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Vol.4 みらい共創ファーム秋田 自ら実践してモデルを構築、SMBCが拓く持続可能な食農の未来 Vol.4 みらい共創ファーム秋田 自ら実践してモデルを構築、SMBCが拓く持続可能な食農の未来 Vol.4 みらい共創ファーム秋田 自ら実践してモデルを構築、SMBCが拓く持続可能な食農の未来

提供:SMBCグループ

金融の枠にとどまらず、新しい事業への参入を積極的に進めるSMBCグループ。既存の殻を破ろうとする同グループの挑戦について、フリーアナウンサーの宇賀なつみ氏がインタビューを行うシリーズ。第4弾は「サステナビリティと食農」をテーマに、SMBCグループのサステナビリティの実現に向けた取り組みについて、サステナビリティ本部 副本部長の金子忠裕氏とサステナビリティ企画部 事業開発グループ 部長代理の秋山峻亮氏に話を聞いた。

食農分野を重点領域として
サステナビリティの実現を

宇賀

宇賀 なつみ 氏
フリーアナウンサー
宇賀 なつみ 氏

SMBCグループのサステナビリティに対する取り組みについて教えてください。

金子

金融分野ではサステナブルファイナンスがグローバルに広がっています。ただ、ファイナンスに行き着くまでのハードルが高いのが課題です。例えば、二酸化炭素(CO2)を削減しようにも、自分の会社がどれぐらいCO2を排出しているか分からず困っているというお客さまの声を多く聞くようになりました。そこで、SMBCグループでは、CO2排出量を計測するツール「Sustana」をご提供したり、CO2の削減方法についてコンサルティングを行ったり、CO2削減に取り組む企業同士をマッチングさせるお手伝いをしたり、金融以外にもご提供できるサービスを増やしてきました。

金子 忠裕 氏
株式会社三井住友銀行
理事 サステナビリティ本部 副本部長
金子 忠裕 氏

さらに、SMBCグループではこうした取り組みを強化するために、2022年4月にサステナビリティ本部を立ち上げました。それまで各部署に点在していたサステナビリティ支援の機能を切り出して一つにまとめて、人員を約30人から100人超に拡充しました。食と農や、新エネルギーの分野などを重点領域として取り組んでいます。

宇賀 

その取り組みの一つが「みらい共創ファーム秋田」ですね。

みらい共創ファーム秋田
みらい共創ファーム秋田について詳しくはこちら

金子

日本で農業に従事する人は毎年10万人程度減少しています。しかも平均年齢は70歳近くと深刻な高齢化に直面しています。この状況を変え、農業を盛り上げていくには、若年層の営農への参入が不可欠です。そのためには農業経営を魅力あるものにしなければなりません。銀行としても魅力的な農業のビジネスモデルづくりに取り組もうとハンズオン(実践)で臨んでいます。

宇賀

大手都市銀行が自ら農業に参入するのは珍しいケースだと思います。きっかけは何だったのでしょうか。

金子

金子 忠裕 氏

8年前に、農業を有望なビジネスにしようと取り組んでいる「大潟村あきたこまち生産者協会」代表者の涌井徹さんと知り合い、意気投合したのがきっかけです。農業を成長産業に変えるために、2016年に「みらい共創ファーム秋田」を設立しました。三井住友ファイナンス&リースや秋田銀行、NECキャピタルソリューションなどの賛同も得て、ジョイントベンチャーとして運営しています。

東京ドーム10倍の農地で
コメとタマネギを生産

宇賀

みらい共創ファーム秋田はどのような活動を行っているのでしょうか。

秋山

秋山 峻亮 氏
株式会社三井住友銀行
サステナビリティ企画部 事業開発グループ
部長代理
秋山 峻亮 氏

現在は秋田県大潟村で、タマネギを20ヘクタール、コメを30ヘクタール、合計50ヘクタールの農地で生産活動を行っています。東京ドームの約10倍の広さといえばわかりやすいかもしれません。

立ち上げ当初は、コメの大規模生産からスタートしたのですが、日本の農業の課題はコメだけではないことに気づきました。例えば、現在取り組んでいるタマネギ栽培は、日本国内で年間を通じた供給ができておらず、特に加工用タマネギは輸入依存度が非常に高くなっています。

宇賀

タマネギは身近な食材だけに、自給率を高めておく必要がありますね。

秋山 峻亮 氏

金子 

タマネギの主な産地は北海道と西日本ですが、7月から8月はこれらの産地からの出荷が少なくなっています。この端境期に、北海道と西日本の中間に位置する東北からタマネギを供給できれば、自給率を高めることにもつながり、日本の食料安全保障の観点からも意義があります。

2022年8月には、タマネギの安定供給の実現を目指し、みらい共創ファーム秋田、双日、農研機構の3者で「東北タマネギ生産促進研究開発プラットフォーム」を立ち上げました。生産技術を開発し、安定的な大規模生産を行い、加工・流通モデルを構築、他社にもそのモデルを提供していこうと考えています。

