ロゴ画像 より快適な未来を形にしよう

三機工業・石田博一代表取締役社長

メイン画像 メイン画像 提供:三機工業

三機工業はオフィスビルや工場などの建築設備やプラント設備の設計・施工・運転管理を通じて人々の生活や仕事をサポートしています。社会インフラを支える総合エンジニアリング事業はサステナブル(持続可能)な社会を快適にしていく重要な役割を担っています。さらに「エンジニアリングをつうじて快適環境を創造し広く社会の発展に貢献する」という経営理念を基軸に「サステナビリティ方針」を定め、未来への使命に取り組み始めました。石田博一社長と若手社員が、快適を形にする「三機らしさ」について語り合いました。

これまでも、これからも、
サステナビリティーに貢献
地球環境に寄与する
「選ばれる三機」を追求

石田 三機工業は2021年度に「サステナビリティ方針」を発表しました。2050年を目標にしたカーボンニュートラル宣言もしました。当社は1925年の創立当初から、ヒトやモノを快適にするために、空気や水、電気などに関わる社会インフラの各種設備を省エネルギー化、省力化し、環境負荷低減に役立つものを納めてきました。もともと続けてきた当社の業務自体が、今で言うサステナビリティーにつながっています。「サステナビリティ方針」はサステナブル社会に貢献する事業であることを誇りに未来へ向けて仕事をしていく宣言です。

松渕 私は空調設備の現場で施工管理をしています。業務で培った技術力を使ってお客さまに提案し、実現させるのが使命です。設備機器は10~15年が寿命なので、更新のタイミングで省エネルギー性が高い高効率のシステムの提案をします。建物全体の快適性や二酸化炭素(CO2)排出量の抑制に努めれば、お客さまのためになります。そのためにより良い提案力を身に付けていきたいです。技術力や知識を向上させて、それを後輩に継承し、現場の全員でより良いものを作っていけるようにしたいですね。そういう現場の体制を作っていけば、カーボンニュートラルやサステナビリティーにおのずとつながるはずです。

松渕さん 「現場の全員でより良いものを作ればサステナビリティーにつながるはずです」(松渕さん)

山口 私は入社3年目で、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する仕事をしています。情報システムを担当する部門の役目は、現場の担当者がお客さまへの提案などで快適に仕事ができるようサポートすることです。文書の電子化も進めています。紙の原料となる森林の保護に直結します。現在、タブレット端末やクラウド・ストレージ・サービスを社内で使用し、いつでもどこでも必要な資料にアクセスできる体制を整えています。場所を移動する手段として車を使わなくて済み、間接的にCO2の削減につながります。現場の皆さんのデジタル環境をよりよくしたいと考えています。

石田 社長に就任した頃、当社の広報誌「三機マンスリー」の1928年創刊号を読みました。その中のコラムに興味深い一文があります。当時は創立して間もない頃だったわけですが、お客さまに恵まれ、誇りを持って仕事ができているという話の中で、「天に謝し、地に謝し、人に謝す」と記述されていたのです。「天に謝し、地に謝し」はまさに地球環境への貢献だなと思いました。当社はずっとそういう仕事をしてきたのだと。これはカーボンニュートラル宣言につながります。「人に謝し」はお客さまや社員への感謝。この3つの感謝の気持ちが当社には脈々と流れています。特にこれからの10年間の取り組みが大切です。

働く環境を良くする
スマイル・プロジェクト
社員が助け合い、
若手の育成も注力

石田 働き方改革では労働時間の抑制と品質・生産性向上のため、私自らリーダーを務める全社横断的な「スマイル・プロジェクト」に取り組んでいます。互いを尊重し、知識や経験の浅い人には業務量や難易度に配慮しサポートします。若手の育成も考え、総合研修・研究施設の三機テクノセンター(神奈川県大和市)を2018年に開設しました。

山口 働き方改革にIT(情報技術)は不可欠です。社内から「こんなことできますか」と多くの相談をもらいます。最近は情報システムの社内セミナーで募集人数の2倍以上も応募がありました。皆さん一丸となってスマイル・プロジェクトを進めている実感があります。

松渕 スマイル・プロジェクトはワークシェアの形で施工現場の支援を広げています。例えば、現場担当者の代わりに安全管理の書類を作成してもらっていて非常に助かっていますが、書類の内容や関わる現場がどんな現場なのかについてサポートしてくれる方にも知ってもらいたい。同じ目的を持って関わることで、モチベーションもより上がりますし、一緒に作り上げているとみんなが思えることが大事だと考えます。このテクノセンターを利用して不足する点を学び合えるとうれしいです。

