コロナ前から
Zoomに注目していた理由
例えば地方の空港で飛行機の調子が悪くなったときに、かつてはメールで伝えていました。2010年代になるとビデオ通話システムが登場したので、かなりやりとりがスムーズにはなりました。ただ、基本的には1対1のコミュニケーションなので、大勢が同時には話せません。サーバー型の製品で、現場から皆がクラウドでアクセスできるようなものを探していたのです。
Zoomの優れている点の1つは、まず通信品質の良さです。もう1つは使いやすさです。ITに詳しくないユーザーであっても、触っているうちにどう使えばいいのか分かってくる。エンドユーザーがストレスなく満足して使えるように考え抜かれています。
上海での運航イレギュラーで
Zoomが浸透した
上海で飛行機の出発が大幅に遅れるイレギュラーが起きたことがありました。そうした事態が起きたときは、各セクションへの連絡が必要でオペレーションは多岐にわたります。お客様への連絡方法、中国の航空当局と出発時刻についての交渉、給油、機内食の管理などを、大勢の担当者が切迫していました。それも、中国と日本と国をまたいでやりとりをしていたわけです。そこにZoomを入れてつないだところ、現場の緊張感が日本のセンターにもひしひしと伝わりました。この経験以降、社内では「何かあればまずはZoomで」というようになりました。
セキュリティーについては、どのようなシステムを使うときもそうですが、企業がルールを決めて社員に徹底させることが大切ではないかと考えています。
航空業界とビデオ通話業界は
相反する関係か
その中の何割かは必ず、直接会って空間を共有して話したくなります。例え需要の一部がZoomに移行したとしても、現在エアラインが築いていないニーズが掘り起こされると確信しております。
会いたい人には直接会う
需要は変わらない
リモートで聞いたら30分かかる内容が、横にいる人に聞けば一瞬で解決するようなノウハウを共有する需要はなくならないどころか、逆にそのニーズのために皆が動き始めるだろうと思います。その動く先が、従前の古典的なオフィスではない可能性は十分にあります。