが劇的に下がったことで、学びの主眼が“Knowing=知識の蓄積”から“Doing=超実践主義”へとシフトしました。さらに次のステップが“Being=どうありたいのか?”。世界のトップ経営者の多くが瞑想で自分と向き合っていますが、それは自らに仕事の意義を問いかけているからに他なりません」
 仕事とは、突き詰めれば「幸せ」になるためのもの。その「幸せ」を得るためには「自己中」へのマインドセットが重要だという。「お互いに自己中であることを認め合えば、世の中はもっとよくなる。これこそがダイバーシティ(多様性)であり、インクルージョン(包含性)」と澤氏は語る。では、自己中になることと「個の力」を磨くことがどうつながるのか。澤氏はいくつかのヒントを挙げる。

「自己中」マインドで「個の力」を高めるために

 まず大切なのは「やめること」を決めること。そして「時間はもらうものでなく、貸し借りするもの」という意識を持つこと。どちらも時間を有効に使うことにつながっていく。「人生は一度きりで、その時間には限りがあります。これからは自分への投資が不可欠なので、もっと自分のために時間を使う方がよいでしょう」と澤氏は語る。
 もう1つのポイントが、「自分の言葉で話す」こと。ビジネス現場では「うちの会社」を主語にしがちだが、語るのはあくまで自分。特に日本人は「大きすぎる主語」で語る人が多いという。まずは自分が語る内容について納得しているかどうかを自分に問いかけること。納得してないことを話すのはストレスの原因にもなるが、納得しているのであれば、「私」を主語にして語れるはずだという。
 このほかにも、「“難しい”を“どうしたらできるか”に言い換える」「キャリアを二次元で考えず、宇宙遊泳のように自由自在に探す」「会社以外の物差しを持つことで視野を広げる」「すべての仕事は社会貢献だと思えば、ポジティブな気持ちで取り組める」「いきなりフルスイングでなくてよく、小さく始めればいい」など、澤氏は「個の力」を磨くための様々な秘訣を語る。
 最後に、澤氏は視聴者に次のようなエールを送る。「江戸時代の武士が最も重視したのは世間体。その語源はサンスクリット語で“壊され、否定されていくもの”を意味し、漢語では“時間と空間”を意味しています。私たちが手にしたテクノロジーは、時間と空間を超越して、古いものをどんどん壊し、社会を面白くしていける。皆さんにも是非、その原動力になってほしい。皆さんと一緒に未来を作るのが私のライフワーク。一緒にやっていきましょう!」

<セッション1>
生活者インターフェース市場の拡大で
求められるマーケティングの変革

  • 青木 雅人氏 株式会社博報堂 執行役員 テクノロジーR&Dセンター長補佐 兼 研究開発局長 青木 雅人氏
    株式会社博報堂
    執行役員 テクノロジーR&Dセンター長補佐 兼 研究開発局長
  •  「従来の“情報のデジタル化”から、これからは“生活のデジタル化”。家電や車、店舗、街そのものまで、あらゆるモノがデジタル化され、情報をやり取りするインターフェースへと進化していきます」と語るのは、博報堂の執行役員において、テクノロジーR&Dセンター長補佐と研究開発局長を兼務する青木氏だ。
     博報堂は、こうしたモノと人とをつなぐインターフェースから生まれる新しい市場を「生活者インターフェース市場」と名付け、その爆発的な拡大を踏まえてマーケティングをどう変革すべきか、多くのパートナーとともに取り組みを進めている。このセッションでは、博報堂が考える次世代型マーケティングのあり方や、企業のマーケティング変革に博報堂がどう貢献できるかなどを解説する。

  • 次世代型マーケティング推進 見取り図
  • マーケティング領域における
    生活者インターフェース市場という概念の重要性

     生活者インターフェース市場が拡大している具体例としては、デジタルメディアの普及拡大やマスメディアとの融合による「メディアのインターフェース化」、小売店舗に様々な先端デジタル技術が導入される「店舗のインターフェース化」、EC/D2C(Direct to Consumer)市場の拡大による「販売チャネルのインターフェース化」などが挙げられる。

