ロゴ画像 「人が活きるオートメーション」
で社会価値を創造

オムロン・山田義仁社長 CEO

メイン画像 メイン画像 提供:オムロン

オムロンが4月から、2030年に向けた4回目となる長期ビジョン「Shaping the Future 2030(SF2030)人が活きるオートメーションで、ソーシャルニーズを創造し続ける」をスタートさせました。長期ビジョンSF2030では、事業を通じて解決すべき社会的課題を「カーボンニュートラルの実現」「デジタル化社会の実現」「健康寿命の延伸」と定めました。社会的課題の解決を企業としての競争力の源泉、成長の原動力にしてきたオムロンは、今の大きな時代の転換期に、どう挑んでいこうとしているのでしょうか。山田義仁社長が各事業の最前線で活躍する若手社員と、オムロンの存在意義や長期ビジョンSF2030実現のカギなどについて熱く語り合いました。

見えてきた存在意義

事業を通じて社会価値を創出し、
社会の発展に貢献し続けること

山田 オムロンは長年、「社会の公器性」ということを言ってきました。事業を通じて社会的な課題を解決することにこだわってきました。例えば混雑の解消や人々の健康増進に貢献した交通管制システム、駅の自動改札、体温計・血圧計といった事業がこれに当たります。安全・安心・快適な社会づくりに貢献してきました。

今回策定した、2030年に向けた長期ビジョンではもう一度、その原点に帰り、オムロンの存在意義は何か、を問い直した結果、「事業を通じて社会価値を創出し、社会の発展に貢献し続ける」ということが見えてきました。これからオムロンは3つの社会的課題の解決に取り組む。これに向け制御機器、ヘルスケア、社会システム、電子部品という4つの事業領域を通じて社会価値を創出するというビジョンを掲げました。

山田義仁社長 「若いみなさんにはどんどん挑戦してもらいたい」(山田社長)

私自身や各事業部門のトップからも説明をさせていただきましたが、このビジョンについて、若い社員のみなさんがどう考え、どんな気持ちになったか。こういうことをしたい、もっとこうしてほしいということがあれば、ぜひ聞いてみたいと思っています。

西出 新ビジョンの中で一番印象的だったのは「人が活きるオートメーション」です。私は今、温度制御に関係する商品企画や販売促進を担当していて、お客様の生産現場ではオートメーション化されていても、まだ、人に頼らざるを得ない場面を目にします。もっと人が楽に能力を発揮できるようなオートメーションをつくっていきたい。そんな思いが湧いてきました。

山田 素晴らしい。

モノとサービスを組み合わせた
価値創出

「モノ視点」から、
社会的課題を捉える「コト視点」へ

伊永 私はヘルスケア事業を担当していることもあって、目標に掲げられた「社会全体の豊かさと、自分らしさの追求が両立する社会」について、こんな社会が実現できればいいなと素直に思いました。また、私はこれまでどちらかといえば、目の前の業務に力を注いできた方なので、長期ビジョンは、事業の将来像から仕事の在り方を見つめ直す、良いきっかけになりました。

伊永美咲さん 「みんなが活躍できるチームづくりが大切です」(伊永さん)

具体的には「モノ視点から、社会的課題を捉えるコト視点に移ろう」という言葉に興味を持ちました。今、脳・心血管疾患予防に向けて、血圧計の開発などに携わっているので、事業の方向性などを考える上で欠かせない観点だと思いました。

山田 そう。血圧計だと、それがオムロンの提供するコアバリューであることは間違いないけれど、例えばお客様はただ血圧計が欲しいのではなく、正しい血圧管理、健康ライフを必要とされているわけです。提供価値は今までのようにモノであってもいいし、サービスであってもいい。そして、その融合体やコンサルティングでもいい。こうした考え方の変革は、決して容易なことではない。やはり伊永さん、西出さんのような世代の人たちにトライ&エラーで積み上げていってもらうしかないとも思っています。

オムロンはおかげさまでこの10年、変化対応力にみがきをかけ、収益力のある企業になり、少々の失敗は許容できるようになりました。ですので、みなさんには新たな社会価値づくりにどんどん挑戦していってもらいたいと考えています。

10年前には、企業は利益を確保することが最優先で、社会的に良いことをするということは、必ずしも優先順位が高くなかったと思います。ですが、今は企業が社会に対して良いことをしながら、しっかりと収益を確保し、そしてステークホルダーに分配するという、両立ができる時代になってきましたし、求められるようになってきました。2030年を迎えたとき、これを両立できない企業ではもう誰も働いてくれない。世の中から必要とされない企業になると思います。

