提供:リシャールミルジャパン株式会社
「時を刻む
透明な〝生き物〟」
東京藝術大学国際芸術創造研究科教授
長谷川祐子
はせがわゆうこ 東京都現代美術館等を経て、2021年より現職。イスタンブール、サンパウロ、UAE、モスクワ、タイなど世界各地で国際展を手がける。フランス芸術文化勲章受章、文化庁長官表彰。著書に『ジャパノラマー1970年以降の日本の現代アート』(水声社)等。
「時を刻む
透明な〝生き物〟」
東京藝術大学国際芸術創造研究科教授長谷川祐子
「芸術」は表現であり、欲求であり、言語である一方、
「クラフト」は技術であり、文化の質である。
時間の経過を一刻一刻正確に、しかも身につけている人間の
生の動静や生態を繊細に反映して刻んでいく。
職人の手でつくられた歯車や部品のひとつひとつが
生命をもち、全体がかかわって動く。
この道具をなんと呼べばいいのだろう。
トゥールビヨンという複雑な仕掛けが驚くべき軽やかさと
強度をもって実現されたとき、
この道具は芸術とクラフトが融合し、身体の一部となった。
この道具は半ば透明で、中のメカニズムがみえるようになっている。
生物に共通する「透明性」は、死ぬと不透明になる。
人がつけている限り動き続ける機械仕掛け。
メカニズムの動きを通して、その人の生の内部のダイナミズムが透けて見えているようだ。
この時を刻む生き物は、身につけている者と共に呼吸する。
内部の振動はそのまま生のバイブレーションとして
所有者の生とシンクロする。
多くの一流のアスリートがリシャール・ミルを身に着けるのは、
彼らのエレガントで野生的感性が共振を増幅させるからだろう。
創業者リシャール・ミルはピカソを敬愛している。
「いかなる創造活動も、はじめは破壊活動だ」
と言った芸術家の冒険心は、
リシャール・ミルが作り出した
新しい「価値の形態(フォルム)」に通じる。
リシャール・ミル
RM 56-02
トゥールビヨン サファイア
収納されるムーブメントを360度どこからでも透けて見ることができるサファイアクリスタルケースを世界で初めて発表したのは、リシャール・ミルだった。ビッカーズ硬度ではダイヤモンドに次ぐ硬度のサファイアクリスタルを、1日24時間、40日以上も研削し続けて手首にフィットするように曲面ケースを創り出している。さらに今作では香箱受け、中央ブリッジにもサファイアクリスタルのパーツを採用し、いっそう透明性を高めた。ムーブメントはケーブルによって吊られており、そのサスペンション構造やトゥールビヨンの動きを、どの角度からでも鑑賞できるようになっている。
2014年発表 世界限定10本
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Vol.1
「腕につける
映画監督前田哲
極上のエンタテイメント」映画は世代を超えて、時を越えて受け継がれていく。
映画が誕生して、百二十年余り経つが、
その創世記頃の映画を現在も観ることができる。>> -
Vol.2
「邂逅かいこうの日」
文筆家松浦弥太郎「この腕時計をきみに譲りたいんだが……」
齢八十を過ぎたかれがぼくに言った。
「大切なものなので、今のうちに」>> -
Vol.3
「軽さという贅沢」
評論家山田五郎宝石がちりばめられているわけでもないのに
何千万円もする機械式の腕時計が、少なからず存在する。
驚くにはあたらない。>> -
Vol.4
「並外れた
早稲田大学ビジネススクール教授
男の〝当り前〟は、
顧客にとっての
〝類い稀〟なアート」
長沢伸也欧州ラグジュアリーブランドは総じて長い歴史を有するが、
「長い歴史」が必要条件ならば
それを新設するのは不可能になる。>> -
Vol.5
「リーダーのみが知る、
早稲田大学教授中林美恵子
時の重たさ」国を率いるリーダーたちは、一刻一刻に、勝負ををかけて生きる。
そう感じたのは、米国連邦議会上院で国家予算編成に
奔走するようになってからだ。>> -
Vol.6
「時を刻む
金沢21世紀美術館 館長/
透明な〝生き物〟」
東京藝術大学国際芸術創造研究科教授
長谷川祐子「芸術術」は表現であり、欲求であり、言語である一方、
「クラフト」は技術であり、文化の質である。
時間の経過を一刻一刻正確に、しかも身につけている人間の >> -
Vol.7
「〝エクストリーム〟な
宇宙エバンジェリスト青木英剛
宇宙を感じられる時計」私はF1、深海、航空、宇宙など極限環境で培われた技術を
エクストリームテクノロジーと呼んでいる。
その中でも宇宙は最も過酷な環境下にあり >>