提供:リシャールミルジャパン株式会社
「軽さという贅沢」
評論家山田五郎やまだごろう 上智大学卒業後、講談社に入社。『Hot-Dog Press』編集長を経て独立し、美術、時計、街づくりをテーマに執筆・講演活動を行う。AHS(イギリス古時計協会)、GPHG(ジュネーヴ時計グランプリ)アカデミー会員。近著に『機械式時計大全』(講談社)など。
「軽さという贅沢」
評論家山田五郎宝石がちりばめられているわけでもないのに
何千万円もする機械式の腕時計が、少なからず存在する。
驚くにはあたらない。
そのような時計は、ひとつひとつの部品が宝石と同じか
それ以上の手間暇をかけて磨き上げられているからだ。
しかも時計の部品はただの飾りではなく、
互いに噛み合ってそれ自体が美しい動きを織りなしながら
実用的な機能も果たす。
そんな「働く宝石」たちの華麗な輪舞を
ガラス製の裏蓋やくり抜かれた文字盤越しに眺めたり
さりげなく袖口から覗かせたりすることは、
電子部品が基板に並ぶクオーツ式では味わえない
機械式ならではの愉悦といえる。
重力が生む誤差を補正するトゥールビヨンをはじめ
複雑な機構を付加した時計が珍重されるのも、
より多くの部品と精緻な動きを楽しめるからだろう。
とはいえ、部品が増えれば重くなり、
機構が複雑になれば慎重な扱いが望まれる。
その煩わしさを逆に楽しむのも趣味の醍醐味ではあるが、
もっと気軽に楽しめればそれに越したことはない。
リシャール・ミルは新素材と先端技術を駆使することで
軽くて丈夫な複雑時計という無い物ねだりを叶えてくれた。
この軽さは、どんな重厚さにもまして贅沢だ。
リシャール・ミル
RM 53-01
トゥールビヨン パブロ・マクドナウ
RM 53-01はアルゼンチンのポロ・プレイヤー、パブロ・マクドナウ選手の名を冠した第2弾モデル。初代モデルはダイヤルの大部分が硬いチタンカーバイトで覆われていたが、今作ではムーブメントまでたっぷり鑑賞できるシースルー仕様となっている。強度を高めるためにサファイアクリスタルを2枚重ね合わせ、その間にポリビニールのフィルムを挟み込んで、衝撃によって割れても破片が飛散しない特殊な風防を開発した。ムーブメントはケース内部で極細ケーブルによって吊られる構造で、衝撃を吸収する仕組みとなっている。
2018年発表 世界限定30本
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Vol.1
「腕につける
映画監督前田哲
極上のエンタテイメント」映画は世代を超えて、時を越えて受け継がれていく。
映画が誕生して、百二十年余り経つが、
その創世記頃の映画を現在も観ることができる。>> -
Vol.2
「邂逅かいこうの日」
文筆家松浦弥太郎「この腕時計をきみに譲りたいんだが……」
齢八十を過ぎたかれがぼくに言った。
「大切なものなので、今のうちに」>> -
Vol.3
「軽さという贅沢」
評論家山田五郎宝石がちりばめられているわけでもないのに
何千万円もする機械式の腕時計が、少なからず存在する。
驚くにはあたらない。>> -
Vol.4
「並外れた
早稲田大学ビジネススクール教授
男の〝当り前〟は、
顧客にとっての
〝類い稀〟なアート」
長沢伸也欧州ラグジュアリーブランドは総じて長い歴史を有するが、
「長い歴史」が必要条件ならば
それを新設するのは不可能になる。>> -
Vol.5
「リーダーのみが知る、
早稲田大学教授中林美恵子
時の重たさ」国を率いるリーダーたちは、一刻一刻に、勝負ををかけて生きる。
そう感じたのは、米国連邦議会上院で国家予算編成に
奔走するようになってからだ。>> -
Vol.6
「時を刻む
金沢21世紀美術館 館長/
透明な〝生き物〟」
東京藝術大学国際芸術創造研究科教授
長谷川祐子「芸術術」は表現であり、欲求であり、言語である一方、
「クラフト」は技術であり、文化の質である。
時間の経過を一刻一刻正確に、しかも身につけている人間の >> -
Vol.7
「〝エクストリーム〟な
宇宙エバンジェリスト青木英剛
宇宙を感じられる時計」私はF1、深海、航空、宇宙など極限環境で培われた技術を
エクストリームテクノロジーと呼んでいる。
その中でも宇宙は最も過酷な環境下にあり >>