 「企業と生活者をつなぐインターフェースが多様化することで、従来のような一方的なマーケティング手法ではなく、すべてのインターフェースを統合した新しいマーケティング手法が求められます」と青木氏は分析する。「加えて、バリューチェーンのあり方も、開発→製造→販売→アフターサービスとつながる“直線型”から、共通のデータ基盤を中核として各要素が円形につながり、顧客価値を最大化するために最適化していく“統合型”へと進化していくでしょう」
 「こうした変化に対応すべく、マーケティング変革に取り組まれる企業も増えていますが、その多くが“効率化”にとどまっています」と青木氏は指摘する。「DXとは本来、『デジタル技術が進化し、人々の生活をより豊かにすること』であり、マーケティング領域におけるDXも、効率化だけでなく、生活をより豊かにするための価値創造につなげていかねばなりません。そのためにも生活者インターフェース市場という概念が必要になるのです」

博報堂が提案する次世代型マーケティングの姿

 「博報堂では、次世代型マーケティング推進にあたっての見取り図を、生活者インターフェースと生活者エクスペリエンス、生活者データ/システムの3つの要素で描いています」と青木氏は説明する。「企業は生活者インターフェースを通じて、生活者に魅力的なエクスペリエンスを提供すると同時に、生活者のレスポンスデータを取得。これらデータを統合的に分析することで、より魅力的なエクスペリエンスを生み出していけるのです」
 こうした次世代型マーケティングを実現していくために、博報堂は2つのエンジンを提供できるという。「その1つが、ブランド・トランスフォーメーション。モノを起点とした差別化型のBrand Perception(知覚)から、パーパスを起点とした体験価値を生活者とともに作っていく共創型のBrand Participation(参画)への、ブランディング手法の変革を意味しています」と青木氏は説明する。
 もう1つのエンジンである生活者インターフェーステクノロジーとは、AIやXRなどの先端技術をマーケティングや社会・生活に生かしていく“技”を意味している。その具体例として、①ヤマト運輸のライン公式アカウント上で提供する課題解決型チャットボット、②複数企業間の安全なデータ連携により新たな需要創造を可能にする「Data EX Platform」(データ・イーエックス・プラットフォーム)、③アニメーション映像を活用したコミュニケーション技術で課題解決を図るグループ会社であるCRAFTARの取り組み、④サイバーフィジカル空間(サイバー空間とリアル空間が融合した空間)における新たなコミュニケーションの研究開発、の4事例が紹介された。
 最後に、青木氏はこう締めくくる。「生活者インターフェース市場は、生活者と企業の新しい絆が作る、無限の可能性を持った市場です。この市場に向けて、私たちはすでに動き始めています。皆さんと一緒に、この市場を大きく広げ、マーケティングの革新を推進していきたいと考えています」

※講演内容の詳細は、以下のURLでもご紹介しております。
https://www.hakuhodo.co.jp/sifm/

<セッション2>
社員の幸福度を上げる、超重要ポイントの3つとは?
〜自社アプリでつながる社員コミュニケーションのススメ〜

  • 高橋 知久氏 株式会社ヤプリ マーケティング本部 高橋 知久氏
    株式会社ヤプリ
    マーケティング本部
  •  「社員の幸福度が高い会社では、生産性が平均より31%高く、売り上げも37%高くなる傾向がある」とのイリノイ大学の研究成果を踏まえ、「社員の幸福度」の重要性を強調するのは、ヤプリ社において、企業内DXを支援する自社アプリ「Yappli for Company」を担当する高橋氏だ。
     本セッションでは、「社員の幸福度」を高めるためのポイントから、カギとなる社内コミュニケーションの課題、さらにはその解決策として期待されるスマートフォン上の自社アプリについて、具体例を交えながら解説する。

