• Vol.1 従業員視点の「働きやすさ」と「やりがい」が企業成長の鍵を握る
  • Vol.2 なぜ「体験の変革」で「働きやすさ」を革新できるのか?
  • Vol.3 アサヒグループが実践する“働きやすさ”改革のアプローチとは?
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“働きやすさ”で企業成長を実現

提供:ServiceNow Japan合同会社

社内ITで実現する従業員にとっての「働きやすさ」 アサヒグループが実践する“働きやすさ”改革のアプローチとは?

従業員にとっての「働きやすさ」とは何か――この命題に対してアサヒグループホールディングス(以下、アサヒグループ)が出した答えは、「従業員をカスタマーと捉え、従業員エクスペリエンス(体験)を最大化する」ことだった。その目標を達成するために、同社はあらゆる業務を「サービス」と位置付け直し、サービス利用者である従業員の利便性・生産性を第1に考えた業務プロセス刷新、ITシステム構築に取り組んでいる。そんな同社の取り組みについて、アサヒグループホールディングス 日本統括本部 システム統括部 マネージャーの清水博氏に話を聞いた。

従業員の「働きやすさ」を重視する
アサヒグループ

近年、積極的なグローバル展開によって事業拡大が続くアサヒグループ。同社は2019年1月に新たなグループ理念「Asahi Group Philosophy」を制定し、全世界の社員が一丸となって持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目標とすることを掲げている。とりわけ同社が重視しているのが、企業成長の鍵を握る従業員の「働きやすさ・働きがい」だ。

同社は、もともと自由闊達で個性を尊重する文化がある。しかし、一人ひとりの個性を生かしながらも自然と統制を維持し、働きやすい環境を実現するためには、社内に多く残存する非効率な業務プロセスを改革していく必要があった。そのために、まず従業員をカスタマー、業務をサービスと捉え直し、従業員満足度の向上と従業員エクスペリエンスの最大化を目指す取り組みに着手した。清水氏はこの実現に向け、新しいITアーキテクチャーの策定などシステム領域をリードする役割を担っている。

不便な申請・承認のフローが従業員の負担に

写真:清水 博氏

アサヒグループは、従業員の「働きやすさ」を改善する取り組みを進めているそうですが、この取り組みはどのような経緯から始まったのでしょうか。

清水 当社では、社長をプロジェクトオーナーとする「働き方改革プロジェクト」を立ち上げ、従業員が柔軟に働くことができる環境を整備するための取り組みを推進してきました。これにより残業時間の削減といった一定の効果は得られたものの、働き方改革によって本来目指すべき従業員の働きやすさにはなかなかつながりませんでした。

そこで着目したのが、社内コミュニケーションや業務プロセスを働きやすく変えていくことです。企業が消費者(カスタマー)に向けて便利なサービスを提供するのと同じように、業務の利便性を高めれば従業員のエンゲージメントは必ず高まり、組織の成長につながるはず――この発想が「従業員=カスタマー」と捉えるという考えに至った根源にあります。

具体的に、従来の働き方にはどのような課題があったのでしょうか。

清水 食品・飲料メーカーであるアサヒグループ社内には、営業・生産・物流といったさまざまな部署があり、それらの部署を横断して行われる申請・承認業務が数多く存在しますが、その業務を支えるワークフローシステムがネックでした。

申請・承認業務に使う書類の書式はグループ会社、部署ごとに異なり、ワークフローシステムもそれぞれ個別に構築されたものであり、しかもそれらのシステムは、申請・承認が完了したらそれで終了です。承認後に申請内容に従って行われる作業のステータスまで管理することはできず、結局は電話や電子メールを使ってコミュニケーションを図らなければならない状況でした。

また、使用頻度の少ない業務ワークフローの場合、その都度わざわざ調べ直す必要があるという手間もかかっていました。このように従業員の利便性や生産性を考慮していない仕組みは業務を遂行する上でストレスの原因となり、結果的に働きやすさを阻害することにつながっていました。

すべての従業員が必要な情報を簡単に得られるか

従業員にとって働きやすい環境づくりを実現するために、どのような取り組みを進めているのでしょうか。

清水 対策の1つにワークフローシステムを刷新し、申請・承認業務を改善することにしました。そのプラットフォームとして導入することにしたのが「ServiceNow」です。ServiceNowについては以前から注目しており、サービスの価値向上を目的とした運用プロセスを管理・標準化するITサービスマネジメントのフレームワークという印象を持っていました。サービス利用者である従業員の利便性・生産性向上を実現するという、サービスマネジメントに基づいた考え方が当社の課題解決にマッチすると判断し、採用を決めました。

現在は、申請・承認業務プロセスを全面的に見直すワークフロー改革を進めており、まずはIT部門に関係する申請・承認のワークフローをServiceNowへ移行しました。申請・承認の手順や情報の整理を行い、従業員が申請する際に調べる必要がある項目を少なくして申請の負荷を軽減したほか、申請者・承認者・作業者が一連のワークフローを可視化できるようにして業務効率化を図っています。

ワークフローシステムを再構築するにあたり、「従業員=カスタマー」という考えはどのように反映しましたか。

清水 ServiceNowによるワークフローシステムを導入する際、私たちは新しいシステム基盤のミッション/ビジョンを設定しました。まず「従業員をカスタマーと捉え、従業員エクスペリエンスを最大化する」ことをミッションとし、それを達成するために「必要な情報をすべての従業員が自力で容易に到達できる」ことをビジョンとしました。

図:ワークフロープラットフォーム導入のMission/Vision

このミッション/ビジョンを実現するために、とにかく優先したのが使いやすさです。社内の各部署に何度もレビューしてもらいながら新しいワークフローをつくり上げ、改善を繰り返しながら慎重に社内へ展開していきました。業務のワークフローは時間の経過とともに変化するので、最初から100%を目指して導入する必要はありません。80%程度の状態でリリースし、運用しながらフィードバックをもらい品質を高めています。

写真:清水 博氏

今後アサヒグループでは、従業員の働きやすさを実現するために、どのようなIT施策を予定していますか。

清水 まずはIT部門に関係する申請・承認業務をServiceNowのワークフローに移行しましたが、もちろんIT部門以外での申請・承認業務は数多く存在しており、その数は優に3000近くはあるでしょう。その中から優先順位をつけて、できる限り早い段階で業務プロセスの見直しとServiceNowの適用を実現していきたいと考えています。

特にIT部門以外の申請・承認業務については、業務部門でも使いこなせるワークフロープラットフォームとして整備することを目指しています。各業務部門の業務アプリケーションと疎結合で連携するワークフローシステムが現場で容易に扱えるようになれば、必ずや従業員満足度の向上、ひいては従業員の働きやすさにつながっていくのは間違いありません。

写真:清水 博氏

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