石田 人は財産です。人に投資するということは、社員一人ひとりに自らを向上してもらうことです。また、社員みんなで活用できる三機テクノセンターのような施設を作ることも人への投資になります。社員みんながそれぞれ学んで成長していくために必要なものを投資と捉え、人材の育成を進めていきたいと思います。

山口さん 「一丸となってスマイル・プロジェクトを進めている実感があります」(山口さん)

山口 私は情報システムの仕事に関連し、今注目されているノーコードについて勉強しているところです。今後、社内で皆さんが使っていくと想定しています。また、私は新型コロナウイルス禍の中での入社でしたので、実際の施工現場を見に行く機会があまりありませんでした。現場のことをもっと知りたいので、直接見学をして学びたいと思っています。

石田 私が社長になった2020年からずっと、リモートワークが中心ですね。オンラインで研修もできますが、実体験の形では、なかなかさせてあげられなかったと思います。そこでまず今秋、入社式をはじめまだ同期が全員集まったことが一度もない年次については宿泊型の研修会を行います。この機会を通して、同期の「きずな」の形成に役立ててほしいと思っています。

松渕 いろいろな現場を経験してきましたので、教育ということで今、特に力を入れているのは、後輩たちに自分の技術を伝えることです。昨年、27階建ての新築ビルを手掛けた際、入社間もない新人に「この材料」と言っても理解してもらえないことがありました。その新人も研修は当然受けていましたが、実際にモノを見たことないので、分からなかったのです。そこで私なりに材料の写真を撮ったり、実際のモノを用意したりして、「こういうところをチェックしよう」というシートを作成し、定期的に勉強会を開いています。もっとたくさんのことが共有できれば、現場で自信をもって指示を出せます。結果的に業務の効率化につながり、みんなでスキルアップし、生産性も上がります。

石田 社風なのかもしれませんが、「人は財産」ということをみんなが分かっています。仕事の中で学び合い、後輩が育てば、自分も成長できるというプラスの連鎖です。いい相乗効果が生まれるでしょう。ぜひ勉強会を続けてください。

石田社長が若者に伝えたいこと
持続可能な社会を支える仕事に
誇りを持って取り組もう

石田 2025年に創立100周年を迎えます。「質と信頼を高め、選ばれ続ける企業へ」を22~25年度中期経営計画で掲げています。お客さまに納めるものが地球環境や社会への貢献につながれば、当社はサステナブルに選ばれます。そのためにも、「地球MIRAIプロジェクト」を近く始めます。社員の新しい自由な発想を集め、未来の事業の種を育てたいと考えています。こういうものを作ってほしいな、でもいいですし、自分ではなく社内の誰かが開発してくれれば、というのでもいいです。みんなで種を考え、それを実現していく形をつくりたいということです。

石田社長 「みんなで種を考え、それを実現していく形をつくりたいです」(石田社長)

松渕 当社は長い歴史のあるところがブランドで、社員としても誇りですが、より良く進化していきたいです。新しいもの、より良いものを考えていくにはパワーが必要ですが、時代の変化とともにずっと変わり続けていくべきだと認識しています。そういう意味で「地球MIRAIプロジェクト」を石田社長自らが展開してくれるのは、すごくありがたいです。私も何か考えて応募します。

山口 人が温かく、いきいきと働けるのが魅力の会社ですが、そうしたプロジェクトはさらにモチベーションの向上につながると思います。私もぜひ挑戦したいです。今日の対談の機会もそうですが、若い社員がチャレンジできる環境があり、これからもいろいろな経験をしていきたいです。

石田 当社はサステナビリティーを見つめ、社会に役立ってきました。皆さんが今取り組んでいる業務も、サステナビリティー社会の一翼を担う仕事です。それに根差している仕事ですので、十分胸を張り、誇りをもって仕事をしていただきたいと思っています。それが皆さん、若い人たちに伝えたいことです。より快適な未来を形にしていきましょう。

座談会出席者

座談会出席者 プロフィル(右から)

松渕 悠輔さん(まつぶち・ゆうすけ)東京支社・入社13年目。空調衛生技術1部技術2課勤務。空調設備の施工管理を担う。

山口 愛未さん(やまぐち・あみ)情報システム室・入社3年目。情報システム1部DX推進課勤務。デジタル環境の整備を通じて各業務を支える。

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