  • 社員の幸福度を決める3つの徳目
  • 社員の幸福度を決める
    3つの徳目「明確」「達成」「仲間」

     社員の幸福度を高める上で、まず重要な徳目が「明確」だと高橋氏は語る。「フロリダ大学の研究結果によると、会社のビジョンや方向性、上司からの指示、自分の役割などが明確でないことと、社員がストレスを抱えて体調を崩すことには相関関係が認められます。皆さんにも思い当たることがあるのではないでしょうか」
     第2の徳目が「達成」だという。ハーバード大学の研究によれば、仕事のモチベーションを高める最大の要素は、仕事が前に進んでいること。「ささいなことでも毎日、達成が実感できること。自分の行った仕事に対するフィードバックが得られることが大切です」

 第3の徳目が「仲間」。誰と一緒に働くかは、働く上での幸福度を大きく左右する。「500万人を対象とした米国の調査では、職場に3人以上友人がいる場合、満足度を感じる人は96%に達し、自身の給料への満足度も2倍に達します。つまり、給料を上げるより、心を通わせる友人が作れる環境を提供した方が、社員の満足度は高まるわけです」との高橋氏の言葉は、研究成果を交えているだけに説得力がある。
 これら3つの徳目を実践していく上で重要なのが、社内コミュニケーションだと高橋氏は語る。「会社の方針を社員一人ひとりに的確に伝え、浸透させていく。そして、社員同士の横のつながりを築いていく。そんな社内の情報伝達・情報共有を実現させるお手伝いをしたいと考えています」

社内コミュニケーションの課題を解決するスマートフォン自社アプリ

 「多くの企業では、社内報やメールマガジン、社内Webサイトなどを駆使して社内コミュニケーションを図っていますが、必ずしも情報伝達が十分に機能していません」と高橋氏は指摘する。「紙のメディアは速報性や保管性に難があり、メールは情報伝達手段としては有効でも、多くのメールに埋もれてしまいがち。Webでは新たな情報を公開しても認知されづらいなど、それぞれ課題があります。ただ情報を発信するだけでなく、確実に伝達する手段を考える必要があるのです」
 そんな課題を解決するために、高橋氏が提案するのがスマートフォン(以下スマホ)上で運営する自社アプリだ。「誰もが常に持ち歩き、使い慣れているスマホであれば、新たなインフラ投資を要することなく、すべての社員に確実な情報伝達が可能です。また、自社アプリであれば、伝えたい情報を自由なフォーマットで発信でき、プッシュ通知で素早く、確実に届けることが可能。働く場所や働き方を問わず、社員一人ひとりが手元で情報を見られる環境を実現できるのです」。高橋氏は西部ガスやダスキンといった具体的な事例を交えつつ、そのメリットを説明する。
 ヤプリ社では、こうした自社アプリの開発から運用、分析、自動アップデートまでをトータルを支援するプラットフォーム「Yappli」を提供している。「クラウド上に蓄積したサービス機能を選択しながら搭載する仕組みのため、わずか1~3カ月で構築できます。また、ドラッグ&ドロップなど直感的に操作できる管理画面を提供するため、専門的な知識がない社員が他の業務と兼務しながらでも運営できます」と高橋氏はそのメリットを語る。「加えて、導入後のサポートも充実しており、現在450社以上に導入いただいていますが、その継続率は99%以上です」

 「スマホ上の自社アプリによって、社員一人ひとりが手元で情報を見られる環境を整備することで、経営層が伝えたい情報がしっかりと社員に伝わり、社員の幸福度も高まって、組織の一体感が生まれます。是非、自社アプリの活用をご検討ください」と高橋氏は締めくくった。

ヤプリの紹介はこちら
https://yapp.li/

<セッション3>
AIボットとFAQを賢く使い、
社員をHappyに、サポート現場を笑顔に!

  • 古田 光弘氏 株式会社Zendesk Manager, Commercial Sales 古田 光弘氏
    株式会社Zendesk
    Manager, Commercial Sales
  •  「社員をハッピーにし、サポート現場を笑顔にする鍵は、仕事のスピード感にあります」と指摘するのは、Zendesk社でセールス部門のマネージャーを務める古田氏だ。同社が提供する包括的なカスタマーサポートソリューションは、世界160カ国で16万以上もの企業に導入され、国内でも業種業態や規模を問わず多くの企業に導入されている。
     「仕事のスピードを高めるには、バックオフィスへの問い合わせ対応を強化することが重要」と古田氏は分析する。そのポイントは実にシンプルで、「質問者に自己解決の手段を与えること」と「質問を受ける側の業務を効率化すること」だという。本セッションでは、Zendeskを基盤にFAQやAIボットなどを活用し、問い合わせをする側と受ける側、双方の効率や満足度を高める手法について紹介する。

