信託未来プロジェクト ~みんなの未来のために信託ができること~

信託4社、「ESG」をテーマにZ世代と熱い議論

ESG WGのメンバーと学生たちの集合写真

大手信託銀行4社が協働する「信託未来プロジェクト」の4つのタスク・フォースの1つ「ESG(環境・社会・ガバナンス)」ワーキング・グループ(WG)のメンバーは3月、東京・千代田区の三井住友信託銀行本店で、Z世代の学生を招いてESGをテーマにワークショップを開催した。

ESG WGでは、機関投資家である信託銀行が企業とのエンゲージメント(対話)や責任投資などを通じて環境問題や社会課題の解決に貢献していることを学生たちに知ってもらい、大学のゼミやNPO法人等で課題に取り組む学生たちを「金融の力」でサポートする存在であることを訴求していきたいと、このワークショップを企画した。

議論に先駆け、三菱UFJ信託銀行サステナブルインベストメント部フェローの加藤正裕さんが信託銀行の機能や業務におけるSDGsの重要性、信託銀行が行う責任投資の意義や現状について説明。続いて、「環境」と「人権・ダイバーシティ」の2部に分かれて学生5人がプレゼンテーションを行い、それを受けて信託銀行側から解決に向けた具体的なアクションや考え方が示され、両者の間で活発な議論が交わされた。

ESG WGの活動の様子を撮影した写真

東京農工大学農学部4年の吉川愛梨沙さんは、森林保全のフィールド調査や生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)などの国際会議に参加した経験から、「企業の生物多様性保全活動はCSRベースで、先進事例を生み出しているのは大半が大学発ベンチャーという印象がある。企業はもっとアカデミアと連携すべきだ」と訴えた。信託銀行に対し、「一緒に調査活動を行ってきた仲間の一人は『森林保全に関わるお金の流れをもっと知りたい』と金融機関への就職を目指している。私自身は研究の道に進むつもりだが、金融の力に期待したいと思う」と話した。

ESG WGの活動の様子を撮影した写真

慶應義塾大学環境情報学部3年の中島幸乃さんは、LGBTQ+の当事者として性的少数者を支援するコミュニティ・カフェやNPO法人の東京レインボープライドの運営に携わってきた。自身の活動を振り返りながら、「職場でカミングアウトしていない当事者は9割以上、一方で社内に当事者がいることを認知していない人も9割近くに上る。LGBTQ+の存在の可視化が困難な状況になっている」と指摘した。議論を終えた後は、「企業に影響力を持つ機関投資家の視点を知り、勉強になった」と感想を述べた。

モデレーターを務めた慶應義塾大学大学院特任教授で横田アソシエイツ代表取締役の横田浩一さんは、議論を総括し、「SDGsとは本来、将来世代のために持続可能な地球や社会の形成を目指す活動であり、こうした形で将来世代の声に耳を傾けることには大変意義があること」と語った。

この日行われたワークショップのダイジェスト動画は、信託未来プロジェクトのユーチューブ公式チャンネルで公開中。

【学生×ESG】社会課題解決に向け、信託4社と学生が大激論!