NIKKEI 100年の資産形成

【100年の資産形成 リレーインタビュー】資産形成の潮流を語る vol.3「資産を「ふやす」「そなえる」「のこす」 人生100年時代のベストパートナーを目指す」三井住友信託銀行 取締役副社長 岩熊 清司氏

金融庁が公表した2022年事務年度の金融行政方針では、国民の安定的な資産形成のために、少額投資非課税制度(NISA)の抜本的拡充や国民の金融リテラシー向上に加えて、金融事業者による顧客本位の業務運営の確保に向けた取り組みを促すことが明記された。三井住友信託銀行は、この3つに貢献する施策を先駆けて実施しており、国民の安定的な資産形成を実現する環境を整備する。具体的な取り組みについて同社取締役副社長の岩熊清司氏に聞いた。

アイコンつみたてNISA
対象商品を刷新
高校生向け
金融経済教育
にも注力

 NISAの抜本的拡充に向けた動きに先駆け、当社は2022年8月につみたてNISAの対象商品を大幅に見直した。インデックスファンドについて業界最低水準の信託報酬を目指した設定とするとともに選択肢を増やし、新たにアクティブファンドも採用することで、商品数は6本から12本に倍増した。選択肢が多すぎると迷う原因にもなりかねないため、運用実績やコストを重視して厳選しつつ、多様なニーズに応えられるラインアップとしたもの。これにより、人生100年時代にふさわしい資産形成を提供できる環境が整ったと自負する。

つみたてNISA対象ファンド
ラインアップ

※1 純資産総額に対する年率。投資対象とする投資信託証券の信託報酬等がある場合はそれらを含めて表示しています。

※2信託財産留保額は基準価額に乗じる率を表示しています。

 金融リテラシーの向上に資する取り組みとしては、以前からライフプランニングや資産形成に関するセミナーを定期的に実施してきた。また、当社の公式YouTubeチャンネルを活用した情報発信も行っている。近年では高校生向けの金融経済教育にも力を入れており、「三井住友トラスト・資産のミライ研究所」と協働し、21年8月から22年9月にかけて当社が支店を構える地域の20校を対象に開催した。「ライフデザインと資産形成」などをテーマとして授業を行い、参加した高校生たちからは、「ライフプランを考えることの必要性を理解できた」「投資に関する知識を深めることができた」「金融経済に興味を持つきっかけになった」など、多くの好意的な意見が寄せられた。参加した高校生が学んだ中身について自宅に持ち帰り、家族との会話を通じ、親子でお金やライフプランについて考えるきっかけになることも期待する。また、支店の社員にとってはまさに地域貢献への取り組みであり、社員のやりがいにもつながると感じている。今後は国内のあらゆる支店で継続的に開催していきたい。

 お客さま本位の業務運営に関しては、お客さまが何を欲しているか、潜在的なニーズも含めて応えていくことが肝心だと考える。お客さまの期待に応えることは社会的価値の創出であり、その対価として当社は経済的価値を得る。お客さまへのわかりやすい情報提供やふさわしいサービスを通じてお客さま本位の業務運営を実現し、社会的価値創出と経済的価値創出の両立と好循環を目指していく。

アイコンスマートフォンアプリ
「スマートライフデザイナー」開発
人生100年時代に向けて
「お金のミライを創る」

 当社は、22年4月にスマートフォンアプリ「スマートライフデザイナー」の提供を開始した。人生100年時代に向けて「お金のミライを創る」というコンセプトのもと、ライフプラン設計をはじめ、家計や資産の一括管理や、資産形成に関する情報提供サービスなどの機能を持つ。資産運用はもちろん、当社が年金業務で培ったライフプランニングや、相続、不動産など、多岐にわたる情報を掲載している。

「スマートライフデザイナー」
紹介ページへのリンク

イメージ図

 シンプルでわかりやすいデザインや、資産形成という社会的課題の解決に向けた取り組みなどが評価され、「スマートライフデザイナー」は22年度のグッドデザイン賞を受賞した。今後は、クイズ形式など楽しく使えるコンテンツを拡充したいと考えている。アプリを使うことで、資産形成について「信頼できる誰かに相談したい」と思う人もいるだろう。対面やオンライン、Webなどお客さまそれぞれに合った方法で、当社に相談できる仕組みも導入したい。

アイコン世代別コンサルティングを
実施しながら
お客さま一人ひとり固有の
悩みを解決する

 人生100年時代で重要なのは、将来の支出のためにしっかり「ふやす」、不測の事態に確実に「そなえる」、そして思いに沿った形で資産を次世代に「のこす」準備を進めることだ。当社は、お客さまのライフステージやライフプランに合わせて「ふやす」「そなえる」「のこす」といった資産の色分けをお手伝いする。その際には、世代ごとに多く見られるライフプランへの悩みやニーズに対する解決策を提示する「世代別コンサルティング」を実践し、顕在化したニーズのみならず、潜在的なニーズにも光を当てている。お客さまの資産背景や固有の悩みをヒアリングし、一緒に解決していく。

 お客さま一人ひとりに適した商品やサービスを提供するため、幅広い商品ラインアップを用意している。例えば、人生100年時代の中で資産運用を継続しながら、万が一体力や判断能力が低下した時は必要に応じて代理人が解約できる「人生100年応援信託〈100年パスポートプラス〉」という商品がある。これまではファンドラップのみの取り扱いだったが、22年12月9日からは投資信託も対象とした。今後ともお客さまの悩みや不安を解消する商品やサービスを的確なタイミングで提案できるよう、コンサルティングの質を高め、人生100年時代のベストパートナーを目指す。

※詳しくはホームページをご覧ください。
・投資信託:投資信託 | 資産運用 | 三井住友信託銀行 (smtb.jp)
・人生100年応援信託〈100年パスポートプラス〉:人生100年応援信託〈100年パスポートプラス〉 | 資産管理・承継 | 三井住友信託銀行 (smtb.jp)

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