NIKKEI 100年の資産形成

R&Iファンド大賞受賞企業に聞く プロに聞く今後のマーケット展望

りそなアセットマネジメント

下落にも強い国際分散投資 
運用の入り口に

りそなアセットマネジメント運用戦略部シニア・インベストメント・マネージャー

加藤 貴史
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コロナ禍での緩和的な金融政策やウクライナ情勢の悪化を背景としたインフレ上昇に対し、先進各国は金利引き上げなどで抑制する方針だ。しかし、急速な利上げは景気後退につながるとの懸念から、2022年初めから4月にかけて株式、債券はともに軟調に推移した。

マーケット分析では、世界経済や金融市場に構造変化が起きるかどうかの見極めが重要だ。構造変化が生じなければ、経済は正常な状態に回帰すると考えるが、構造変化が生じるならば、当社のバランス運用ではマーケットへの影響を精査し、柔軟に運用内容を変更することを心掛けている。

個人投資家においても長期目線を持ってほしいと考えるが、下落に直面し、不安から資産を現金化することもあるだろう。当社のバランス運用でも導入している世界各国の地域や資産を対象とした国際分散投資であれば、下落幅を抑えた安定的な運用が期待できる。個人レベルでの資産形成の重要性は増しており、まずは長期国際分散投資を通じて成功体験を積んでほしい。

中銀アセットマネジメント

価値ある企業を次世代に 
未来見据えた投資を

中銀アセットマネジメント運用部ファンドマネージャー

越智 孝之
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国内株式市場は成長株優位の相場が続いていたが、今回の資源価格高騰や円安により、割安のまま株価が推移していた企業が見直される局面が到来した。とくに資本力のある商社や海運、鉱業などが資源価格上昇の恩恵を受けて好調だったと見ている。このような状況はしばらく続くと考えられるが、中国のロックダウン(都市封鎖)解除を受けて世界的な供給制約が徐々に改善されれば、再び成長株へ注目が集まるだろう。

足元ではインフレが進行しているが、資産形成においては一時的な市況の変化に惑わされず、未来を見据えて投資を行うことが大切だ。「ちゅうぎん日本大型株アクティブファンド(愛称:未来のゆめ)」も、企業調査などにより、海外市場での高い競争力や、長期的な成長が見込める国内企業を構成銘柄としている。長期投資は今の世代のためだけに行うのではなく、次の世代を担う子どもたちへ、価値のある企業を残すことにもつながると考える。

野村アセットマネジメント

転換点を迎える金融市場 
日本株に期待

野村アセットマネジメント運用部(株式グループ)チーフ・ポートフォリオマネージャー

福田 泰之
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異例の金融緩和を背景にバブルの様相を呈した債券市場が、政策などの転換により変調を来す中、株式市場もグロース株を中心に軟調な展開となっている。ただし、株式市場については、ファンダメンタルズのしっかりしたエクセレント・カンパニーが一時的に割高な水準まで買われてしまったに過ぎず、そのこと自体は株式市場の日常と見ている。

足元のインフレは必ずしも一過性のものではなく、過去40年続いてきたディスインフレのトレンドが、転換した可能性が高いと考えている。だとすると、お金の置き場や資産形成を考える上で、株式や実物資産を組み入れた運用も考えていく必要がある。中でも、ディスインフレに長く苦しんできた日本株はとくに有望な資産と考える。

成熟企業から成長企業へと変化する企業を発掘すること、そして成長企業から成熟企業へと転落する企業を避けること、この2点を両立させ、皆様から選ばれる運用を続けていきたい。

R&Iファンド大賞2022とは

上記で紹介している運用会社3社(りそなアセットマネジメント、中銀アセットマネジメント、野村アセットマネジメント)は「R&I ファンド大賞2022」を受賞している。これは格付投資情報センター(R&I)によって、純粋な運用実績による定量評価のみで、投資信託、iDeCo・DC、NISAなどの各分野で優れたパフォーマンスを示したファンドを表彰するものだ。恣意性を排除し第三者の立場から選定、多くの資産運用関係者などに広く認知されている。

詳しくはR&I公式ホームページで