世界規模のベンチャー企業として 製造業のグローバル展開を支援世界規模のベンチャー企業として 製造業のグローバル展開を支援

提供:キャップジェミニ

 キャップジェミニは50数年の歴史を持ち、世界の約50カ国で拠点を展開、32万5000人の従業員を抱えるフランス発で欧州最大規模のコンサルティングファームである。一方で、日本法人はまだ若く、トップコンサルティングファームでありながらアーリーステージにいる“オンリーワン”の企業でもある。急成長している同社がデジタル化、グローバル化の遅れに悩む日本の製造業にどんな価値を提供できるのか。そこで働く魅力はどこにあるのか。同社の執行役員副社長の藤澤貴啓氏に話を聞いた。

仕事の進め方の違いで
デジタル化が遅れた

――日本の製造業はデジタル化が遅れているといわれています。その原因はどこにあるとお考えでしょうか。

藤澤貴啓氏(以下、藤澤) 業種にもよりますが、現場のデジタル化が遅れていると感じています。現場のデジタル化が進まないのは、仕事の進め方の違いにあります。作業工程を区切って標準化して進める欧米のモジュール型と違って、日本はすり合わせ型で仕事を進めてきました。

 すり合わせ型は現場の状況に合わせて工夫しながら進めていくやり方です。領域をモジュールで区切るやり方は業務の連続性において、接点で重なりの無駄が必要ですが、日本ではなるべくシームレスに業務を行い、効率化を図ってきた側面があります。その結果、多能工は増え、局所的な生産性は高まります。製品開発や工場、間接業務でも、技術や機械、人などをその場その場で組み合わせていくので無駄がありません。すり合わせ型は規模の小さな日本には合っている仕事の仕方だったのです。

 ただ、これだけ変化が激しい昨今では、すり合わせ型では迅速に変化への対処ができません。シームレスに色々なものがつながっている、さらにつぎはぎな状況下でつながっていることも多いため、簡単に切り替えられないのです。例えば、工場のラインでは、スペースが空いたときや、拡張できるタイミングで設備を増強し、何とかつなぎ合わせながら拡大してきた状況が多くみられます。そうなると、機械の種類が統一されていなかったり、同じ機械であってもファームウェアが異なっていたりすることもあります。製品開発でも同じです。日本のすり合わせ型開発では、複数の機能が複雑に絡み合って高い性能を出していますが、そのため、大きな技術変化が起きたときに、全体の構造設計やプラットフォームを簡単に見直すことができません。そのため、つぎはぎで要素技術や新機能を足していくしかない。つまり、個別に最適化はされているが、全体では整然としていない状態です。標準化・モジュール化は変化への対応を容易にします。そして、標準化が重要な前提のひとつとなるデジタル化が進むはずがありません。

 実際に日本のITリテラシーは遅れていると感じています。働き方改革でも、新型コロナウイルス禍になってMicrosoft365やTeamsを慌てて導入している企業が多く拝見されました。欧州の先進企業ではコロナ禍になる前から高度なデジタルツールを用いてリモートワークを実現しています。しかし、今回のコロナ禍で出社ができなくなり、サプライチェーンが分断されたことで状況は一変しました。今ではデジタル化への機運は高まっていると感じます。

藤澤貴啓 氏
キャップジェミニ株式会社
執行役員副社長
藤澤貴啓

――キャップジェミニはどのようなスタンスで日本の製造業に臨んでいるのでしょうか。

藤澤 仕事の進め方において米国と日本は対極にあるとも言えますが、欧州はその中間的な立ち位置です。その分、日本の製造業でも受け入れてもらいやすいのではないかと思います。

 日本の製造業は欧米に比べ、デジタル化で遅れている企業も多く、働き方改革の真っ最中でもあります。そこに先進的すぎるデジタル化を持ち込んでも受け入れるのは難しいでしょう。そこで当社では欧州の手法を取り入れながら、さらにジャパナイズしていくアプローチをとっています。欧州で参考になる事例やノウハウをうまく日本企業に当てはめる、ここが要点になると考えています。

3つのテーマで
日本企業を支援する

――現在どのような領域に注力しているのでしょうか。

藤澤 当社グループは従業員が世界に約32万5000人いて、50数年の歴史を持っています。様々な分野のエキスパートがいて、彼らと連携をとって進めています。例えば、Applied Innovation Exchange(AIE)というベンチャー企業やテクノロジー企業と結びついたチームを世界中に21拠点持っており、各地域における先進のビジネスモデルやテクノロジーを参照・連携することができます。

