提供:YKK AP

インタビューを受けた3人の社員と堀秀充社長の写真

私たちの価値を社会へ! 人と自然を未来へつなぐ、挑戦者たち

社員個人の幸せから、社会全体の幸せへ

YKK APの掲げるパーパス「Architectural Productsで社会を幸せにする会社。」には、いま活躍する社員たち一人ひとりの存在意義が表れているという。YKK APの一員として働く社員は、どのようにパーパスを自分ごと化し、社会へ届けているのか。異なる部署に勤める3人の社員と堀秀充社長の思いとは。

Topic #1自分自身の充足を前提に

堀 YKK AP創業30周年の節目を迎え、海外事業会社の経営と資本も一体化し、あらためて社員の思いをひとつにするために2021年に策定したのがパーパス「Architectural Productsで社会を幸せにする会社。」です。私たちはこれまでも企業精神である「善の巡環」をYKKグループ全体で共有してきました。善の巡環は新たな価値創造による自社事業の発展が顧客や社会の繁栄につながり、いずれは自分たちに戻ってくるという考え方です。パーパスは善の巡環を理解した上で、今の時代の社員や会社が自分たちの存在意義を捉え直し、定義づけたものといえますが、実際に働いている皆さんがどう受け止めて業務に生かしているのか聞かせてください。

笑みを浮かべ社員に語りかける堀秀充氏の写真
「社員を幸せにできない会社は社会も幸せにできない」代表取締役社長 堀秀充氏

花房 私はパーパスを自分の仕事に落とし込むとき、まずは周囲の社員を幸せにすることが、社会全体の幸せにつながるのではないかと考えました。私のいる素材技術部では、素材情報のデジタル化や業務でのデータ活用を進めています。これまで、品質管理や製造の現場では手書きによる情報のやりとりが多く行われていました。これらをデジタル化することで作業の簡易化や効率化が図れれば、社員一人ひとりがより幸せになれるはず。社員の幸せは商品の質にも良い影響となり、ゆくゆくは生活者、社会へと幸せが広がっていくと思うのです。

楊 社員を幸せにすることは私も大事だと感じていました。国際事業本部で海外市場の調査や分析に携わっており、現地の社員とも関わるのですが、日本と海外スタッフのコミュニケーションがうまくいかない場面も少なくありません。すれ違いや遅延が発生すると業務が滞り、お客様に商品をお届けするのも遅くなってしまいます。私たちの商品を使ってもらうことが住む人の幸せになり、住む人が幸せになれば社会全体も幸せになるはずです。まずは日本と海外の社員が滞りなく業務に取り組めるよう双方の関係やスケジュール調整に取り組んでいます。

堀社長の問いかけに答える楊旭氏の写真
「暮らしを支えることがYKK APの役目」国際事業本部 事業推進部 第3グループ 楊旭氏

清水 私はお2人と少し違い、まず自分自身が幸せにならないと相手を幸せにできないと、パーパスを見たときに思いました。私はリノベーション事業部で窓や玄関ドアリフォームの効果を伝えつつ、YKK AP公式ユーチューバーとしても自社の活動やパーパスの発信を行っています。例えば、取引先やお客様に商材の良さをお伝えする際も、自分が生き生きしていなければ思いは届きません。動画も私が暗い顔をしていては視聴者に楽しんでもらえないと思っています。とにかく自分が幸せになり、お客様にも感じ取ってもらうことで、YKK APといっしょなら幸せになれると感じてほしいです。

堀 YKK創業者、𠮷田忠雄は「他人の利益を図らずして自らの繁栄はない」と残しています。この他人とは誰か。𠮷田は社員・顧客・社会の3つだと定義しています。花房さんと楊さんの考え方は創業者の言葉通りだといえるでしょう。ただ、大前提として自分を幸せにすることも欠かせません。自分が幸せになってはじめて、社員や顧客、社会へと幸せを受け渡していけるのではないでしょうか。

語り合う堀社長と社員3人の写真

Topic #2脱炭素化のリーダーへ

清水 パーパスが発表されたとき、自分たちのやるべきことがより分かりやすくなったと感じました。例えば私の取り扱う窓や玄関のリフォームは、実施されたお客様からは大変好評をいただいています。一方で、なかなかリフォームに踏み切ってもらえないという課題もあるのです。生活者目線でいえば、住宅に関しては現状にある程度満足してしまっていると思います。正直、自分たちがこれ以上、何をどのように伝えていけばいいのか迷っていたのですが、社会を幸せにするという目的がはっきりしたことで、再び気持ちを込めて情報発信を行えるようになりました。

