2011年3月11日に発生した国内観測史上最大のマグニチュード9.0(最大震度7)の地震は、東日本大震災を引き起こした。首都圏も震度5強以上の強い揺れを観測し、人的被害、建築物などの被害に加え、公共交通機関が止まり、500万人以上の帰宅困難者が発生した。携帯電話も繋がりづらい大混乱の中、NECの気象庁担当者達は東京・田町にあるNEC本社から大手町の気象庁本庁に向かって歩き出していた。同社が開発し、気象庁地震火山部とともに24時間365日運用している「EPOS=Earthquake Phenomena Observation System:地震活動等総合監視システム」がダメージを受けていないか確認をするためだ。
EPOSとは、日本全国の地震や津波の観測データをリアルタイムで処理・解析し、テレビや携帯電話に届く緊急地震速報、津波警報などの防災情報を発するシステムだ。NECは25年以上、このシステムの開発・運用に携わる。一人でも多くの人を救いたい、システムを止めるわけにはいかない。
地震、津波、火山噴火、河川氾濫、地盤沈下など日本は絶えず自然災害のリスクにさらされている。その予兆を捉え、被害をできるだけ少なくする。被災した時には国の威信をかけて早期復旧に努める。日本の防災・危機管理には人知れずNECの最新テクノロジーと熱い志を持ったプロフェッショナルがいる。
そこで日本大学 危機管理学部 教授の先崎彰容氏がNECの担当者たちと世界最先端と言われる日本の防災、危機管理について熱く語り合った。
日本全国における地震や津波の観測データをリアルタイムで処理・解析し、津波警報・注意報や地震・津波に関する情報などを防災機関・報道機関に迅速に提供する。
(2分44秒~)
全国の火山の観測データをリアルタイムに処理し、火山活動を24H連続監視するとともに、火山活動が活発化した場合は、直ちに噴火予報・警報などを全国の自治体などに発表する。
(11分15秒~)
日本大学 危機管理学部 教授
思想家
先崎彰容氏
専門は近代日本の歴史とその時代を生きた思想家たちの研究。著作やテレビを通じて現代社会への提言を続ける
NEC
国土交通ソリューション統括部
部長
久羽広明氏
<MISSION> ・地震火山津波などの防災システムを24時間365日適切に稼働維持する ・先端技術海外展開への挑戦