 私の部門において、日本で注力しているテーマは3つありますが、その1つがAIEを活用した新規事業創出です。AIEに登録されている新技術やベンチャーの情報を活用するとともに、思考メソッドや各種フレームワークを利用して、新規事業創出に向けた企画、検証、実行など課題に応じたサービスを提供しています。

 また、製品開発領域にも注力しています。当社グループには半導体のチップ設計から自動車や工作機械のプロトタイプの製造まで手がけられる5万人以上のエンジニアがいます。この強みを生かしてコンサルティングが主となる上流フェーズから実際の開発フェーズまで一気通貫で提供できるサービスを展開しています。

 現在、最も実績が多いのが、3つ目のグローバルなオペレーティングモデルの構築です。DX(デジタルトランスフォーメーション)を実現させるための様々なソリューションをグローバルなチーム体制で日本企業に実装していくサービスを提供しています。グローバルなオペレーティングモデルを導入したいという企業には当社の強固なグローバル連携という強みがフィットするケースは非常に多く、現在急成長している領域です。

藤澤貴啓 氏

――御社での仕事のやりがいはどんなところにあるのでしょうか。

藤澤 グローバルな人材と連携する中で、様々な新しいコンテンツに触れられることです。好奇心が大いに満たされ、コンサルティングを通して、それが適用できると喜びが大きくなります。そのコンテンツを活用して最終的に最後までやり遂げることができるとさらに大きな喜びを得ることができます。

 グローバルという枠組みの中で、日本企業がどう立ち回れるのか。グローバルな知見に触れて自己研鑽しながら、日本企業とグローバルの橋渡しをして、成長の支援ができることに大きな喜びを感じられると思います。

――今後の展開についてお聞かせください。

藤澤 ローカルtoローカルではなく、グローバルな枠組みから日本企業を見て支援策を考え、グローバルレベルでのつながりを強化できることに当社グループの価値があります。欧州式は合議制に基づくリーダーシップ型が多く、集団合議型の日本企業には馴染みやすいはずです。3つの注力テーマを展開しながら、この手法をもっと日本企業に広めていきたいと考えています。

オンリーワン企業で
働くことの面白さ

――キャップジェミニで働く人にとって、御社の魅力はどんなところにあるのでしょうか。

藤澤 当社グループは欧州発の伝統ある企業グループですが、日本オフィス自体はアーリーステージのベンチャー企業です。日本に法人があるトップレベルのコンサルティングファームでアーリーステージにいるのは当社ぐらいでしょう。その意味でオンリーワン企業でもあります。また、従来のコンサルティングファームは日本で長年やってきたこともあり、海外への敷居は高いことが多いですが、弊社はグローバルと気兼ねなく連携し、彼らのメソドロジーやノウハウ、サービスに触れることができます。このフェーズだからこそ、それらの資産を積極的に活用して、どのように日本でビジネスを拡大していくかという取り組みは大変重要かつ、エキサイティングに感じます。ただ、規模が大きくなるにつれて枠組みや制度などスキームを整備する必要性も高まっています。ここは時間をかけて走りながら作っていくしかありません。厳しい意見もありますが、そのような皆の声を聞いて、より良くしていくための取り組みを行っていく中で、少しずつ組織作りが進んでいるという実感があります。

 まだまだ成熟していないため、荒削りなところも多い中で、一緒に走ってみたい、いろいろなものを作っていきたい、会社の成長を体感してみたい人には楽しめるところだと思います。グローバルで仕事をしたい人であれば、なおさらやりがいがあるでしょう。ホワイトスペースが多く、頑張ればリーダーになれる領域はたくさんあります。

藤澤貴啓 氏

――最後に読者へのメッセージをお願いします。

藤澤 当社は若い会社ですが、その分勢いがあり、きちんと成果を出して成長してきました。一緒に働いてくれている人たちとお客様の成長に貢献できるダイナミズムを日々感じています。

 グローバルでビジネスを成功させたいと考える企業にとって、当社が力になれるところはたくさんあると思っています。そして、社会情勢や市場環境、テクノロジーなど、ビジネスに影響を与える因子がめまぐるしく変化しています。そのような環境下、アーリーステージの勢いやグローバルでの豊富なバックボーンを持つ当社だからこそ、必ずお客様のお役に立てるサービスを提供していけると確信しています。これからも高い品質のサービスを提供できるように常に努力し続けていきたいと思います。

キャップジェミニ株式会社

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