提供:リシャールミルジャパン株式会社

価値の創造
Vol.3

「軽さという贅沢」

評論家山田五郎
山田五郎

やまだごろう 上智大学卒業後、講談社に入社。『Hot-Dog Press』編集長を経て独立し、美術、時計、街づくりをテーマに執筆・講演活動を行う。AHS(イギリス古時計協会)、GPHG(ジュネーヴ時計グランプリ)アカデミー会員。近著に『機械式時計大全』(講談社)など。

RM 53-01
Vol.3

「軽さという贅沢」

評論家山田五郎

宝石がちりばめられているわけでもないのに
何千万円もする機械式の腕時計が、少なからず存在する。
驚くにはあたらない。
そのような時計は、ひとつひとつの部品が宝石と同じか
それ以上の手間暇をかけて磨き上げられているからだ。
しかも時計の部品はただの飾りではなく、
互いに噛み合ってそれ自体が美しい動きを織りなしながら
実用的な機能も果たす。
そんな「働く宝石」たちの華麗な輪舞を
ガラス製の裏蓋やくり抜かれた文字盤越しに眺めたり
さりげなく袖口から覗かせたりすることは、
電子部品が基板に並ぶクオーツ式では味わえない
機械式ならではの愉悦といえる。
重力が生む誤差を補正するトゥールビヨンをはじめ
複雑な機構を付加した時計が珍重されるのも、
より多くの部品と精緻な動きを楽しめるからだろう。
とはいえ、部品が増えれば重くなり、
機構が複雑になれば慎重な扱いが望まれる。
その煩わしさを逆に楽しむのも趣味の醍醐味ではあるが、
もっと気軽に楽しめればそれに越したことはない。
リシャール・ミルは新素材と先端技術を駆使することで
軽くて丈夫な複雑時計という無い物ねだりを叶えてくれた。
この軽さは、どんな重厚さにもまして贅沢だ。

RM 53-01

リシャール・ミル
RM 53-01
トゥールビヨン パブロ・マクドナウ

RM 53-01はアルゼンチンのポロ・プレイヤー、パブロ・マクドナウ選手の名を冠した第2弾モデル。初代モデルはダイヤルの大部分が硬いチタンカーバイトで覆われていたが、今作ではムーブメントまでたっぷり鑑賞できるシースルー仕様となっている。強度を高めるためにサファイアクリスタルを2枚重ね合わせ、その間にポリビニールのフィルムを挟み込んで、衝撃によって割れても破片が飛散しない特殊な風防を開発した。ムーブメントはケース内部で極細ケーブルによって吊られる構造で、衝撃を吸収する仕組みとなっている。
2018年発表 世界限定30本

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