変わる人材育成の現場

提供:ベネッセコーポレーション

中堅・中小企業のDX人材育成支援 〜地域の活性化を目指して〜

  • 中国経済連合会 調査役中本 光宏

  • 中国経済連合会 常務理事清地 秀哲

  • 中国経済連合会 部長小玉 哲也

中堅・中小企業の競争力向上のためにデジタルトランスフォーメーション(DX)が不可欠になってきた。中小企業の人材不足は全国的な課題だが、人口の少ない地方では特に顕著だ。中国経済連合会ではオンライン学習サービスの「Udemy Business」を活用し、地域企業の学びを求める声に応えている。同経連の清地秀哲、小玉哲也、中本光宏の3氏は、企業の人材育成を支援することで企業価値の向上を図り、魅力ある地域をつくる未来を展望する。

経営ビジョンに沿った施策を 
社員のスキルアップが近道

中国地方の企業を主な会員とする中国経済連合会では、オンライン学習サービスUdemy Businessを活用し、中堅・中小企業のDXを後押ししている。

人口減少に伴う人材不足は、特に地方の中小企業で課題視されている。人手を補い、企業としての競争力を持つには、生産性向上のための効率化が重要だ。同経連は「企業を支えるのは人です。活力のある地域づくりには、雇用を支える産業の振興が最大の課題だと感じています。人手不足への対応はもちろん、賃上げの原資を確保する意味でもデジタル化が欠かせません」(清地氏)と語る。

しかし、DXの必要性を感じている企業は増えているものの、多くの中堅・中小企業では業務支援ツールの導入にとどまっているのが実態だ。何から始めるべきか具体的な方法論を持っていないことや、デジタル分野の知識や技術を持つ人材がいないことが障壁となっている。同経連は「ツールの導入もDX化に向けた大事な一歩ですが、それだけでは十分な成果とはいえません。自社をどのように発展させていきたいか、ビジョンを描いたうえで施策を講じる必要があります」(小玉氏)と、経営者が目指すべき姿を明確にする重要性にも触れた。

DX/デジタル化を進めるにあたっての
現時点で特に感じている課題(複数選択可)

「取組み方・進め方がわからない」が59.1%、「デジタル・ITについての知識 技術を持った人材がいない」が43.7%となった。他に「社員や自身に時間がなくて進められない」「資金が無くて進められない」「セキュリティ等環境面の不安」といった課題があり、DX推進人材の不足を読み取ることができる

【調査対象】従業員数300名以下の企業の経営者・役員 【調査方法】WEB 【実施期間】2023年9月16日〜9月20日 【回答数】1,760名 ※自社にDX/デジタル化が必要だと考えている企業を対象とする。

※ベネッセコーポレーションによるアンケート調査

同経連では地域企業のデジタル化を推し進めるため、中期事業方針の柱の一つに「DX・GX(グリーントランスフォーメーション)の推進による地域産業の振興」を掲げている。地域の先進企業の経営層向けに、DX化の背景や思いを議論する啓発イベントも実施。将来のビジネスを見据える一助を担う。また、DX人材の採用は大企業でも苦慮するところであり、地方の中小企業ならなおさら社内での育成が求められる。同経連では実務内容に精通する現場のリーダーにDXスキルを身につけてもらうのもデジタル実装への近道と考え、オンライン学習サービスの選定、紹介も行っている。

個別最適なカリキュラム設計
企業ニーズに合わせた学びを提供

オンライン学習サービス選びでは、主に3点を意識していた。一つに、場所や時間にとらわれずに受講できるプログラムであること。次に、習熟度を問わず学べるよう、講座の種類が豊富であること。そして、講座を評価する仕組みがあり、常に最良のコンテンツが用意されていることだ。IT(情報技術)からビジネススキルまで幅広いジャンル・レベルの講座がそろっているUdemy Businessは、同経連の狙いにマッチしていた。

「導入にあたって実際に受講してみましたが、文字だけでなく動画で分かるため理解しやすい。自身のリスキリングとして活用している経営者もいます。職種や知識レベルを問わず受講でき、画一的な研修では対応できない部分をフォローできるような教育機会となっています」(中本氏)。受講状況から学習時間に濃淡があることもわかっており、自分のペースで学習できるオンライン学習サービスの利点が発揮された。

中国経済連合会のDX推進プログラム

Udemy Businessがオンライン動画学習のコンテンツを提供し、中国経済連合会が会員企業の課題を吸い上げ最適なカリキュラムを構築する。そして受講企業が企業内の人材育成を促し主体的に学ぶ機会を提供する。Udemy Businessは豊富な学習コンテンツでリスキリングを支援し、中国経済連合会が参加企業へ学びの機会創出を行い、受講企業は自社の課題を解決・企業の競争力強化につなげる。

また、DX関連の講座紹介にとどまらず、「DX推進人材」「デジタルビジネス創出人材」の育成を目的に講座を組み合わせた目指す独自カリキュラムを設定している。各企業や受講者へのヒアリングのもと、リテラシーやスキルのレベルを考慮してブラッシュアップも図った。推奨プログラム外にもかかわらず、業務で使用するツールのスキルを学ぶ講座の受講も多いことから、より実務に近い領域も取り入れた講座設計も検討している。

同経連は地域全体の魅力向上を第一に掲げる。DX推進を含め企業の競争力を支える人材育成や首都圏からの人材還流、若者・女性の起業支援、外国人材の活躍促進に向けた環境整備についても継続的に取り組んでいく考えだ。

効率化で目指す改革
広がる「主体的な学び」

プログラム参加企業

広島電鉄 人事課 係長 松本 直子

松本氏の写真

市内の交通インフラを支える広島電鉄では、コロナ禍の外出控えで利用者数が減少。テレワークの普及により利用者数は以前の8割程度までしか回復しないとされる中、既存事業を改革する動きが出てきた。同社の松本氏は「デジタルツールの活用で業務を効率化できれば、人手不足の解消につながります。また、業務負担が軽減される分、人材育成に取り組む機会も増やせるでしょう」とDXの有効性を語る。

広島電鉄が受講したカリキュラム例
ITリテラシー入門コース(前半)
1. ミニアニメで解説!やさしい『DX・IT用語』入門
2. 30分で学ぶ! DX(デジタルトランスフォーメーション)入門!
3. ITリテラシーをつけたいけれど、何から始めていいのかわからない人のためのIT超入門講座
4. 今日からはじめるデジタルトランスフォーメーション! ITの基本からビジネストレンドまで

しかし、ノウハウがない中でのデジタル化は容易ではない。そこで、中国経済連合会が紹介するUdemy BusinessのDX人材育成講座を取り入れ、ITリテラシーの浸透を目指した。「主体的に学んでもらう狙いもあり、手挙げ制で受講者を募りました。IT担当者だけでなく、バス運転手の管理者や技術員など、現場で働く従業員も受講しています。自分のレベルや空いている時間に合わせて講座を選べることもあり、積極的な学びの姿勢が今までよりも強く社内に根付き始めていると感じます」(松本氏)。同社では運行管理システムの導入へも動き出し、今後も講座を通じてスキルと主体性の両軸を向上させていく方針だ。

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