NIKKEI Real Estate Summit 2024 都市の未来を展望する大型サミット

いま、不動産がダイナミックに動く

日本のポテンシャルを世界へ! そのために重要な役割をはたす不動産市場の活性化。 いまダイナミックに動こうとしている不動産業界の 様々なうねりを多角的に展望していきます。

提供:NIKKEI Real Estate Summit 2024特集

アイコンNIKKEI PropTechConference 不動産イノベーション最前線

不動産DX、 データ連携・可視化がカギ

DX(デジタルトランスフォーメーション)は幅広い分野で進む。不動産業界の現況や役割を展望する、2月16日に開催された「NIKKEI Real Estate Summit 2024」でもデジタル技術の効果的な活用が論じられた。人工知能(AI)による市場分析や官民連携での不動産情報の一元管理、業務に即した実用的なツールの導入が求められる。

INDEX

基調講演

何のためのDXか?不動産分野で進んでいることを知ろう

ナウキャスト 取締役会長
赤井厚雄

講演中の赤井厚雄氏の写真
非伝統的データで価値可視化

社会経済のデジタル化は不可逆的なステージに突入した。足下では不動産に一意の番号を振る不動産IDの導入が進む。住所の揺らぎ解消は、3次元の都市空間モデルや建築情報モデルの実用化につながる。災害対応の効率化や転居手続きの省略も期待される。

消費者の購買統計データや位置情報など、非伝統的データの活用も広がった。従来、地価でしか判断できなかった不動産価値の見える化もその一環だ。行動データが集まれば、経済効果や顧客ニーズの客観的な分析が可能になる。情報の質の変化は不動産投資を活性化させる。

データに基づいた判断や意思決定が不動産ビジネスでも定着しつつある。データ活用の動きは今後も分野を横断しながら加速し、持続可能な社会の形成に貢献するだろう。

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NIKKEI PropTechConference 基調講演

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企業講演

不動産テックを活用した地図情報DX

RESTAR 代表取締役CEO
右納響

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地図情報の「見える化」を簡便に

金融業界と比べ、不動産業界はデジタライゼーションで遅れをとる。不動産業界の純付加価値額に対するIT投資額は他業種の全体平均の半分にも満たないが、伸びしろがあるとも捉えられる。

不動産に関する情報はテキストベースで管理することが多いが、価値自体は単純な物件情報だけでは判断できない。さらに、情報は紙やPDFファイル、表計算ソフトなど企業ごとにあらゆる形式で保存されているため、管理も複雑だ。膨大な情報をいかに効率的に処理するかは多くの企業が抱える課題といえる。企業が持つ物件や周辺情報を一元化し、地図上で可視化できるようになれば、売買ニーズも含めた複雑かつ専門性の高い顧客対応も実現可能だ。

講演中の右納響氏の写真

「REMETIS」はPDFファイルから物件の売買価格や周辺地域の価格相場、人口などを読み取り、自動でデータベースに登録する。公的機関の情報などの外部データも連携可能。機密性の高い情報は、アクセス権限の細かな管理で閲覧者を限定可能だ。登録や参照の工程が簡潔で、様々な現場での業務にも対応できるのも特徴である。社内での綿密な情報共有は業務の属人化解消にもつながる。物件の客観的な評価や、売買機会の損失防止といった効果も期待できるだろう。

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NIKKEI PropTechConference 企業講演(RESTAR)

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企業講演

土地探しDX / AIにおける落とし穴

ネットデータ 代表取締役
松岡明

講演中の松岡明氏の写真
ITは「道具」、目的見失わずに

中小企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)は、大企業に比べ多額のコストをかけられない。最初から理想形を目指すのではなく、身近な業務から段階的に変革していくべきだ。その際、重要となるのは対象と目的が明確なツールを選ぶこと。例えば、「土地バンク」は物件情報の閲覧に特化しており、より迅速で親身な営業活動をサポートする。

とはいえ、顧客の条件に合った物件情報だけを提供しても成約にはつながらない。目的は土地探しの自動化ではなく、成約率の向上にあるはずだ。顧客のニーズを理解し、助言することが求められる。ITは業務を補助する道具でしかないため、業務改善の目的を見失わず、現場に即したDXであることを重視したい。

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NIKKEI PropTechConference 企業講演(ネットデータ)

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企業講演

不動産テックで変わる日本の不動産売買

いえらぶGROUP 常務取締役
庭山健一

リマールエステート 代表取締役
赤木正幸

講演中の庭山健一氏の写真
AI導入は1割、SaaSが促進のカギ

庭山 生成AIの登場は不動産業界に大きな影響を与えた。業界では自社ホームページ集客にブログ記事活用が一般的だが、記事作成をAIに任せることができる。読み込んだ画像から、間取りの自動生成も可能になった。一方、顧客調査ではAIを導入している企業は1割にとどまる。導入が容易で、直感的に操作できることが活用される不動産テックの条件だ。その点、AIが組み込まれ、業務との連携もスムーズなSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)は有力な選択肢の一つといえる。

赤木 「キマール」は業者間の不動産売買をAIで支援するプラットフォームだ。国内不動産市場は人口減少や外国人利用者の増加など、様々な課題を抱える。SaaSの活用はそれらの解決の糸口となるだろう。

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NIKKEI PropTechConference 企業講演(いえらぶGROUP)

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クロージング講演

不動産DXの現状とデータ分析の展開

不動産テック協会 代表理事
巻口成憲

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データ整備と分析が不可欠

米国のサービストレンドを見ると、2000年にポータルのサーチサイトが誕生してから、5年に一度の間隔でオンラインでの買取支援や資金援助のサービスが登場してきた。

日本でも米国と同時期にポータルサイトが登場したが、現時点の労働生産性は米国に対して27%にとどまる。日本では不動産情報の公開が限定的であり、データが蓄積されなかったことが一因だ。米国はデータの整備と分析によってAIの構築が早期に進み、新しいビジネスの発展を進めてきた。

不動産業界は管理・開発・流通のフェーズに分けられるが、最も蓄積されたデータがある「管理」では、国内においてもデジタル化や分析が進んでいる。今後は「開発」段階におけるデータの整備と分析がトレンドになるだろう。

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NIKKEI PropTechConference クロージング講演

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