製造業の“インテリジェントインダストリー”への変貌を加速するグローバルパートナー製造業の“インテリジェントインダストリー”への変貌を加速するグローバルパートナー

提供:キャップジェミニ

 世界50カ国以上で事業を展開する総合コンサルティングファームであるキャップジェミニは、総合エンジニアリングケイパビリティーを備えた、ビジネスパートナー、テクノロジーパートナーでもある。優秀な技術者を含む36万人の従業員が、多くのグローバル企業のビジネス変革やデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援してきた。そんなグローバル企業である同社が日本企業向け、とりわけ製造業や自動車企業向けに“インテリジェントインダストリー”というコンセプトのコンサルティング、エンジニアリング、クラウド・データ活用を融合したサービスの強化を進めている。
 日本の製造業のインテリジェント化に関する課題はどこにあり、同社はどのようにして課題解決を支援するのか。キャップジェミニ日本法人のインテリジェントインダストリーの事業責任者を務めバイスプレジデントである森洋之進氏と、エンジニアリングチームのマネージャーである吉岡真紀氏に話を聞いた。

エンジニアリングサービスを活用し、
変革を加速する世界の製造業

――企業のビジネス変革やDXを支援するグローバル企業として、日本の製造業の課題と現状をどう見ていますか。

森洋之進氏(以下、森) 1990年代からIT革命が進展する中、世界の多くの企業は、業界・業態の変革をシステム的に捉えて進めてきました。日本企業にはこれら企業から学び変革する多くのポテンシャルが残されていると思います。

森 洋之進 氏
キャップジェミニ株式会社
バイスプレジデント
森 洋之進

 世界では「インテリジェントインダストリー」へのシフトが進んでいて、製品開発、製造・物流オペレーション、サプライチェーンの全ての領域でデータを生かす、すなわち、データのインテリジェント化が進められ、イノベーションが加速しています。日本の製造業は「ものづくり」という面で世界の最高水準にありましたが、これからは側面支援的なデータを活用したインテリジェント化に関する取り組みを推進することで、生産の効率化や人材不足解消などのメリットが期待できます。

――「ものづくり」という観点では欧米の製造業にもこだわりはあったと思います。欧米が先んじた要因はどこにあるのでしょうか。

 ひとつは標準化への取り組みです。欧州ではドイツのインダストリー4.0(第4次産業革命)のように政府と企業が共同で標準化を進めました。一方、米国はベンチャーや大手企業がリードしてデファクトスタンダードを打ち立てたという違いはありますが、いずれにしても業界全体で標準化を進めてきました。日本の製造業にとっては比較的不得手な取り組み方だったのではないでしょうか。

 もうひとつの要因は、特に自動車産業を中心にして、欧米の企業は当社が提供するような“エンジニアリングサービス”をうまく活用してきたことです。お互いが役割を分担して補完関係を確立することにより、迅速にインテリジェントインダストリーへとシフトしてきたようです。

最適なチームを組んで
ワンストップで変革を支援

――御社のエンジニアリングサービスの強みはどこにあるのでしょうか。

 欧米の自動車産業に、エンジニアリングサービスを提供し、ソフトウエア領域への迅速な対応を実現してきました。例えば、車載インフォテイメントおよびコネクティビティシステムの世界大手サプライヤーであるパナソニックASアメリカ社(PASA)は、キャップジェミニと連携してイノベーションを推進しています。当社は、データエコシステムを構築し、データに基づく意思決定やイノベーション力の強化、企業の効率性と信頼性の向上を推進しています。

 当社は世界50カ国以上に拠点を展開し、36万人もの従業員を抱えるグローバル企業です。金融、製造業、自動車、ハイテクなど幅広い領域で、戦略コンサルティングからデジタルを実装するシステムインテグレーション、そして、ハードおよびソフトウエアの設計、開発を行うエンジニアリングの実装までエンドツーエンドでご提供できる点を強みとしています。

 さらに、IoTやエッジ、5G、システムアーキテクト、あるいはデータサイエンティストなど幅広い技術人材がそろっています。ハードウエアの設計開発・量産などにたけている自動車メーカー向けに、拡張性の高いソフトウエア開発能力や、クラウドをはじめとしたデジタルインフラ構築能力、データ分析能力などの面で、我々はしっかりとサポートさせていただいています。

吉岡真紀氏(以下、吉岡) 自動車業界ではCASE(※)に象徴されるような100年に1度の変革期にあります。そのような中、デジタルコックピットの開発やセキュリティーの確立は自動車メーカーやサプライヤーが単独で行うよりも、当社のようなエンジニアリングサービスを活用することで、より効果的に対応することができます。