秋山

タマネギの栽培は、種まきから収穫、調整・選別、乾燥に至るまで、機械化一貫体系を確立することができます。みらい共創ファーム秋田が目指す少人数大規模経営の取り組みとマッチしていたことも、生産に着手した理由の一つです。

スマート農業を実践し
ビジネスモデルを構築

宇賀

みらい共創ファーム秋田の特徴はどんなところにあるのでしょうか。

秋山

デジタルを駆使したスマート農業を実践し、作業内容の記録をデータで残し、成果と結びつけて管理しています。農業従事者の経験や勘に基づく営農ではなく、デジタルに基づいた経営管理を通じて生産活動の改善を進めていくほか、大規模で効率的な農業経営モデルを構築し、その横展開をしていくことを目指しています。

2021年4月からは農林水産省の「スマート農業加速化実証プロジェクト」にも採択され、現地でデジタルを用いたタマネギ生産支援システムの構築にも取り組みました。

宇賀

宇賀 なつみ 氏

銀行に入社したときには、まさか農業をやることになるとは思わなかったのではないでしょうか。

秋山

そうですね。もともと食には関心がありましたが、自分が農業をやることになるとは思いませんでした。出向先として農業法人があることを知り、前任者から話を聞き、未来の食と農を金融機関として支えていきたいという思いで、チャレンジさせてもらいました。

実際に農業の現場に出ると、生き物が相手ゆえの難しさがたくさんありました。農作物が病気にかかってしまったり、天候不良で収穫の時期がずれ込んだりと、机上ではわからない、定量化できない課題が多くあることが分かりました。

金子 忠裕 氏

金子 

これからの食農分野では、生産だけでなく、流通や販売など幅広いバリューチェーンの関係者が連動していくことが重要です。銀行には多くの取引先があり、食農分野に関係している企業もたくさんあります。そういう企業と一緒に仕事をしていくうえで農業の経験は原体験として大きな意味があると思います。

秋山 

実際に農業現場での経験がある銀行員はあまりいませんから、自分の経験をお伝えしながら、新たな事業の創出やなどにつなげていければと考えています。

他の関連業種と協業して
農業の6次産業化を目指す

宇賀

今後はどのような展開をお考えでしょうか。

金子 忠裕 氏

金子 

食農分野における金融は公的機関が行うケースが多かったと思いますが、今後はビジネスとしての事業化が進み、よりファイナンスのニーズが高まっていくことを期待しています。そのために、持続可能なビジネスモデルを作り、そのモデルを伝播(でんぱ)してから金融を使ってもらおうと考えています。

宇賀 

反響はいかがでしょうか。また、どんな手応えを感じていますか。

金子

追い風が吹いていると感じています。東北をタマネギの一大産地にすることを目指した「東北タマネギ研究開発プラットフォーム」でも一緒にタマネギづくりを広げようという仲間の企業が増えてきています。加工までを自分たちで手がけて、農業の課題である6次産業化に向けた取り組みを進めようと取り組んでいます。

秋山

大きな変革を起こすには、政府や大企業と連携することが必要だと考えています。タマネギの取り組みにおいても、多くのプレーヤーを巻き込んで新たなビジネスの創出につなげていきたいと考えています。

農業で持続可能なビジネスモデルを作ることは決して簡単ではありませんが、一方で、農業は人々が生きていくうえ欠かせない産業です。自分の経験も活かしながら、若い人たちにとっても魅力的なビジネスモデルを提示できるように、取り組んでいきます。

金子

SMBCグループには政策提言を行うシンクタンク、日本総合研究所もあり、CO2排出量を測定するソリューションも持っています。食料品のカーボンフットプリントを可視化するなど、食と農という切り口からもグループの力を集約してサステナブルな社会の実現に貢献していきます。

金子 忠裕 氏と秋山 峻亮 氏と宇賀 なつみ 氏

金子 忠裕 氏(画像右)

1992年三井住友銀行(旧さくら銀行)入行。三井住友フィナンシャルグループ企画部 IR 室長や欧州営業部部長を経て、2020年よりサステナブルビジネス推進室長に就任、2022年より現職。

秋山 峻亮 氏(画像左)

2012年に三井住友銀行へ入行。長野での法人営業、プライベートバンキングビジネスをはじめとする企画業務等を経て2022年に、株式会社みらい共創ファーム秋田に出向。現在は銀行から同社の事業運営に携わると共に、フード&アグリビジネス分野での事業開発や脱炭素関連事業への取り組みに従事。

宇賀 なつみ 氏(画像中央)

2009年立教大学社会学部を卒業し、テレビ朝日入社。入社当日に「報道ステーション」気象キャスターとしてデビューする。「グッド!モーニング」「羽鳥慎一モーニングショー」等、情報・バラエティ番組を幅広く担当。2019年に同局を退社しフリーランスとなる。現在はテレビ朝日系「池上彰のニュースそうだったのか!!」、カンテレ・フジテレビ系「土曜はナニする!?」のメインMCを担当。TBSラジオ「テンカイズ」やTOKYOFM「SUNDAY'S POST」等のラジオパーソナリティにも挑戦している。

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https://www.smfg.co.jp/beyond/