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2017年2月の『押さえておきたい良書

絶対達成バイブル

目標100%達成を「あたりまえ」にする営業戦術とは

『絶対達成バイブル』
 -すべての営業のための
横山 信弘 著
フォレスト出版
2016/12 392p 1,800円(税別)

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 ビジネスパーソン、とくに営業担当にとって「目標」は、日々の仕事の重要な指標となる。だが、上から目標の数字だけを渡されたものの、どうやったらそれを達成できるのか、途方に暮れている人もいるだろう。
 本書『絶対達成バイブル』には、全員が目標の「絶対達成」を目指すことを前提とした営業戦略・戦術が書かれている。この絶対達成は、単なる100%の目標達成を意味するのではない。目標達成を「あたりまえ」と考え、クリアし続けることを示す。「どんなに悪くても目標達成」が本書でいう絶対達成の定義だ。
 本書では、組織の全員が絶対達成するのに必要なマインドやスキル、リーダーシップやマネジメントについて、具体的な心構えや行動のノウハウを詳細に伝えている。著者はアタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。企業の現場に入り、目標の絶対達成を実現させる効果的な指導とアドバイスで定評のある人気コンサルタントだ。

目標の2倍の数字をあらかじめ仕込んでおく予材管理

 絶対達成、すなわち「最低でも目標達成」を実現する実践的マネジメント手法が「予材管理」。これは、目標の2倍にあたる数字を、あらかじめ積み上げておくというものだ。「予材」として2倍の数字を見込んでおけば、少なくともその半分である目標の数字くらいはクリアできるだろう。そんな考えのもと、目標未達成のリスクを回避するために行うものだ。
 予材は「見込み」「仕掛り」「白地」の三つで構成される。見込みは、ほぼ間違いなく受注できる案件。仕掛りは、商談中や提案中など、受注確率にかかわらず顧客との交渉や相談をすでに始めている案件すべて。白地は、まだ顧客も認識していない、営業担当者が仮説として立てている段階の案件だ。
 予材管理では、この三種の案件を合計して「目標の2倍」の数字をつくる。具体的には見込みと仕掛りの数字を積み上げ、目標の2倍から引く。そして、残りの数字を達成できる仮説を立て、白地の数字をカウントしていく。
 白地を埋めるためには、可能性のある顧客との大量接触・大量行動が欠かせないと、著者は説く。中長期の視点に立ち、予材に数えられるもの(予材資産)を増やしていく努力が求められるのだ。

完璧主義者ではなく達成主義者を目指すべき

 予材管理にあたっては、「達成主義者」になることを勧めている。達成主義とは何か。著者は「完璧主義」「記録主義」と比較し、次のように説明する。

“100点満点のテストがあったとき、100点を目指すのが「完璧主義」です。以前の点数や、他人の点数よりも高い点数を目指すのが「記録主義」。
 そして、私どもが考える「達成主義」は、自分が掲げた目標の点数(たとえば80点)は、最低でも超えようという発想です。他人とも過去の点数とも比較はしません。
 「達成主義者」にとっての目標は、単なる「合格点」もしくは「通過点」に過ぎません。”(『絶対達成バイブル』p.111-112より)

 達成主義者は、目標ではなく、目標を“超える”数値を目指して行動する。過度にプレッシャーを感じることなく、「この時期から、これぐらいの行動をすれば、少なくとも目標未達成にはならないだろう」と考えて動くのだ。(担当:情報工場 吉川清史)

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2017年2月のブックレビュー

情報工場 読書人ウェブ 三省堂書店