パーパスについて語る清水陽介氏の写真
「生き生きと伝えなければ思いは届かない」住宅本部 リノベーション事業部 営業推進部 機能開発推進室 清水陽介氏

堀 パーパスはYKK APが次のステップに進むための中心となる存在です。ただ、どのような施策を打って進んでいくべきかは、現場にいる皆さんだから感じる部分もあると思いますので、ぜひ意見を聞いてみたいですね。

清水 単なるメーカーという存在から、技術により新たな価値をつくり出す側に変わらなくてはならないのではないでしょうか。

楊 商品の質では、清水さんの言う通り高水準なクオリティーが保たれていると思います。しかし、どれだけ技術が優れていたとしても、生活者が欲しいと感じなければ意味がありません。新しい価値を提供するために必要なのは、生活者のニーズをつくることではないでしょうか。理想の生活をイメージできるような情報発信や、従業員を含めた生活者の暮らしを支えることが企業としての役目だと思っています。

花房 技術者の立場からも革新が必要だなと感じていました。現状は製造方法なども確立されており、技術革新を起こそうというよりはコストダウンや生産性の向上に注力しているように思えます。技術基盤の強化や新しいモノづくりの試みをもっと行っていけば、会社としても次の段階に進めるのではないでしょうか。

YKK APの次のステップについて語る花房奈央子氏の写真
「働きやすさが商品の質につながる」生産本部 素材技術部 品質技術室 花房奈央子氏

堀 生活者のニーズも商品開発や製造における技術も、成長が鈍化しつつあることはYKK APだけでなく業界全体が抱える課題の1つです。YKK APがリーダーシップを取って業界を活性化させていくためにも、まずは生活者の声をしっかりと聞き、本当に欲しいと思うものを届けていく必要があると考えています。また、供給側の革新についてはカーボンニュートラルに期待しているところです。脱炭素化を進めるなかで、省エネ商品を利用してもらうことによる社会全体の二酸化炭素(CO2)削減への貢献はもちろんのこと、電気やエネルギーを使わない製造ラインの開発や、水素、アンモニアによる発電といった、新たな技術を導入した取り組みも考えています。窓は長らく技術革新が起きなかった分野ですが、カーボンニュートラルをきっかけに変化が起きつつあります。社会の脱炭素化をYKK APがけん引していくためにも、ぜひ若い社員の方々にはチャレンジを続けてもらいたいですね。

Topic #3多様な働き方、思いを1つに

堀 先ほども話しましたが、パーパス達成のためには社員一人ひとりの幸せが必要不可欠です。社員が幸せでない会社は、社会を幸せにすることはできません。会社として個人の幸せを実現するのは簡単ではありませんが、少なくとも会社にいる時間は幸せと言ってもらえるよう、労働環境の整備は積極的に進めているところです。社員へのヒアリングも定期的に行っているのですが、実際にはどうですか?

楊 社員にやさしい会社だと実感しています。人事制度もそうですが、同じ部署で働く人も子育てと仕事の両立をサポートしてくれるので、働いていて幸せな気持ちになれると思っています。

花房 私自身も育休を取得し、1年前に職場に復帰したのですが育休前と変わらない環境で働かせてもらっており、とても助かっています。フレックス制度も充実してきており、コアタイムもライフスタイルに合わせて流動的に調節できるので、子育てしながら働きやすいです。

堀社長の言葉に耳を傾ける社員3人の写真

堀 とくに女性の社会進出に関しては、海外では当たり前になっています。多様化する世界に取り残されないためにも、私たちも幅広い人材や価値観を取り入れていく必要があると考えます。

清水 YKK APは働き方や業務が本当に多種多様です。お互いにどのような取り組みをしているのか社員同士が理解しないと、パーパスのもと、気持ちを1つにするのは難しいように思います。

堀 そうですね。社員全員がパーパスを自分ごとに落とし込み、理解し合えたとき、YKK APは今より1つ上のステップにいるのではないでしょうか。