個人個人が輝く企業にならなければならないと思いますし、伊永さん、西出さんたちが具現化してくれた、自分の思い、志を仕事に反映させて、仲間を巻き込んで目標を達成する。この物語が素晴らしいわけです。それがいくつも重なり合って、いろいろな社会的課題が解決され、その中で人が育って、あるいは啓発を受けて、また新しい人がそういうことにチャレンジする。そんな企業になってほしいと思っています。

西出 チャレンジという面では、オムロンにはベンチャー精神があり、それがこれからも大きな支えになると思います。経験の少ない社員でも上手くいくよう、上司や先輩が後押ししてくれる、チャレンジがしやすい社風があります。チャレンジしていくことをすごく賞賛してもらえる、賞賛されることで、やりがいを感じていける環境があります。そして日々、自分の成長を感じられる。それがまた仕事のやりがいにつながっている面もあります。

西出美穂さん 「もっと人が楽に能力を発揮できるようなオートメーションをつくりたい」(西出さん)

社会的課題の解決は、どれも簡単なことではありません。実際に仕事を進めていく中で、諦めそうになったり、目標を下げて妥協したくなることも少なくありません。そうした中で、自分がチームメンバーの使命感を喚起して、諦めないよう鼓舞するとか、社内外の知見と掛け合わせて、突破口を見出すとか。そういった役割を果たす人財にもなっていきたいと思っています。

伊永 今、学生時代に思い描いていた、「社会の役に立つ仕事をしたい」という思いが実現できていることは、とても嬉しく感じています。そしてオムロングループは若手の社員もどんどん意見を出し合って、1つのものをつくっていく企業だなと感じています。リーダーの方は、若手メンバーの意見にしっかり付き合い、議論をしてくれます。

これまでに私が関係した業務テーマは、チームの誰一人欠けていても、成功しませんでした。みんなが活躍できるチームづくりが大切で、これからは私自身がそうした面でリーダシップを発揮できる人財にならなければとも考えています。

社会価値の創出で、
時代の転換期に挑む

サステナブルな社会をつくる一助に

山田 もし世の中の役に立ちたい、仕事を通じてよりよい社会づくりに貢献したいという志があるなら、オムロンはベストな選択肢の一つだと、これから企業を選ぶ人たちに私は自信を持って言えます。

なぜなら、オムロンが目指しているのは「事業を通じた社会的課題の解決」です。社会的課題を解決したい人にとっては、必ず活躍の場があります。

オムロンには、私たちが経営の羅針盤としている未来予測理論「SINIC(サイニック)理論」があります。今は旧来の価値観が新しい価値観とぶつかり合い、変わっていく葛藤の時代、まさに大きな時代の転換点といえます。先が見えない、課題が噴出してくる時代であり、工業化社会で人類は豊かになったけれども、これからは精神的な豊かさが求められる。その行き着く先は、個人の思いと社会が調和する「自律社会」になります。SINIC理論によれば、そこに向かっていく過程の最終段階が、最適を追い求めていく、今の「最適化社会」になります。

経済活動と利害が反することが多い地球環境の問題もまさにそうですし、いろいろな葛藤があって、その中で良いもの、よりよい社会を目指していく。その中ではオムロンのオートメーション技術、オムロンが創業以来目指している、事業を通じて社会的課題を解決するという姿勢が生かされる時代だと我々は見ています。そうした歴史的な変遷の中で、これからの10年間を見据えています。

ここを乗り越えれば、「自律社会」が必ず実現できる。これからもオムロンは、社内外の若い世代、お取引先やお客様と一緒に事業を通じて社会的課題を解決し、持続可能(サステナブル)な社会づくりにチャレンジしていきます。

座談会出席者

座談会出席者 プロフィル(右から)

伊永 美咲さん(いなが・みさき) オムロン ヘルスケア(株)商品開発統轄部グローバル商品設計部・入社9年目。「ディスポーザブルメッシュの量産化」のテーマで、TOGA第8回Gold賞。このテーマでは家庭での喘息治療に使用する医療機器「ネブライザ」で薬液の噴霧に必要な「メッシュ」のディスポーザブル化を実現。使用者の使い勝手を大幅に向上させた。

西出 美穂さん(にしで・みほ) オムロン(株)インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー商品事業本部コンポ事業部温調PMG・入社9年目。「海洋プラスチックごみをなくす! 温度センシング・制御による海洋汚染しない包装へのチャレンジ」のテーマで、TOGA第9回Gold賞を受賞。海洋汚染の問題などから使用削減が求められているプラスチックに代わる、生分解性プラスチックや紙などに対応する、高機能の温度調節器を開発した。

※「TOGA」とは「The OMRON Global Awards」の略。「Our Mission」と「Our Values」で構成される企業理念がどれだけ実践できているかを社内で共有しあうこの表彰制度は、理念を浸透させながら、社会的課題の解決につながる新規事業や活動を次々生み出す枠組みにもなっている。

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