  • やることは2つ。
  • AIボットやFAQを整備し、
    質問者に自己解決の手段を与える

     バックオフィスに問い合わせる社員側が抱えるストレスとしては「自分で調べる方法がない」「いつ回答があるか分からない」「問い合わせ先や問い合わせ方が分からない」「解決までに時間がかかる」などが挙げられる。これらを解決するポイントは「自己解決、すなわちセルフサービスの手段を与えること」だと古田氏は語る。

 セルフサービスの手段として、まず挙がるのが社内FAQだ。古田氏はZendeskを活用した社内FAQの改善策として「FAQサイトと問い合わせフォームを一元化して、ワンストップで解決可能にする」「FAQのアクセス数や解決率などを分析して継続的な改善を図る」などを解説する。「FAQによる自己解決率が高まれば、問い合わせそのものが減少するため、問い合わせる側の時間を節約できるとともに、バックオフィス側の負担も軽減できます」
 Zendeskには、近年、注目されるAIボットを低価格・短納期で導入できる機能もある。Wepページ上のどこにでも設置可能なウィジェットと呼ばれるフキダシに質問を入力すれば、AIボットがFAQサイトから解決につながる記事を検索して提案し、それでも解決できない場合は質問フォームや電話窓口へと誘導する仕組みだ。この「統合ウィジェット」により、問い合わせから解決までのステップを効率化することができるという。

バックオフィスの業務を効率化する5つのポイント

 一方、社員からの問い合わせを受け付けるバックオフィス側の課題としては、「回答漏れ、二重対応が発生しがち」「何度も同じことを聞かれる」「件数や所要時間などの分析ができず、状況改善につながらない」などが挙げられる。先述したように、問い合わせる側への施策によって自己解決率を高めるだけでも改善が見込めるが、Zendeskには他にもバックオフィスの効率を高める機能が豊富にある。
 Zendeskは社員からの問い合わせを「チケット」単位で管理し、その処理状況を一元管理することで、対応漏れや二重対応を防止。担当者以外でも一目で状況を把握できるため、チームでの管理も容易となる。また、問い合わせた社員側でも処理状況を確認できるため、回答待ちのストレスも軽減できるという。
 このほかにも「問い合わせフォームを改善し、質問者に必須項目を記入させる」「自動処理や定型文の活用で回答作業を効率化する」など、幅広い視点からバックオフィスの効率化を実現する。さらに、問い合わせ状況を分析し、課題や改善点を可視化することで、例えば問い合わせの多い時期、時間帯のみ人員を増強するといった改善策の立案をサポートできる。
 「『人』の価値にフォーカスするには、ものごとをシンプルにし、システムでできるところはシステムに任せ、『人』は本質的なところに時間を割くようすべき。そうすることで、海外に負けない生産性を実現でき、変化の激しい時代を生き抜いていくことができるはずです」と、古田氏は本セミナーのテーマを踏まえた力強いメッセージを送った。

社内ヘルプデスクの構築のヒントはこちらから
https://www.zendesk.co.jp/it-helpdesk-solution-jp/

<特別講演2>
“リアルな顧客接点が重要”な企業の、DXとD2C戦略とは?
-米国最先端事例から学ぶ

  • 射場 瞬氏 株式会社IBAカンパニー 代表取締役社長 射場 瞬氏
    株式会社IBAカンパニー
    代表取締役社長
  •  「店舗とECサイトなど複数のチャネルをデータでつなぐオムニチャネルが登場したのは2015年頃のこと。その後、デジタル活用のテーマが“チャネル主体”から“消費者の体験主体”へと転換し、現在では、ただチャネルをつなぐだけでなく、オンラインとオフライン双方の強みを生かして消費者の体験向上を図るOMO (Online Merges with Offline)が主流になっています」。IBAカンパニーの代表を務める射場氏は、米国におけるデジタル化の歴史をひも解く。
     OMOには、リアル店舗を持つ企業がデジタルを駆使してオンラインを融合する場合と、オンライン企業がリアルに進出する場合があるが、本講演が対象とするのは前者。店舗という“場”や店舗スタッフという“人”など、消費者との接点を持つというリアル店舗ならではの強みを活かしたDXやD2Cについて、米国の先進事例とともに紹介する。