※つながる(Connected)、自動運転(Autonomous)、共有&サービス(Shared & Service)、電動化(Electric)の頭文字をとった造語。

吉岡 真紀 氏
キャップジェミニ株式会社
エンジニアリング マネージャー
吉岡 真紀

 当社には車載ソフトウエアおよびハードウエア開発のエキスパート集団がいます。目的に応じてチームを編成し、プロジェクトに取り組みます。フランスの大手自動車メーカーから依頼された2人乗りの超軽量EVモビリティCitroën AMIの開発では、要件定義から設計、部品調達、ソフトウエア設計、量産試作までの全工程を一気通貫で担当しました。グローバルな人材を活用することにより、わずか2年半で完遂しました。

コアの領域を見極めたうえでの
協業体制が成果を生み出す

――日本ではどのようなサービスを提供しているのでしょうか。

吉岡 日本の製造業はソフトウエアエンジニアのリソースが圧倒的に不足しています。絶対数が少ないために、採用を強化しても追いつきません。すでに存在しているエンジニアを活用することが必須です。

 一方、グローバル企業であるキャップジェミニはグローバルに質の高い膨大な数の人材を有しています。そうした人材を活用しながら自動車メーカー向けのプロジェクトを立ち上げつつあります。まずは日本の自動車メーカー各社に実際にグローバルな拠点を視察してもらい、ワンストップでサービスを提供できることを理解してもらっているところです。

森 洋之進 氏
「重要なのは、グローバル視点で、どの国でどの技術、特にソフトウエア開発能力をどう持つか、という“グローバル技術戦略”を策定することです」(森氏)

 今年の2月に自動車業界向けの研究開発にフォーカスした拠点を茨城県つくば市に開設しました。日本企業に適したサービスを開発し、グローバルで得た知見を日本の自動車業界などに提供し、日本の製造業のグローバル展開を支援していく予定です。

 重要なのは、グローバル視点で、どの国でどの技術、特にソフトウエア開発能力をどう持つか、という“グローバル技術戦略”を策定することです。

 これからの自動車はソフトウエアの工数が膨大になります。“コア・コンテキスト分析”という良く知られた分析を行って自社が継続的に開発投資を進めるコアの技術領域を見極め、それ以外をグローバル拠点においてエンジニアリング企業が調達・リテインするリソースを活用することによってGo to Marketの期間短縮につながると考えています。当社もそのためにコア・コンテキスト分析サービスを強化していきます。

遠心力と求心力のバランスで
グローバル人材を育成

――グローバル企業であるキャップジェミニで働く魅力はどんなところにあるのでしょうか。

吉岡 キャップジェミニのグローバルプロジェクトでは、日本がオーナーシップを持ち、世界各地のエキスパートとチームを組んでプロジェクトをリードすることができる点に大きな魅力を感じました。当社は各拠点が対等な関係にあり、国を越えて最適なリソースを集めることができます。プロジェクトを立ち上げたところがプロジェクトオーナーになり、その指示を誰もが尊重してくれるのです。

 実際に最近手掛けたスズキ株式会社向けの実証実験では、日本が全体をリードしてチームを構成し、オランダのエンジニアが設計を担当し、インドのエンジニアが開発に取り組み、インド工科大学ハイデラバード校(IITH)で実施するという形で進めました。各国の最先端のエンジニアたちとの取り組みを通してグローバル化の価値をいち早く体験することができます。

吉岡 真紀 氏
「各国の最先端のエンジニアたちとの取り組みを通してグローバル化の価値をいち早く体験することができます」(吉岡氏)

 対等な文化が生まれたのは、当社の成り立ちが大きく関係していると思います。1967年に設立され、変化に合わせて企業買収を進めて今の形になってきました。買収した組織の独立性を保ちながら全体としてのシナジーを生み出すために、遠心力と求心力のバランスをとることに注力してきました。

 事業を広げていくためには遠心力を働かせることが必要であり、一方、規模のメリットを引き出すには本社の潤沢なリソースに裏付けられた求心力も必要です。当社はその両方のバランスがとれている稀有な企業だと思っています。

 当社は50カ国以上、160以上の国籍の36万人の従業員を擁するグローバル企業です。日本国内においても25カ国の多国籍の従業員が在籍しています。多様性に富み、インクルーシブで柔軟な職場環境で、豊かな体験の提供を目指しています。

 自分の能力を発揮しながらグローバルな組織のダイナミズムも実感したいという人にとっては働きがいのある会社です。

※キャップジェミニは、「ラグビーワールドカップ2023フランス大会」のワールドワイドパートナーならびにデジタルトランスフォーメーションパートナーです。

キャップジェミニ株式会社

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