提供:ZVC JAPAN

ZVC JAPAN佐賀社長に聞く

Zoom Phoneなら
電話会議スムーズ
Zoomげる新戦略

ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を手掛ける米Zoom Video Communicationsの日本法人のZVC JAPANが、クラウド電話サービス「Zoom Phone(ズームフォン)」で攻勢をかけている。2021年6月から日本で一般提供を始め、6万ユーザーを獲得した。3年後に60万ユーザーを目指す。Zoom Phoneでスムーズに会議から電話へ切り替えたり、どこでもオフィスの代表番号で電話ができたりといった需要をいかに開拓するか。あらゆるビジネスの現場のコミュニケーションを支援するZoomの新戦略について、佐賀文宣社長に聞いた。

写真:佐賀 文宣 氏

佐賀 文宣(さが ふみのり)

ZVC JAPAN社長

1992年北海道大学工学部修士課程修了後、日本アイ・ビー・エム入社、ThinkPad開発部門に配属。同社パソコン部門で日本とアジア太平洋地域のプロダクトマーケティングなどを担当。2006年からシスコシステムズでウェブ会議システム「Webex」のパートナー開拓に従事。13年からクラウド関連のヴイエムウェアでパートナービジネス統括。19年米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ日本法人ZVC JAPAN入社。

―― 新型コロナウイルス禍の中で日本でもウェブ会議システム「Zoom」が普及しました。21年6月にはZoom Phoneの一般提供も始まりました。手応えはいかがですか。

佐賀氏 Zoomはコロナ禍前の19年に日本でビジネスを始めました。日本のウェブ会議市場は3年前まで1ケタ成長でしたが、Zoomのビジネスはコロナ禍前から急激に立ち上がり、コロナ禍で後押しされました。世界全体のウェブ会議への延べ参加者数は19年末の1日1000万人から半年後に30倍の3億人に急増しました。

 日本でもその間、アクセス数が30倍、売り上げは10倍。ここ1年半は日本だけで1日の延べ参加者数が300万人以上、シェアは60.2%あり、ビジネス用ウェブ会議のアプリケーションでは圧倒的に使われています。こうした中で力を注いでいるのがZoom Phoneです。22年6月末時点で約6万ユーザーが利用しています。日本では他社と比べて最速の立ち上がりだと思います。

―― Zoom Phoneにはどのようなメリットがありますか。

佐賀氏 日本企業の85%は電話のPBX(構内交換機)を社内に置くオンプレミス(自社保有)の環境で内線電話を使用しています。欧米のクラウド利用率は40%を超えていますが、日本ではまだ15%しかないのです。かつて日本企業は、ネットワーク用のサーバーもストレージ(記憶装置)も自社で持っていましたが、どんどんクラウド化されました。電話ではまだ自社保有が残っているのです。PBXをはじめ電話関連の機材がバランスシートの固定資産から消えて、経費として計上できれば、経営者にとって大きなメリットになります。

 ユーザーにとっては、Zoom Phoneによって電話をクラウド化すれば、いつでもどこでもスマートフォンで会社や部、課の代表電話を取ることができるのがメリットです。会社にPBXなど電話のシステムがある状態では、部署の代表電話を取るためだけに出社しなければなりません。各人がスマホを持って在宅勤務をしても、部や課にかかってくる電話をチームで受けたり、会社の電話番号で発信したりすることができません。こうした不便をZoom Phoneは解決します。

Zoom Phoneのメリットを動画でも視聴いただけます。

つながりやすく切れにくい、高音質で管理も楽

―― Zoom Phoneならではの強みは何ですか。

佐賀氏 クラウド電話サービスを提供している会社はほかにもありますが、Zoomの強みはウェブ会議システムの会社であることです。同一のアプリでウェブ会議も電話も利用できます。他社は企業買収などによって各サービスのブランドを統合したケースも多いため、サービスごとにアプリが異なります。使用するサーバーも各所にあるのが普通です。Zoomは最初から同一サーバーで各サービスを提供するようデザインされています。ウェブ会議や電話用にアプリを使い分ける必要がなく、運用管理用のダッシュボードも同一なので、総務部門が電話、情報技術部門がウェブ会議を管理するといった分担も必要ありません。通話も管理も楽なのです。

 結果として、Zoom Phoneならではの強みが3つあります。まずは使いやすくて高音質である点です。2つめはダッシュボードがシンプルで、初心者でも運用管理ができること。多くの日本企業は電話の運用管理を専門会社に任せてきましたが、ウェブ会議と同じ感覚で簡単に誰でも管理ができるようになるのです。3つめは安心安全。クラウドサービスでは東京と大阪にサーバーを設置・運用しているので、互いにバックアップが取れる体制を整えています。サーバーがダウンしない可用性を示す稼働率は21年で100%でした。

――Zoomはウェブ会議も電話もつながりやすく切れにくいと言われますが、それを支える技術は何ですか。

佐賀氏 圧縮技術とソフトウェアによるリカバリー技術です。今までのコミュニケーションサービスは、通信回線を速くして音質を上げるのが普通でした。Zoomの場合はソフトでのリカバリーも実現させます。例えば、どうしてもネットワークの状態が悪くて回線が切れてしまう場合、再試行し、ソフトで会話の後のほうに音声を詰めて流します。Zoom会議で時々、早口に聞こえることがありますが、それは再試行の際に音声を圧縮し、全体的に会話が漏れなく自然に流れるようにしているからです。

画面イメージ

図:キーパッドで電話番号をタップするか、内部・外部または同期された連絡先を検索して電話をかけられる

図:設定のカスタマイズ

図:固定電話と同様に営業時間や営業時間外、休日の設定もカスタマイズできる

スマホ1台でシンプルなサービス提供

―― 電話を含むZoomの利用をどのように広げていきますか。

佐賀氏 現在、多くのアプリが登場し、コミュニケーションの手段は増えましたが、もっとシンプルに使えるべきです。Zoomが目指すのは、スマホ1台で会議にも電話にもなるシンプルなサービスです。高音質でつながりやすく切れにくいという基本性能を重視し、病院、店舗、工場など様々な現場でZoom Phoneを利用してもらえればウェブ会議の入り口にもなります。同じアプリでライセンスだけ追加すれば、会議にも電話にもなりますから、電話から利用いただく展開も有効です。日本では、通信インフラ事業を手掛けるNECネッツエスアイ(NESIC)などの企業とパートナーシップを組んでZoom Phoneの販売に力を入れています。

―― 今後のZoom Phoneへの取り組みについて抱負を聞かせてください。

佐賀氏 日本では今後3年で現在の10倍の60万ユーザーを目指します。海外拠点を持つ大手のユーザーも生まれています。大手エンジニアリング会社が約5000人、大手インターネット関連サービス会社が3万人、住宅設備機器メーカー最大手が1万人などです。Zoom Phoneを使えば海外拠点と内線通話ができます。この3年間でZoom会議の高品質に多くのユーザーが驚いてくれました。「いつでも会議、どこでも電話、Zoom Phoneならスムーズ」に今度は驚いていただきたいと願っています。

写真:佐賀 文宣 氏

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