  • 「店舗スタッフ」が重要なDX:「人」で成功させる3つの法則
  • リアル店舗の強みを生かしたDXや
    D2Cを成功させる3つの鍵

     「重要なのは、お客様とのタッチポイントを持つというリアル店舗の強みを自覚し、その強みを最大限に生かすためにデジタルを活用すること。DX戦略として注目されるD2Cは、単なるECではなく“Direct to Consumer”、お客様と直接つながることに意味があります」と射場氏は分析する。そのための3つのキーが「Who・What」「For Better Experience」「Empower Staff」だという。

 まず「Who・What」とは、その会社にとって重要顧客は誰か、重要顧客が求める体験は何かを明確にすること。「全てのお客様がビジネスへの重要性が同等でなく、“誰が”自社のビジネス/ブランドにとって一番大切な顧客であるかを選んで絞り、その顧客にとってより良い体験を作ることが重要」と射場氏は語る。こうした共通の認識のもとに重要顧客の属性や行動、思いなどを考え抜き、その顧客が求めるより良い体験についての仮説を立てることがポイントになるという。
 次に「For Better Experience」とは、目的意識の明確化である。「デジタルは手段であって、先進技術を導入すること自体が目的ではありません。目的が顧客体験の向上であることをチーム全体で共有し、デジタル化を進めることが重要になります」
 最後の「Empower Staff」は、顧客との直接の接点となる店舗スタッフを、デジタルで後押しすること。「そこで近年、注目されているのが“クライアンテリング”。従来は優れた販売スタッフの脳内だけにあった情報やノウハウをデータ化して全スタッフが共有することで、よりよいサービスを実現するという考えです」と射場氏は説明する。

米国の先進事例から学ぶDX成功の秘訣

 セッション後半では、3つのキーを駆使した先進企業のDX事例が紹介された。まずは“夢の国”を運営するディズニーパーク&リゾートのデジタル化プロジェクト。その核となるのが、RFIDタグで顧客を紐づける「マジックバンド」だ。「Webサイトやスマートフォンとの連動により、顧客は予約からチェックイン、入場、支払いまで、すべてストレスフリーで楽しめます。さらに、施設内のスタッフもマジックバンドから端末に情報を得て、顧客ごとに最適なサービスを提供できます」
 第2の例が、米国を代表する化粧品リテールストア「Sephora」。同社は年間11万円以上購入する層を重要顧客とし、そのニーズや課題を徹底的に分析して、満足感を高める施策を実施している。注目すべきは、「肌質や色にあった商品選びが難しい」との悩みを解決するため、顧客ごとに肌質や肌色を店舗で調べてID化し、最適な商品選びを可能にしたこと。データを駆使したクライアンテリングの好例と言える。
 第3の例が、スポーツ用品の世界的ブランド、ナイキ。同社がニューヨーク市内に設置した実験的ストア「イノベーション・ラボ」のテーマは、ストレスフリーさとワクワクできる買い物体験を徹底追求することだという。「オンラインとの融合により、顧客は来店前に商品情報や価格、在庫をチェックして予約しておけば、来店時にはすべて用意され、試着室まで直行。レジなし決済も可能です。接客スタッフと在庫確認・ピックアップ担当スタッフが分業化されているので、店舗内で顧客に寄り添ったまま接客に専念できます」
 これら事例から読み取れるのは、「デジタル化は目的ではなく顧客体験の向上を助ける手段」「OMOでもリアル店舗の強みを生かす」「Empower Staffを考えたデジタル化が重要」など。「いずれもDXやD2Cを成功に導くヒントですので、是非、参考にしてください」と射場氏は締めくくった。

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